実は今夜は母さんがいない。
父さんの単身赴任先に用があって行ってる。
そんで、そうと聞いた姉ちゃんも、近所の友達のとこに泊まるって言うんだ。
「なんで?」
姉ちゃんは赤くなると「あんたバカぁ?」なんて、どっかのアニメキャラみたいなセリフ吐いてどついてきた。
その時はまだ寝るのに精一杯だったからわかんなかったけど、今ならわかる。赤くなるのは俺の方。
「あてっ!」
お泊まりグッズを手にしたまーくんが玄関から出てきた。出てきたとたん足をドアにぶつけてる。そして門まで来るあいだにも、けっつまずいたりして…どんだけテンパってんの?
突然の展開にアワアワしてるのがまるわかりで、思わずニヤついちゃったら、
「なに笑ってんのって」
ほっぺたをぎゅうーってされた。
だっていつもは俺がワタワタしてるのに、今日は逆なんだもん。なんかうれしいじゃん。
俺んちに帰ると、テーブルの上に姉ちゃんが書いたメモがのってた。
─お風呂沸かしといたから─
2人で顔を見合わせる。
「かず、」
「いやいや、一緒に入んないから!」
一緒に入ってエライ目にあったのはついこの間。忘れてないもんね。
「なんもしないって、てかできないって」
そう言ってお互いの包帯の巻かれたところを指さす。…そうだった。お風呂に入るの結構めんどいんだった。
仕方がないので2人で協力してシャワーを浴びた。傷が酷かった俺の左腕と、まーくんの左手にビニール巻いて、濡らさないように気をつけながら、慎重に。
最後に湯船にサッと浸かって、はい終了。
洗面所で頭を拭きながら、今日大野さんが描いてくれたあの不思議な絵の事を話した。
「え、背中合わせにくっついてんの!?」
へえぇってまーくんが目を丸くする。
俺たちはぱんイチで実際に背中合わせになって鏡にうつしてみた。
「こんな?」
「うん。で、後ろ頭もくっついてて…」
むう!身長差があってくっつかないじゃん!
俺はムキになって背伸びしたら、まーくんがそっと屈んでくれた。
「こんなこんな」
「ひゃは、これじゃかずの顔見られないね」
「ん…」
心はくっついてるのかな。
それともひとつなのかな。
顔が見えなくても、心は繋がってるんだきっと。だから離されてツラいんだね。
背中にまーくんの温もりを感じながら、そんなこと考えてた。
鏡の中の自分たちに目をやると。
「………まーくん」
明らかに盛り上がるぱんつの前。
え、もう?早くね?
まだそんな雰囲気じゃなかったよね??
思わず頭をひと叩きしちゃったよ!
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このごろAmebaさんを開くと、1回真っ暗、真っ黒?になる…。
ワタクシだけなのかな?
うーん。スマホが限界なのかしら( ˙꒳˙ ;)