入り込んできた大きな蛾は、お風呂場の灯りに張り付いたままじっとしてる。
けど、俺は気になって仕方ない。
オドオドしてる俺の頭をまーくんが洗ってくれた。目を閉じてる間が余計にコワイ。
慌てて頭を拭く俺を見て、まーくんが「怖がりだなぁ」って笑ってる。
ようやく湯船に2人で浸かるころには、湯気でよく見えなくなってた。

「もう見えないから大丈夫だろ?」
「えぇー、見えないほうが気になるじゃん」

口を尖らせる俺を見てたまーくんは、ふと手を伸ばしてきて、拭ききれずにおでこに張りつく俺の前髪をかきあげた。

「目に水が入るよ」

触れられたとたん、胸がドキドキして顔が熱くなるのがわかる。え、なに?俺、また湯あたりしてる??

「あ…りがと」

なんだろ。なんだか無性に甘えたい。

と、視界に入る肩の痣。
まーくんの肩にはちょっと色の濃い痣がある。
小さい頃は、それがカッコよくてうらやましくて、クレヨンで自分の肩に描いたこともあったっけ。
母さんには怒られたけど、まーくんのお母さんは大笑いしてくれた。
プールに入ると、痣のことなんかコソコソ言ってるよそのお母さん達がいたのも知ってる。
今でもなんでかわかんない。
今でも俺、カッコいいって思ってるもん。

そんなこと考えてたら、自然とまーくんの肩に触ってた。
「…どしたの急に。昔みたいにこの痣、羨ましくなっちゃった?」
くふふと笑いが漏れる。

するるっと引き寄せられて、ちょっと迷ったけど、おとなしく腕の中におさまる。
気持ちいい。肌が触れ合うって気持ちいいんだな。

チラと見上げると、まーくんの顔が近づいてきたから心臓が跳ね上がる。
ヤバ……………て、あれ?
予想と違って、頬を掠めてまーくんの顎が肩の上に当たった。
びっくりした、てか、なんか期待してるみたいじゃん、俺。違うし!静まれ心臓。

「いったぃ!」

突然肩に刺すような痛みがはしって、まーくんを押しのけた。慌てて見たら、肩に赤いヘンな跡。えぇぇ、なにこれ。

「これ、いっぱいつけたら痣みたいになるかな?」
「はぁ??これってもしかして…」

げ。
もしかしなくても、これがいわゆるキスマークってやつ!?

「なにすんだよ!」
「えー、跡つけて欲しそうだったから」
「んなわけあるか!」

恥ずかしくってお湯をぶっかける。
そこからは、お湯のぶっかけあいになって、ぎゃあぎゃあ騒いでたら、跳ねた水しぶきがかかったのか蛾が急降下してきて、またもや悲鳴をあげるはめになった。
おまけに「遊んでないで早く上がれ」って、しょうちゃんにお小言言われるし。
「智くんが寝ちゃいそうなんだよ」
まだ9時前ですけど!?
どんだけだよ。

















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5✕20   終わっちゃった…………。
正直魂抜けて、完全に腑抜けております。
╭( ๐_๐)╮
智くんの挨拶もそうだけど、もう泣けて泣けて…。
私はニノ担なので、あの挨拶からにのちゃんのことを考えると、にのちゃんもほんとに怖くて苦しかっただろうなと胸が痛みます。
涙が止まりません(´;ω;`)クゥゥ
あらためて、ライブビューイングのことかけるといいんだけど。
とりあえず今の気持ちです。