怖い絵 死と乙女篇 中野京子 | ちわ☆わんつーmemory 

ちわ☆わんつーmemory 

日々の忘れたくないこと

怖い絵 死と乙女篇読了
「怖い絵」は前に読んだのですが
怖い絵、今のところ3巻まで出ているようで、3巻目を文庫化したのがこちらでした。
サブタイトルに『死と乙女』

先日、中野京子さんの本を続けて読んでとってもおもしろかった。
そこでこちらも図書館で借りました。 
よく「事実は小説より奇なり」と言いますが、下手な小説読むよりおもしろい
怖い絵 死と乙女篇 (角川文庫)/中野 京子
¥700 Amazon.co.jp
内容紹介
全身にみなぎる憤怒と威厳、「皇女ソフィア」―凄絶な姉弟喧嘩の末に、権力を握ったのは?甘やかな香りが漂う、ボッティチェリの最高傑作、「ヴィーナスの誕生」―美の背後に秘められた、血なまぐさい出生の物語とは?自らを死神になぞらえた、「死と乙女」―実際に画家とモデルを襲ったその後の運命は?名画に秘められた人間心理の深層を鋭く読み解く22の物語。文庫書き下ろしも収録したシリーズ第2弾。
表紙の絵は皇女ソフィア
レーピン展で本物を見ましたが、すごい迫力の絵でしたねぇ
この本にはソフィアのように実在した人物でその人生も絵の方も怖い絵からいろいろと載っています。
ソフィアの人生は怖いというか強烈というか
でも絵の方も見るからに怖そうな女性です。
同じ実在の女性の絵ですが

忘れたくない ちわ☆わんつーmemory 
伝レーニ ベアトリーチェ・チェンチ
見た瞬間 フェルメールの真珠の耳飾りの少女を思い浮かべてしまいました。
解説を読むと父親殺しの罪で処刑された実在の女性
多分罪を着せられて処刑されたようですが。。。

ただし、現在ではレーニ作と言われていたのも実際には半世紀後に生まれた女性画家エリザベッタ・シラーニの説が有力で、そうなるとベアトリーチェがモデルという説まで変わるらしいですね。
フェルメールの絵を連想させるのは誰しも思うらしく、フェルメールがこの作品のことを知っていて一種のオマージュとして描いたのではないかという人もいるそうです。
(フェルメールの絵がオランダではかぶる習慣のないターバンを描いていることからも)


今度は実在の人物ではないけれど、見たら怖くなる絵
忘れたくない ちわ☆わんつーmemory 
ルーベンス メドゥーサの首  目が!! 怖い! 
この目ににらまれたら、石になってしまうのもうなづける
そんな怖い顔ですが、この絵はルーベンスが自分の顔を描いたという説もあるそうです。

先日カラヴァッジョが自分の顔でメドゥーサを描いたと読んで、見てみたいと思ったのですが、
忘れたくない ちわ☆わんつーmemory 
これがその作品でした。カラヴァッジョは絵も魅力的ですが、人生も波乱万丈で、殺人を犯して逃亡中に死んでしまいます。
映画になっていて、DVD見て、もっと気に入ったのですが
カラヴァッジョ~天才画家の光と影~
カラヴァッジョに比べたらおりこうさん的ルーベンス
顔も目鼻の整った貴族的な顔だったらしいです。
カラヴァッジョの絵から連想して自分の顔でメドゥーサを描いたとか、格段に怖い絵になっています。

怖い絵の方は描いた画家本人もいろいろで
サブタイトルになっている
エゴン・シーレ 死と乙女
忘れたくない ちわ☆わんつーmemory 
私の好みではないけれど。。。
モデルの女性と自分を描いたようですが、女性はシーレを支え続けたモデル、愛人のヴァリ
でもシーレは名前が売れてくると一般の女性と結婚するつもりになって
この時代、働く女性は軽蔑され見下された。とくにモデルの仕事なんて。。。
シーレは結婚しても愛人としてヴァリとも今までどおりのつもりでいたら、相手の方が離れていってしまった。
いい気味だ!

しかしヴァリは従軍看護婦として行った先で病死する。かわいそう。。。
結婚し妻は妊娠 身勝手なシーレの人生でしたが、
スペイン風邪といわれるインフルエンザで、妊娠中の妻が倒れ、シーレも感染
28歳で死亡
この絵を描いて数年後には皆、あの世へ
怖い絵です。