そう同じクラスになったんだよ。
本郷とは幼稚園の頃からの因縁の仲で、まーくんが大怪我させられたり色々あったけど。
去年俺がヤバいおっさんに襲われた時助けてくれたのも事実。あの時は本郷もなかなかヤバい感じだったけどね。ほっておいたらあのおっさんの首、ほんとうに踏み潰しそうだったもん。
「ケンカしてない?」
「ケンカするほど仲良くしてません!」
まーくんは「そっかそっか」と笑ってる。
実際は、本郷が学級委員長で俺が副委員長やらされて、仲良くはしてないけど関わりはあるんだよな。
あいつがまさか立候補するとは思わなかった。
みんな本郷を怖がるから副委員長をくじ引きで決めることになって、俺が引いちゃったんだ。
マジ最悪。
「まぁ、そんなに悪い奴でもないっしょ」
大怪我させられててよく言うよ。
俺もね、そこまでやな奴とは今は思ってないよ。
でもなんかとっつきにくいっていうか、何話していいかわかんない。
「あいつ、全然笑わないし、いっつも眉間に皺を寄せてるんだもん。調子狂うじゃん」
お日様みたいな笑顔のまーくんとつき合ってるからかな、ほんとあの雰囲気に慣れない。
そのお日様まーくんの手が俺に伸びてきて、ほっぺたに優しく触れた。
「あんま近づき過ぎるなよ」
「はぁ?」
意味がわからない。
けど、そのまま抱き寄せられてどうでもよくなってしまった。久しぶりのまーくんの匂いに包まれて、俺は胸がいっぱいになった。
淋しかった分、力任せにぎゅうぎゅうしがみついてやった。
「よーしよしよし」
って、俺はワンコか!
こうなったら大型犬になってやる。
俺はまーくんに思いっきりのしかかり、ラグの上でしばらく二人でゴロゴロ暴れた。
しまいには笑ってしまって俺が降参する。
俺にしっぽがあったらめいっぱい振ってたんだろうな、なくてよかった!