RMCニュース投稿原稿(長文) | もし中小企業診断士がサピエンスを使ってシステムを開発したら

RMCニュース投稿原稿(長文)

診断士だけで企業情報システムを開発したい

情報システムを有効活用できるかどうかで企業の業績は大きく変化する。このことに異論を唱える診断士はいないであろう。しかし実際の企業情報システム構築の場で開発作業に主体的に関与できている診断士は限られるのではないか。

一昔前の企業の業務システム開発ではオフコンディーラが企業の業務内容に合わせてソフトウェアを開発していた。当時は診断士が新システムの内容に対して助言することもよく行われた。ところが、Windowsサーバのようなオープンシステム上で業務システムを開発する時代になると、業務システムはERPパッケージに業務を合わせる形が主流になり、診断士ではなくパッケージベンダの導入コンサルタントが使い方の助言をするようになった。

パッケージソフトでもうまく業務が回ればいいのだが、ベンダのセールストークに惑わされてパッケージを買ってしまい、新システムをうまく使いこなせない企業が増えている。中には多額な費用をかけてパッケージを大幅カスタマイズ(改造)するといった何のためにパッケージを使うのかわからない状態になっている企業もいる。しかし、大半の診断士はパッケージの詳細機能を知らず、またオープンシステムでの開発経験も乏しいので口を出すことができない状況にある。

私たち生産革新フォーラムは約20年前にCIM研究会として発足した研究会である。当初から企業経営における情報システムの活用方法を研究してきた。上記事態に遭遇し、情報システムの戦略的活用が後退しているのではないかと危惧する声がメンバから上がるようになってきた。

そんな折、診断士仲間からSapiensというイスラエル生まれの開発ツールを紹介された。SapiensはIBM製汎用コンピュータで動いていた開発ツールだが、数年前にようやくWindows版がリリースされた。研究会でデモを見学したところ、Sapiensを使うとプログラマがいなくても診断士だけで本格的な業務システムが作れそうだということがみえてきた。メンバからはむしろ業務処理に精通している診断士がシステムを作ったほうが安く効果の高いシステムを作れるのではないかという声もあった。

ただし、デモを見ただけでは本当に診断士だけでシステムを作れるのかわからない。そこで現在研究会所属の診断士から選抜したメンバで中堅食品輸入会社のシステム開発にトライしている。プロジェクトは順調に進んでおり、Sapiensの素晴らしさに感動する日々が続いている。その様子は下記のブログで順次紹介しているが、本試みが診断士の新たな活動領域を広げるきっかけになるのではないかと考えている。興味のある方はぜひブログをご覧頂きたい。http://ameblo.jp/mif-sapiens/