「あなたは元気かな」
延々と続く便箋の線の1行目の隅に、小さくまるで恥じらうように
丁寧な字で書かれた8文字。
「...誰...?」
それでもなんとなく嬉しくなって、心の支えができた気がして、
「ううん。元気じゃない。寂しい」と短く小さくシャーペンで書いた。
それを庭のポストに入れた。
その日から奇妙な文通が始まった
家に帰る
電気をつける
テーブルを見る
宛名のない手紙。
そっと開く。
「なんで?どうして?」
まぎれもない、あの文字だった。返信が来たのだ。
便箋を取り出して、シャーペ ンをノックする。
ちょうどいい長さの芯で悩みを親しくもない人に向けてつづった。
便箋2枚と4分の1にわたる長い文章をつづった。
こんなに長いのは初めてだった。
つづく
