いや、確かに思ったよ。
まーくんが気持ちいいのが重要だって。
けどさ、けどさ!
俺がいっぱい触ってあげるところでしょ。
こういう展開は想定外なんですけど。

…って、ごちゃごちゃ言ってても結局受け入れてしまうのが俺。
それをわかっててやってんのかなぁ?
階下の母さんと、夕ごはん中に帰ってきた姉ちゃんとがめっちゃ気になるけど、コトはどんどん進んでいくし。

「……ん、んっ…あ」

言ったらコレも、まーくんをいっぱい触ってるのかもしれないよ。でも俺のほうがいっぱいいっぱいになっちゃって、なにがなんだか。
理性も思考も全部吹っ飛ぶっての。
まーくんが満足して俺がボーゼンとしていたら、もぞもぞ動いたまーくんが言った。

「いっこ言ってもいい?」
「……なに」
「中に出ちゃった」

え?
ナカってナンダッケ?

「――――――――!!!」
まーくんが俺の口を押さえなかったら、とんでもない絶叫が響いていたに違いない。





「あれ?また具合悪い?」

半分以上残したお弁当を生田に食べてもらっていたら、潤くんが心配してくれた。
「ちょっとおなかの具合が、ね」

そうだよ。昨日は散々だ。
まーくんは「ごめんごめん、持ってきたつもりだったんだけどなー」とか言ってたけど、確かに落ちてたよ、ベッドの下に!ちゃんと探せよまったく。
ゴムつけるのはマナーなんじゃないの。
おかげでおなか痛くなるしさぁ。
トイレに行く俺を捕まえて、「ちょっと!少しは遠慮しなさいよ」と姉ちゃんが怒るし。
(テレビのボリューム上げて誤魔化してくれたらしい)
サイアク。

「腹痛いんなら保健室行ってきなよ」

優しい潤くんの言葉に従って、俺はフラフラ階段を下りた。
保健室に行くとちょうど保健の先生が職員室に出向くところで、ベッドを使う許可をもらって一番手前のベッドに潜りこんだ。

「二宮くん」

呼ばれて顔をあげると、境目のカーテンが開いて隣のベッドにいた菅田と目が合った。
「二宮くんの声がしたから」
「あれ、菅田も具合悪いの?」
「まあ建前上。ただの寝不足つまりサボり」
菅田はふんわり笑って枕をポンポンした。
こいつ…常習犯だな。