さて、入院して7日目、退院を2日後に控えて鼻に詰めたガーゼを抜くことになりました。手術の説明の際「痛いよ」と先生からいわれたガーゼ抜きです。でもガーゼ抜きの話の前に、一週間も入院しているとあーすればよかった、こーすればよかったという反省点が出てきますので、今回はそのお話です。手術が終わって状態が落ち着いた頃になると、特にやることもないので手術後の生活の説明書を改めて読見直してみました。すると「全身麻酔の後は、体が呼吸をするのを忘れがちになっています。意識的に深呼吸を繰り返しましょう。」と書いてあります。お、おい、これってめっちゃくちゃ重要なことじゃないないか!たしかに酸素マスクをしているときに、看護師さんから「深呼吸をしてくださいね」と何度か声を掛けられはしたけど、その度2~3回深呼吸をしただけで、意識的に何回も深呼吸してないって^^; 

うーん、これはちゃんとやっておけば、2回目の酸素マスクはいらなかったかも。あともう一点は、綿球の交換。もう一人で動けるようになった後も、実は看護師さんに何度か交換してもらってました。ある朝、診察の時に主治医から「綿球の交換はできるようになった?」と聞かれました。「え?あれって自分でやっていいの?」というのが素直な感想。確かに一人で出来そうな内容ですが、看護士さんはその度毎にラテックスの手袋をバシっとはめ、ピンセットで交換してましたので、てっきり自分でやってはいけないものだと思っておりました。

これもあとから入院生活の流れを見ると、「自分で綿球の交換ができるようになる」というのが行動目標として掲げられておりました。うーむ、看護師の皆さんお手数をおかけしました。さて次回はガーゼを抜くお話です。

 「手術後は熱がでるよ」と先生から説明をうけておりました。手術直後も熱があったのですが、それよりも酸素マスクがつらかったので、全く気にならなりませんでした。手術翌日、酸素マスクや尿管からも解放されストレスが減少したせいでしょうか、発熱によるだるさと鼻の痛みが気になり出しました。朝から女房も来ていたので、当初は会話で気もまぎれていたのですが、午後からだんだんと辛くなってきて、ついにナースコール。ボルタレンの座薬を出してもらいました。この座薬には尿管結石の時にお世話になった以来です。実はこの日の昼食は「そば」だったのですが、痛みで半分もたべられませんでした。ところが、座薬をいれてしばらく安静にしていたら、痛みは嘘のように解消。その後の夕食は楽に食べることが出来ました。「これなら酸素マスクで痛かったときも痛み止めをもらえばよかった」と後悔したのですがもう後の祭りです。後にも先にも入院中痛み止めを使ったのはこの1回きり。あとから入院された方には、「痛いときは遠慮なく痛み止めをもらった方がいいですよ」とアドバイス。うーん、私にもアドバイスしてくれる入院の先輩が欲しかった(笑)
 痛みはおさまったものの、37~37.5度ぐらいの微熱が数日続き夜熟睡ができなかったので、看護師さんにお願いすると氷まくらを持ってきてくれました。いやぁ、これは快適。しばらくすると熱もおさまり、氷枕ともおわかれです。
 そして、手術後に困ったのが右目の異常です。始めは右耳の前を切っているのでその傷が引っ張っているのかと思いましたがそうではなく、やはり鼻の手術から来ているようです。右目がはれぼったい感じで、視点もうまくあいません。本を読むのもテレビをみるのも苦痛なくらいです。現在は回復しているので、やはり鼻の中のキズやガーゼの圧迫によるものだと思いますが、これは地味にこまりました。
 それ以外は非常に快適な日々を過ごせたのですが、それもガーゼを抜くその日までのことでした。

 翌朝6時、待ちに待った酸素マスクがとれる時間です。歯や鼻が痛くて、酸素マスクをずらしてたりしましたので、体内酸素量は完全ではなかったようですが、とりあえずはずせるくらいまで回復したようです。念願かなって酸素マスクとおさらばできたのですが、次は恐怖の尿管です。私の向かい側のベッドの患者さんは、私より3時間早く手術したのですが、手術当日の夜には尿管がとれています。その時は男性の看護師さんがとっていたので、てっきり私もそうなんだろうと思いこんでいたら、朝来られたのは女性の看護師さん・・・。「恐怖」だけでなく「羞恥」までも加わることに(笑)。結果から言うと、あっさり、本当にあっさりと抜けました。痛みも全くありません。ジワァとちょっと尿道が熱くなるような感じがしたただけで、後の排尿の際も全く痛みはありません。痛いだろうと構えていただけに拍子抜けでした。むしろ、尿管がずれないように内股にとめていたテープをはがす方がはるかに痛かった(笑)。「もうトイレにいってもいいですよ。ただ初めてベッドをおりるときは転ばないように気をつけて下さいね」という看護師さんの言葉をうけてトイレにいったら、おしっこはあまり出ずにブクブクと泡が・・・。看護師さんに聞いたら「ごく普通のこと」だそうで、次からは普通におしっこができるようになりました。消化器系の手術ではないので、翌朝から食事ができます。朝はお粥でしたが、昼からはもう普通食。ただこの食事がちょっとやっかいでした。まず第一に「痛み」です。食事をとるためには当然咀嚼しなくてはなりません。歯をかみ合わせると、やはり鼻が傷みます。もう一点は「綿球」。手術した鼻にはガーゼがつめてあるのですが、鼻の先端に球状の綿をつめます。これは鼻の中の乾燥や感染を防ぐ目的と、血や体液の浸潤具合を見るためですが、私の場合、鼻の入り口近くまでおもいっきりガーゼをつめているので、この綿球が充分に鼻に入らず、ともすると落ちてしまうのです。特に物を食べるために口を動かしたりすると落ちてしまうので難儀しました。結局食事の前に綿球をはずし、食事が終わってから新しいのをつめるようにしたのですが、こんどは食事中に鼻汁がたれないかとちょっと心配に^^; 結局杞憂で一度も食事中に鼻汁がこぼれることはありませんでした。今回はちょっと汚い話になってしまってすみません。

 一時期80kgぐらいまでダイエットした私ですが、現在また90kgを越えております。「先生、看護師さん、重くてゴメンナサイ」。ストレッチャーから病室のベッドに移される際の素直な気持ちです(笑) 尿管やら点滴の管やらがつながった90kg超の巨体を移動するのはさぞかし大変だったでしょう。病室にもどると女房が待っていました。その時点で午後5時、手術室に入ってから5時間が経過していました。とりあえずあと2時間酸素マスクをしなくてはならないらしいです。午後7時になればベッドの上に起きあがったり、水を飲んでもいいとのことでしたが・・・、実はこの酸素マスクが非常に苦痛でした。若干の息苦しさはあるのですが、それはまず許容範囲。辛かったのは酸素マスクから吹き出す風が当たること。手術した側の鼻に当たるだけで鼻の痛みが増します。さらに片方の鼻がふさがっているので、口呼吸を余儀なくされるわけですが、この風が歯にもしみる。「手術直後だし痛いのは当たり前、あと2時間の辛抱」と自分に言い聞かせて我慢しました。その間、主治医の先生が「こんなのが取れましたよ」といってビニール袋に入った腫瘍やポリープを持ってきて見せてくれたんですが、すみませんまだ麻酔がきいている状況なので、ほとんど覚えておりません^^;
そんなこんなで、なんとか2時間経過して酸素マスクが外れ、看護師さんから体をおこしてもいいですよとの言葉をいただいたのですが、まだ麻酔が完全にさめやらぬ様子で上半身というか腹筋や背筋がうまく機能していない様子です。腕には比較的力が入りましたので、なんとかベッドの脇の手すりにつかまって上半身を起こしました。手術中ずっと酸素を送る管が気管に入っていたため、声はガラガラです。人によってはこの時に「ものすごくのどが渇く」らしいのですが、私はそれほどではなく口にちょっと含むくらいで充分です。ただこの時頭をよぎったのは、「こんな寝たままの体勢で水分を補給しなかったら、エコノミークラス症候群になる!」でした。そんなに欲しくない水でしたが、無理して一口二口と飲んだ後、自分の左手につながる点滴の管を発見。「あ、点滴で水分補給してたんだ(笑)」その後は無理をせず、結局一晩で口から摂った水はマグカップ半分ぐらいでしょうか。
 手術直後ということで、看護師さんがしょっちゅう様子を見に来ます。指先から体内の酸素量をはかるのですが、どうやらこの数字が芳しくないらしいです。やっと酸素マスクから解放されたと思いきや、夜の9時にはまた酸素マスクをすることになりました。しかも明日の朝6時までorz 結局この酸素マスクのせいで、その夜はほとんど眠ることはできませんでした。結局手術後私が一番苦しかったのはこの酸素マスクだったのかもしれません。

 手術後すぐに麻酔医の先生から「送管実習1回でうまくいきましたよ。ご協力ありがとうございました。」との言葉をいただきました。いえいえこちらこそ、こんなことでお役に立てるのであればいくらでも使って下さい。どうせ麻酔で意識がありませんので、その間であれば怖いこともなんにもありません(笑)。その後、まだ麻酔がさめやらぬぼんやりとした状況で回復室へ移されました。そこでまず感じたのが右足のかかとが痛いこと。その時点ではもちろん分からなかったのですが、4時間ほど麻酔にかかっていたので軽い床ずれ状態だったようです。看護士さんにそのことを言うと、「足ずらしても大丈夫ですよ」とのこと。「手術直後でも動いて大丈夫なんだ。」と変に感心しつつ足を横にしました。次に困ったのは、鼻がかみたいこと。もちろんそんなことは不可能だろうと我慢していたら、喉にどんどん降りてきます。ちょうど先生が来て「大丈夫ですか?」というので、状況を話したら吸飲してくれました。これですっかり楽になったのですが、このときにちょっとしたハプニングが・・・。吸飲器具が喉に入った時点でえづいてしまい、口と鼻から大量の鼻水が噴出。しかも手術直後なので真っ赤な鼻水です。私が想像するに端から見れば大量吐血。看護師さんがちょっと焦った感じでしたが、先生は落ち着いて吸飲をつづけておりました。そして最後の困ったは、「おしっこがしたい」です。2時間以内の手術であれば尿管は入れないと説明をうけていたが、手術時間がどれくらいだったか分からない私には、尿管が入っているかどうかさだかでありません。近くにだれもいなくなったので、看護師さんに聞くこともできません。おそるおそる自分の股間近くまで右手を伸ばすと、管が繋がっているらしいことがわかりましたが、直接みたわけではありませんので不安です。管が繋がっていると思って漏らしてしまってはシャレにもなりません。この後看護師さんから、ちゃんと繋がっていることを知らされるまで尿意は残ったままでした。
 最後に回復室から病室に戻る直前、赤ちゃんの元気な泣き声が。側にいた看護師さんが「赤ちゃんが産まれたみたいですよ」と教えてくれたのが、手術後の朦朧とした意識の中でもホンワカとしたひとときでした。