こうした事件のほとんどが闇から闇に葬り去られる風土に抗いたいという伊藤さんの希望に加え、警察が山口氏の逮捕令状を取り下げるように命じられたことについて野党の国会議員などが政治的に高い位置にいる人間からの圧力があったと主張したことが加わり、この問題は高度に政治的色彩を帯びると同時に国際的に注目を浴びることになりました。

 

結局刑事告発は一切行われませんでしたが、伊藤さんは現在山口氏に対し民事訴訟を起こす手続きを進めています。

 

『ジャパンズ・シークレット・シェイム』を見た人は大きな怒りに身を震わせることになります。
私は番組を身始めた時から胃がキリキリと痛みました。

しかしこの忌まわしい事件の中、自分自身の体験から伊藤さんを勇気ある女性として賞賛する高齢の女性の存在からは、微かではありますが希望の光を感じ取ることができます。

 

同じような被害にあった女性たちに前に進むための勇気を与えるために。

番組の最後、強姦された後伊藤さんに出会うまで誰にも何も語らなかった一人の女性が登場します。


「水面に一滴の水が滴り落ちても何も起きません。」
女性は伊藤さんにこう語りました。
「でもその水滴がたくさん集まれば、津波を作り出すかもしれません。」

 

https://www.theguardian.com/tv-and-radio/2018/jun/28/japans-secret-shame-review-breaking-a-nations-taboo-about