みっちりとついた蕾がひらいて
さくら。
しずかにそこにいる。
満開のさくら。
こぼれるように、そこにいる。
それを仰いでみんな、
いろいろに思いを馳せる。
ふうと思わずため息をついて
そのまんま魂を吸い取られるの。
…
3月28日。
春を体現したような桜に
めまいを起こしそうなこの頃です。
はっとして
それから
ほお♡っとするけれど
そこからなんだか毒気にやられちゃう。
なんてったって
桜の樹の下には
死体が埋まっているのだもの。
安吾も梶井も読んだのです。
その不吉に、
はらはらと
はなびらを散らすのを見ると
ほっとする…。
mieru