病気を機に、新しい世界へ

　この素敵なハーブティーは、シンガポールで展開するwhite tree（ホワイトツリー）。

シンガポールに住む日本人起業家のフローレンスめぐみちゃんが立ち上げた、安全で美味しく、身体にいい高品質のハーブティーブランドです。

　日本では、こちらのオンラインショップでのみ購入できます。もちろん私も愛飲していて、特にリセットブレンドがすごく飲みやすくておすすめ！

　昨日、友人のS君とお昼を食べてきました。

　彼はとあるプロフェッショナルな世界で20年もキャリアを重ねてきた、文字通り日本を代表する実力の持ち主だったのですが、身体的な理由から、違う仕事をせざるを得なくなりました。

　世界に進出するあと一歩のところだったし、たくさんのファンがいて、ただひたむきにやってきて、悔しい気持ちや深い絶望感にさぞかし打ちひしがれただろうに、新しい人生を決めた彼の顔はとてもさっぱりとしていて、むしろ私を含む周囲の人たちに希望を感じさせるほどでした。

　実際、笑顔溢れる爽やかな引退と、次なる一歩のスタートを切ることができたんです。

　その決意を固めるまでの苦悩と、何もかも投げ出したいほどの絶望との葛藤の日々を淡々と語るあいだ、聞いている私のほうが何かが胸にこみ上げてきて、涙がポロポロと溢れてきました。

　なんていうんですかね、、

　自分の先の見えない未来を不安がるんじゃなくて、むしろ面白がろうと、ふと肩の力を抜いて思えたのがすごく彼らしいといいますか。

　そうやって開き直ることができたとき、プロフェッショナルなキャリアを築いてきた世界ではない道を歩く、未来の自分が見えたみたいなんです。

　彼はこんなことも話してました。

　自分がこの世界に入ったのも、狙って入ったわけじゃないし、偶然に偶然が重なったから。

　よく、手を伸ばして欲しいものをつかもうとする人がいるけれど、僕はそういう姿勢にいまいちピンときていなくて、だから周囲と意見が合わないこともたびたびあった。

　困難を乗り越えて欲しいものをつかもうとするとき、人はそこしか見えていない（他を見ていない）し、つかむための大事な手はすでに伸ばし切ってしまっているから、他のものを受けとめることもできない。

　でもそうではなくて、両手を広げてきたものをすべて受けとめるほうがいい。やっぱりすべてをつかむことはできないけれど、それでも両手にきたものの中から選ぶことはできる。

　身体的な理由からいまのキャリアを手放すか、それとも何年かかっても身体を治すかの選択に迫られたときに、困難を乗り越えて身体を治すことをつかみにいくのではなく、その身体も受け入れて次のステージにいこう、と決めた結果、いま少しずつS君のもとにチャンスが舞いこみ始めています。

　そこできっと、S君らしい選択をしていくのだと思います。

　4時間くらい新宿の街で話し込んで、帰りはすっかり雨。

　S君は喫煙所を探すと言って、街頭の中に消えていきました。

　その姿を見ながらしばらく感動というのか、得体の知れない気持ちの高ぶりに私は震えてしまって、この出会いとか、この話を聞けたこと、なによりもS君という存在そのものに感謝の気持ちが溢れてきて、ただただ、S君のこれからの道のりが祝福の道のりになるようにと、また彼が泣いて喜ぶような、面白がれる旅になるようにと祈りを捧げました。

　いま社会情勢の不安から、さまざまな感情に人は揺れています。何も感じていない人もいれば、ピンチはチャンスと燃えている人もいるでしょう。

　外の世界がどんなことになっても、私たちのあり方は私たちが決められる。私たちは自分のあり方については、自由なんです。病気であれ、社会不安であれ、会社の倒産であれ、外がどうであろうと。

　何が起きても面白がって、ユーモアをもって現状を笑い飛ばし（現実逃避ではなく）、心に爽やかな風を吹かせる人間でありたいと思った1日でした。