もしも。
俺とまーくんだったらドヤ顔できただろうか。きっとできない。
現にゆうくんに追求された時、頭が真っ白になって、ドヤ顔どころじゃなかった。
例えば、あの由里子ちゃんとならどうだろう。
まーくんはドヤ顔できるかもしれないよね。
キレイだし、なにより…女の子だし。
きっと自慢の彼女になったよな。
だって、それが普通だもん。
そんなことが次々に頭に浮かんで胸が苦しい。
まーくんはもったいないことしてるんじゃないかって……そう思ったとたん、息が詰まりそうになった。
そうか、これか。
これがモヤモヤの原因か。
俺、まーくんのことが大好きだってだけでここまで突き進んできたけど、それで正解だった?とんでもない事してない?
もてあましていた身体の熱が引いていく。
黙り込んだ俺に、まーくんが「どした?」って不思議そうな響き。
「やだやだやだ!」
「うわっ、なになに!?」
俺が急に駄々っ子みたいにしがみついたからびっくりしてる。
なんか悔しい、くやしい。
まーくんは俺んだもん!
俺は女にはならないし、ならなくていいって言われて、このままでいいのに。
でも俺たちは堂々とできないなんて。
やっぱり俺は何か間違っちゃった?
「どしたの!?今日のかず、ヘンだよ」
頭の中がぐちゃぐちゃで、泣きながらしがみつく。こんなことまーくんには言えない…。
しょうちゃんが来るまで、まーくんは俺の背中を撫でながら抱きしめてくれていた。
「やぁっぱり菅田は刺激が強すぎたかなぁ」
まーくんがつぶやいた。