milk紅茶

milk紅茶

誰にも分からないように存在する物語。

そう願うのは伊藤真希もだった。

それは小さなことだった


砂粒より小さいものだった


それがいずれ海のように大きくなることは


だれが予想したのだろうか


ミルクティーのように、混ざり合う世界になることを。

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「あなたは元気かな」


延々と続く便箋の線の1行目の隅に、小さくまるで恥じらうように

丁寧な字で書かれた8文字。


「...誰...?」


それでもなんとなく嬉しくなって、心の支えができた気がして、

「ううん。元気じゃない。寂しい」と短く小さくシャーペンで書いた。

それを庭のポストに入れた。


その日から奇妙な文通が始まった


家に帰る

電気をつける

テーブルを見る


宛名のない手紙。

そっと開く。

「なんで?どうして?」


まぎれもない、あの文字だった。返信が来たのだ。

便箋を取り出して、シャーペンをノックする。

ちょうどいい長さの芯で悩みを親しくもない人に向けてつづった。

便箋2枚と4分の1にわたる長い文章をつづった。

こんなに長いのは初めてだった。


つづく