世界で最も美しい湖畔の村と言われるハルシュタットに3泊の宿をとった。ホテルの案内にはかて作家のアガサ・クリステイもこのホテルに泊まったと書いてあった。ここは人口は860人の小村だが1997年には世界遺産に指定された。日本では美しい景色を「写真の様だ」と形容する。私は今回ハルシュタットを訪れ、美しすぎて写真では表現しきれない自然、景色のあることを知った。2週間の旅行で構えるごとにデジカメのシヤッターを押し、写した写真の枚数は3、000枚を超えた。

 



 
横浜・青葉台暮らし-ハルシュタット2
 
ハルシュタット。周りが高い山に囲まれているので湖に波は立たず、水面は鏡のように静かだ。


 

 

鉄道のハルシュタット駅は無人駅だ。鉄道でハルシュタットを訪れる客はハルシュタット駅に降り立ち、湖畔の渡し船乗り場にむかい、5分ほど渡し船にのり対岸のハルシュタットの街に向かうのである。ハルシュタットでは初日は街並みを見物し、2日目はクリッペンシュタイン山と氷の洞穴を訪れ、3日目はハルシュタット塩坑を訪れた。

 
横浜・青葉台暮らし-ハルシュタット3
 
クリッペンシュタイン山から見たハルシュタット湖
 

 
 

 
 

ハルシュタットでは「ホテル グリューナー バウム」”Seehotel Gruner Baum ”に泊まる。ホテルの紹介文だ。"SEE”はドイツ語で海、湖の意味。ドイツ、オーストリアには"NORDSEE"というシーフードレストランチェーンがあり、私のお気に入りだ。


『当館("緑の木")は、アッパーオーストリアのザルツカンマーグート地域(Salzkammergut region)にある世界遺産の町の中心部に位置しています。すばらしいハルシュタットの湖の景色が見える広々とした快適な客室をご提供しています。
1700年代に初めての記録が残されている当館は、美しく改装済みで歴史的な雰囲気があり、映画のシーンにも何度か登場しています。皇后エリザベート(シシィ)、オーストリアの著者アーダルベルト・シュティフター、アガサ・クリスティー、その他多くの著名人がこのホテルに滞在しています。』

 


 

 
横浜・青葉台暮らし-ハルシュタット
 
教会の右の黄色の建物がホテルグルーナー バウム


最後に。戦前に日本の一部知識人(日本浪漫派、京都学派)は西欧が没落した、行き詰まったと称し、日本文化、日本精神による世界救済(近代の超克)を試みて失敗した。いま日本の一部論調に西欧の経済の停滞、失業率の高さなどから西欧に未来はないとする意見がある。私は同意しない。西欧には問題があれば直そう、失敗すれば反省しようという「復元力」があるように思う。民主主義、資本主義、自由、人権などはすべて西欧で始まった世界共有の概念だ。日本文化、日本精神は世界共有の概念ではない。日本が西欧から学ぶべきところはまだたくさん有るだろう。私の見方が合っているか間違っているかわからない。私は西欧を訪れ自分自身を発見し、日本を発見する。私は小さな存在であり、日本は世界の中心ではないと。



横浜・青葉台暮らし-ハルシュタット3
 
着いた日の翌日(6/7)はカトリックの祭り、聖体節だった。