まーくんが練習で淹れたコーヒーはそれなりにおいしかった。
マスターに教わってから、家でも練習してるらしくて「毎日コーヒー攻め」とおばさんが胃を押さえてた。今度コーヒーゼリーにしておすそ分けしてくれるって言ってたから、母さんと姉ちゃんが狂喜しそう。
本郷のやつ、飲まないで帰りやがって。
気がつくとまーくんがエプロンをはずしている。あれ?もう帰る時間だっけ。
時計を見るとまだ6時前だった。
「どうしたの、もう帰るの?」
焦って声をかけたら、まーくんは笑って俺の頭をポンポンした。
「そんな置いてかれるわんこみたいな顔しないの。えりかちゃんを学童にお迎えだよ」
わんこみたいなって、どんな顔だよ。
むくれる俺に「一緒に行く?」とまーくんが手を差し出したから、その腕にぶらさがるようにしてついて行った。
小学生なのにお迎えなんて、マスターも甘々だなぁと思ったけど、それだけではないみたい。
「この頃、へんな奴がうろついてるんだってさ。えりかちゃんも見かけたらしいよ」
それを聞くとゾッとした。
まだ小学一年生だぞ。ヘンタイか。
俺もへんなおっさんにつけまわされて、ひどい目にあったから、思わずまーくんの腕にしがみついた。
「じゃあ毎日送り迎えしないと!」
まーくんは俺の顔をじっと見て、「大丈夫」とまた頭をポンポンした。
朝は集団登校だし、帰りは商店街の人達に見守られてる。水曜日だけは定休日のお店が多いから迎えに行くんだって。
これまではママがお店番して、マスターが行ってたらしい。
そうだった。
ママは家出中なんだった。
「ママって言ったってホントのママじゃないよ。お母さんはわたしが赤ちゃんの時に死んじゃったから」
学童から靴を履きはき出てきたえりかちゃんは、なんでもないことのように言った。
交通事故だったんだって。
えええぇぇ!
俺たちはびっくりして顔を見合わせた。
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うおぉぉぉぉぉーー
にのちゃん(*.゚ω゚)♡
映画来たあぁぁぁぁぁ!!!
やっぱり髪の毛切ると
お仕事なんだね(*´ω`*)♡♡