にのちゃん
お誕生日おめでとう🎊
いつでもステキなにのちゃん♡
もうこれ以上はナイだろうといつも思うのに、更に進化して、ステキを更新していくにのちゃん♡♡(*.゚ω゚)
素晴らしい一年になりますように!
ずっと大好きです♡
今年は小話をつけてみました。
お誕生日とは全然関係ないお話なんだけど(^-^;
よろしかったらお付き合いくださいませ。
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「相葉くん!」
階段の踊り場に響くちょっと高い声。
それは忘れもしない、中2の春のこと。
やっとかずくんが中学校に入学してきて、だぶついた学ランの袖から丸まっこい指だけのぞかせている姿に浮かれてた俺。
「へ………、え、え!?」
目の前には赤い顔のかずくんが、涙目で仁王立ちしてる。
朝学校につくなり体操服を忘れたことにビビったかずくんに俺のを貸そうと、階段をおりたところでばったり出会った。
「これから相葉くんって呼ぶから!」
なに?なんて?
俺は体操服を持ったまま呆然とかずくんを見つめた。「アイバくん」?「アイバくん」ってなんだっけ?
いや、わかってるよ、俺の名前だ。
けどそう思うくらい、今まで1度だってかずくんの口から出たことない言葉。
いつも「まーくん」だろ。
くるんとした可愛い口でそう呼ばれるのがたまらなく好きなんだけど。
「なに?なんで??どうしたんだよ…」
言い終わる前にかずくんは階段を駆けおりて行ってしまった。
ええええぇ!
なんなんだよー!?
混乱する俺は、入れ替わるように通りかかった風間ぽんを引っつかまえた。
そしてだいたいのいきさつを知ったんだ。
忘れた体操服を「まーくんから借りてくる」とかずくんが言ったのを聞いた同じクラスのお調子者男子2人が、それをネタにかずくんををからかったんだって。
「かずくん♡」
「まーくん♡」
って呼び合うマネして、「どんだけラブラブカップルなんだよぉ」とふざけたあげく、抱き合ってチューするフリまでしたらしい。
そんで、ご丁寧にも「オレの嫁〜」と叫びやがったと。
そう!確かにかずくんは俺のお嫁さんになる、ハズ。昔そう約束した。たとえかずくんの記憶が吹っ飛んでようと、俺的には間違いない。
しかしだ。
そんなおふざけに使われるのは許せない。
もっと大事な、大切にしまっておきたいことなんだ。
なんだか土足で踏みにじられたみたいで、全身から血の気が引いていくようだった。
わかってるんだ、ちょっとエスカレートしたおふざけなんだろう事は。
だけど、ふざけるバカと、冷やかす男子、キャーキャー盛り上がる?女子に囲まれて、困りきってるかずくんを想像すると胸が痛んだ。
かずくんは優しいから、強く言い返したりできないし、その騒ぎの中で曖昧に笑いながら途方に暮れてたんだと思う。
風間ぽんが上手いことその場をおさめて、かずくんを助け出してくれたらしい。さすがそういうのが上手いよね、風間ぽん。
ありがとう風間ぽん!
そのバカ2人をぶっ飛ばしてやりたかったけど、風間ぽんはやめた方がいいよと言う。
「みんな、ニノになんかしら関わりたいんだと思うよ。なにしろ可愛いからさ」
うん、可愛いからね。心配が尽きないよ。
確かに、俺が出ていって何かしらアクションすることで、マジなイジメになっても困る。
だから風間ぽんによくよくかずくんのことを頼んで、様子を見ることにしたんだ。
夕方かずくんに会った時、しょんぼりしてるのを見たらもう愛しくてしかたなくて。
「相葉くんでいいよ」と言った。
「俺は、ニノって呼べばいい?」
みんなそう呼んでるからさ。
そう言ったら、かずくんはちっちゃい声で
「ごめんね」
って、うるうるしてる。
くうぅー!抱きしめたいのを我慢するのが大変だった。マジでヤバかったよ。
それから4年くらい「相葉くん」一本。
2人きりの時くらいいいだろって言っても、そうじゃない時にうっかり出ちゃうからと、もうずっと「相葉くん」とにかく「相葉くん」だ。
しまいには慣れてしまったけど、どうしたって「まーくん」のが好きなんだよ。あのちょっと甘えた感じがいいのに。
「ニノ」って呼ぶのもなんか寂しくて。
呼ぶよ、呼ぶけどさ。
だから、かずくんが「まーくん」と久しぶりに呼んでくれた時、ホントにうれしかった。
耳を疑ったもんね。幻聴じゃないかって。
舞い上がっちゃったよ!
そんなことももう過去の話。
今じゃ、俺の腕の中でキュルルンな瞳で
「まーくん」
って呼んでくれるかず。
ちょっと息が上がった、舌足らずな
「まぁ、くん…」
まで知ってしまった俺。
たとえ外で「相葉くん」と呼ばれてたとしてももう全然平気だもんね。
むしろ「まーくん」て言ってるかずを見られるほうが心配なくらい。
舌足らずなほうに至っては、ゼッタイ見せらんない!ダメだかんね、ゼッタイ。
あれは俺だけのものなんだから!