21歳の頃の私。

駅から職場までは赤い自転車で通勤していた。

いつもの様に職場を出て、小坂を下ろうとすると、急にタイヤに違和感。
そう、タイヤがパンクしたのだ。

タイヤのパンクなんて人生で初めての出来事で戸惑ったが、ひとまずその自転車を購入した自転車屋さんへと向かうことにした。

ポスポスと音を立てながらも、なんとか到着し、自転車屋のおじさんがパンクしたタイヤを修理してくれた。


私は、田舎育ちで、人と話すことにあまり抵抗は無く、誰とでも気さくに話せるようなタイプだ。

だからか、自然と自転車屋のおじさんとも話が弾む。

たわいも無い話をしていた時ひょんな事から、「営業に来てる子で、良い子がおんねん~。でも出会いがないらしい。良かったらご飯でも行ったってくれへんかなぁ?」
と言われ、私は咄嗟に笑って誤魔化そうとした。

それはその時、私には歳上で付き合っている人が居て、だからこういうのは断らないといけない!と内心思ったからだ。

と、そうは言っても、大阪のおじさんのノリは中々手強い。とりあえずこれが、「その子の連絡先やから。」と確か連絡先が書かれたメモを渡された記憶が残っている。

とりあえず私も「はい~。」と笑顔で受け取り、そのメモを持ち帰った。

田舎の実家から上京していた私は、住居の最寄り駅に着き、そこから我が家に向かう途中には一件のたこ焼き屋さんがあった。

そしてその日もそこへ立ち止まり、店主と立ち話が始まる。