10話目は、勝手に主人公ちゃんがパニックになっていきます。







注意以下ネタバレです注意










《社内恋愛ドキドキ久留巳くん》


(ウソよ……絶対ありえない……)



ボクサーパンツ1枚の久留巳くんを前に、私は混乱していた。



(いくら酔っぱらっていたからって……信じられない……)



酔った勢いでエッチしちゃってまったく覚えてないとか、話に聞いたことあるけど。


お酒に強い自分には、絶対ありえないことだと思っていたのに。



(こんなことになっちゃうなんて。しかも相手は会社の後輩……どうしよう!?)



その時、久留巳くんがするりとシーツの間に潜り込んできた!




《スチルあり》セクシードキドキ




久) 「……どうしたの? 顔色悪いよ。具合でも悪い?」


(そ、そ、そんな近くで見つめないでー)


久) 「○○ちゃん?」


主) 「ごめん……なんか私……その……昨日のこと、よく覚えてなくて……」


久) 「なんで謝るの? 僕は○○ちゃんと一緒に朝を迎えられて、とっても嬉しいよ♪」



ふふっと微笑むと、久留巳くんはパッと立ち上がった。





*****

(一緒に朝を……ああやっぱり……)



どうやら私は“重大な過ち”を犯してしまったらしい。


久留巳くんは嬉しいだなんて言ってるけど、私は混乱しすぎて、1ミリも喜ぶ気持ちになれない。



(うわー! 何も覚えてないよ!!)



私は頭をグシャグシャとかきむしり、ブンブンと左右に振った。



(あう……いたたたた……)



二日酔いの頭痛が増すだけで、記憶がよみがえることはなかった。


お水を持ってきてくれた久留巳くん。気持ちが多少クールダウンした。



久) 「○○ちゃん、今日、何か予定ある?」


主) 「え? 特にはないけど……」


久) 「だったらデートしようよ!」


主) 「デートぉ!?」





(どうしよう…。まだ二日酔いだしなぁ……)


久) 「なーんてね。本当はリサーチのために街に出たいんだ」



しかし全く昨日のことを覚えてない主人公。とりあえずリサーチに付き合うことに。



久) 「やったー! 週末まで○○ちゃんとずっと一緒にいられるなんて、嬉しいな♪」



久留巳くんは私をぎゅっと抱きしめた。


主人公はリサーチについて久留巳くんに聞きます。が、やはり昨日のうちに説明されていたようで……


ここで久留巳くんが朝ごはんにしようと言います。





*****

玄米、とうふとわかめのお味噌汁、きゅうりと大根のぬか漬け。


食卓には、見事な「ニッポンの朝食」が並んでいた。



久) 「ほら、食べよ♪ いっただきまーす!」


主) 「……いただきます」



私は恐る恐るお味噌汁を口に運んだ。



主) 「……何これ! こんなに美味しいお味噌汁、初めて飲んだ!」


久) 「でしょ? やっぱ味噌から作ると旨味が違うよね」



味噌にぬか漬け…手作りだった。

料理は全部自己流だよと久留巳くん。



久) 「和食が食べたくなったら、うちにおいでよ。」


「○○ちゃんに食べてもらえるなら、張り切って作っちゃうよ!」



久留巳くんは、とっても嬉しそうな顔をした。



(そんな気軽に言わないでよ……まだ付き合ってるわけじゃないのに……)



短パンだけのリラックスしたその姿を、眺める自分が不思議だった。



(……やっぱり私の勘違い?)

(いくらなんでもまったく覚えていないなんておかしいし、久留巳くんの態度も特に変化ないし…)



主) 「ね、久留巳くん……」


久) 「ん? なぁに? 食後にあずき茶でも飲む?」


主) 「あ、うん。」


(そうじゃなくって! ちゃんと確かめなきゃ)


主) 「その……昨晩……」



ヤカンのお湯が沸き、ヤカンの笛の音で声がかき消された。



久) 「ごめん、聞こえなかった。なになに?」



あずき茶を入れたカップを持って、久留巳くんがテーブルに戻ってきた。



主) 「……ううん、何でもない」



ニコニコと微笑んでいる久留巳くんを前にしたら、改めて聞くのをためらってしまった。



(もし本当にエッチしてたとして、ぜんぜん覚えてないなんて言ったら)

(久留巳くんを傷つけてしまうかもしれないもんなぁ……)





*****

一時帰宅。


久留巳くんとは、午後直接渋谷で待ち合わせすることになった。


主人公は熱いシャワーを浴び、気を取り直して服選び。


オシャレが大好きな主人公。
クローゼットの中には、まだ袖を通していない服が何着かある。


デート用にと衝動買いした服。



(久留巳くんには毎日着てる服を見られてるし)

(今日は休日だから、今まで見せたことのない服にしよっかな♪)



鼻歌まじりでコーディネートを考えてる自分にはっとした。


浮かれている自分にため息をつき、自分の気持ちがわからない。



(久留巳くんは後輩としてじゃなく、ひとりの男の人として、好き……なんだと思う)

(久留巳くんのほうも 冗談や社交辞令でもなくて、私のことを……好きなんだと思う)

(交際を申し込まれたわけじゃないし、告白したわけじゃない)

(なのに関係だけ先に持ってしまうなんて……それでいいわけないじゃん!)



昨日のキスの事も思い出し、白黒はっきりさせようとメールを打ち始めると、久留巳くんから電話。


昨日のことなんだけど……と話始める久留巳くん。



久) 「○○ちゃんさ、お会計のとき、財布から1万円札出して、僕の分まで払っちゃったじゃん?」


主) 「……え? 私、そんなことしたっけ?」


久) 「え、もしかして覚えてないないの?」





もうウソをつくのはやめよう、と私は思った。



主) 「……ごめん、かなり酔っぱらってたみたいで、正直何も覚えてないの」


久) 「ぷっ」


主) 「何よ、笑うことないじゃん」


久) 「後から請求してこないなんて、ずいぶん気前がいいなとは思ってたんだけど、やっぱり覚えてなかったんだね」


主) 「うるさいなー。こんなの初めてよ。私お酒そんなに弱くないもん」


久) 「それにしても、マスターとのやりとりは面白かったな」


主) 「え、私そんな面白いこと言ったっけ?」


久) 「『釣りはいらないよ!』とか言って威勢よく1万円札だしたけど」

「マスターが『釣りどころか足りねーよ!』って突っ込まれて」


主) 「え!?」


久) 「お会計、11000円だったんだよ。残りの千円は僕が出したから、ワリカンだと差し引き4500円」

「午後会ったときに渡すね」


主) 「あ、う、うん……」

(恥ずかしい……そんなことしてたなんて)


久) 「○○ちゃん、やっぱりそのあたりから記憶なくしてるでしょ?」


主) 「う……ごめん……」



笑いながら久留巳くんは電話を切った。



(怒ってないのはいいけど……本当に何も覚えてないないって知ったら、どう思うかな……)



私はだんだん午後会うことがユウウツになってきた。





*****

久) 「○○ちゃん、こっちこっち!」



改札を出たら、はるか10メートルくらい先のほうで、久留巳くんが手を大きく振っていた。



(わ……背が高いからすごい目立つ!)



目立つのは身長だけじゃない。


彫りの深い顔立ちも。
抜群のファッションセンスも。


周りの中学生・高校生の子たちが皆、久留巳くんに注目している。



(あんなカッコイイ男の子が手を振ってる相手が私だなんて。なんかヘンな気分)



とはいえ相手は後輩。そして今日の目的は市場調査。


でもパンツ姿の久留巳くんを思い出し、赤くなる主人公。


いつかデートにとストックしていたワンピを着ていた主人公に、久留巳くんは可愛いと言い、嬉しくなります。


思わず笑顔を向けたら、久留巳くんはまたバグをした。



主) 「く、久留巳くん、どうしてそんなにいつもいきなり……人前で……」


久) 「愛情表現♪ だって○○ちゃん、今日は一段と可愛いんだもん」


主) 「もう! どうしていつもいきなりなの?」

「私たち、ただの先輩と後輩だよね!? 付き合ってるわけじゃないよね?」

「暗闇でキスしたり、その……覚えてないうちに……しちゃったり……」



もう抑えきれなかった。


あまりに無邪気な久留巳くんの態度に、私はキレてしまった……。



久) 「え?だって僕たち昨日の夜……」



久留巳くんの寂しそうな瞳に見つめられて、一瞬、息が止まった。


その口から、次にどんな言葉が出てくるのか、恐ろしくて思考はストップ寸前!


(ど、どうしよー!)













って、こっちがどうしようだよダウン


次回、ようやく昨夜の事が解明されます。