日本の精神科ソーシャルワーカーが日本で生まれた精神療法を知らない人が多いようです。
まぁ、取り組んでいる病院は少なくなったので、当たり前と言えば、当たり前なのですが・・・
森田療法とは
日本の精神科医・森田正馬(もりたまさたけ)が創始した、不安や強迫症状を「あるがまま」受け入れ、不安を抱えたまま行動する「目的本位」の生活を目指す精神療法です。社交不安症、強迫症、パニック症などの神経症(不安障害)に有効で、症状を取り除くのではなく、それらと共存して自分らしい生活を再建する「生き方の教育」とも呼ばれます。
特徴としては
・「あるがまま」: 不安や身体症状を排除しようとせず、そのまま受け入れ、それに注意を向けたまま、今なすべきことを行動すること
・「目的本位」: 気分(不安、恐怖)に左右されず、目的達成のために必要な行動を優先すること
・「生の欲望」: 不安の根底にある「よりよく生きたい」という自然な欲望を、建設的な行動へ向ける
・対象 : 社交不安症、強迫症、パニック症、全般性不安症、心気症、慢性化したうつ病、心身症、PTSDなど
主な治療法
- 入院治療(4段階プログラム): 絶対臥褥(約1週間)、軽作業(約4-10日)、重作業(約1-2ヶ月)、生活訓練(社会復帰)の段階を踏み、感情はそのままに行動する力を育てる。
- 外来治療(通院): 対話や日記を通じて、日々の生活の中で「あるがまま」を実践する。
- 自助グループ: 「生活の発見会」などでの相互支援も積極的に行われている。
みて、お分かりかと思いますが、入院1週目は何もせず、それから徐々に軽作業を開始して生活訓練を行っていくのですが、軽作業はともかくとして、基本的に投薬治療もしないで行うので、健康保険は適用されますが、医師が受け取る報酬は、何もしていないので、少ないのです。
ですから、撤退する病院が相次ぎ、日本発祥なのに、日本の制度に合わなくて衰退した治療法でもあります。
内観療法とは
日本で開発された心理療法で、1週間ほど屏風で仕切られた空間で「お世話になったこと」「して返したこと」「迷惑をかけたこと」の3つの視点(内観3項目)で過去の人間関係を調べます。吉本伊信が創始し、自己中心的な視点から「生かされている」という感謝の念への転換を通じて、不安、抑うつ、依存症、家庭内暴力などを改善する根治的な治療法です。
対象 となるのは、不安障害、うつ状態、心身症、アルコール依存症、非行・家庭内暴力などで、 症状を直接治そうとするのではなく、自分を深く内省することで心の問題を根治する「症状不問」の姿勢をとる。
実施方法
1,集中内観 (1週間): 研修所や病院に1週間(6泊7日または7泊8日)こもり、外部刺激を断って静座する。
2,内観3項目: 過去の身近な人(母、父、兄弟、恩師など)との関係を、年齢順(小学校低学年~現在など)に以下の3つの視点で振り返る。
①お世話になったこと: 感謝の心を確認する。
②して返したこと: 自分が与えたもの。
③ご迷惑をかけたこと: 自分の負債・過失。
3,面接: 1〜2時間ごとに面接者が訪れ、調べた内容を3〜5分報告する。これを1日9回程度、1週間継続する。
4,日常内観: 集中内観終了後、日常生活の中で1日30分~1時間程度、日常の出来事を内観する。
内観、森田の相違点 としては、目指すところの違いかな。
内観療法の目的は、過去の対人関係を 通じて、様々な人々から自分が守られて いるという安心感の獲得である。
一方、森田療法は、過去に対するとらわれから未来への行動に思考を変化 させる事を目差している。
内観療法も、投薬に頼らず、また、時間をかけた面談から自分の周りの人々からの安心感を獲得し、心の安定を求める点で、医師の出る幕は、なかなか無いのかな・・・
クリニックによっては、カウンセラーが面談を行って、医師は診察だけというところもありますが・・・
医師は精神科の場合、長時間の診療で、診療報酬が上がりますが、微々たるものです。それより患者を多く診た方が、病院の利益にはなります。
という訳で、日本発祥の2つの精神療法は、日本の制度に馴染めずに、メジャーな地位は確立出来なかったというか・・・淘汰されつつあるというか・・・
患者も苦しいから、薬を求めますし、まぁしゃーないのかな
私は、うつとか不安障害の方には、この、1週間何もしないで、外界からの刺激をシャットダウンするという事を勧めております。
これによって、身体が休まり、自己治癒力も高められて、投薬効果も出てくるころに当たりますし、外部刺激で、特にスマホやネットで、あらぬ治療法やデマを信じないように、心理的負荷を軽減させるためにも、効果的だからと考えております。
何とか、森田療法や内観療法が無くならないように、医師が積極的に取り組めるように、診療報酬など改善してほしいなとは思いますが・・・なかなか現状は厳しいですね。
理には適っていると思うんですけど、内観療法は面談を重ねる点で、費用が高額になりますし、森田療法は、そもそも病院の儲けが出ない。
こういった現状があるのですね。
ぶっちゃけて言えば、
日本の医療制度だと、医師は投薬をガンガン行って、リハビリをガンガン行って、1分診療で回転率を上げた方が、病院は儲かるのですね。
患者の自己負担額が・・・とか、生活が・・・とか考えずに、治療、治療とした方が、医者も病院もウハウハなのですね。
何かトゲがあって嫌な言い方になりましたね・・・反省
社会福祉士の保健医療の科目では、ここまで突っ込んだ内容は書いてありませんが・・・というか書けないでしょう。
今は、医師の説明責任に、患者の費用面の負担も含まれていると考えられていますから、まぁアクドイやり方は自重されているのでしょうけれども。
ん、話が完全に脱線した。
まぁ、森田療法と内観療法ですが、今でも取り組まれている所はあるので、もしメンタルに不調をきたして、精神療法に行き詰まったら、訪ねてみるのも手かもしれません。
そんなこんなで、精神療法のお話でした
ではでは