遺棄致死容疑

両親逮捕 5歳児に食事与えず 東京・目黒

 

 東京都目黒区で3月に船戸結愛(ゆあ)ちゃん(5)が父親から殴られた後に死亡した事件で、警視庁捜査1課は6日、父親で無職の雄大被告(33)=傷害罪で起訴=と母親の優里容疑者(25)を保護責任者遺棄致死容疑で逮捕した。結愛ちゃんは、しつけと称して暴力を振るわれ、ほとんど食事を与えられなかった。また、「きょうよりかあしたはできるようにするから ゆるしてください」などと長文の「反省文」を書かされていたという。

 

 

船戸雄大容疑者=東京都目黒区で2018年3月4日、小川昌宏撮影
 

逮捕容疑は1月下旬ごろから、自宅で十分な食事を与えずに栄養失調状態にさせ、病院にも連れて行かず、3月2日に肺炎による敗血症で死亡させたとしている。いずれも容疑を認めているという。

 

 同課によると、両容疑者は、朝はスープ1杯、昼と夜はおわんに少しのご飯とみそ汁といった食事しか与えなかった。結愛ちゃんの死亡時の体重は、5歳児平均の約20キロに対し、12キロだったという。

 

 一家は4人暮らしで、優里容疑者の連れ子の結愛ちゃんのほかに、両容疑者の実子の長男(1)がいた。結愛ちゃんは3月2日に息をしていない状態で病院に搬送され、死亡が確認。2月下旬に結愛ちゃんを殴ったとして、雄大容疑者が傷害容疑で逮捕された。

 

 結愛ちゃんは、1月まで住んでいた香川県善通寺市でも虐待を受け、児童相談所に2度保護されていた。情報を引き継いだ品川児相は2月に訪問したが、結愛ちゃんに会えなかった。保育園や幼稚園には通っていなかったという。【春増翔太、山本佳孝、土江洋範】