まだコロナウィルスが
流行り始める前
注文していた
荷物が届いた
ハンコを持って
玄関を開けると
ここにサイン
お願いしまーす
と言って
タブレットの画面を出した
配達員さん。
あっ!
ハンコはいらないんですね
と答えたものの…
いつまで経っても
書くものをくれない
痺れを切らした私は
えっ!
どうすれば…
と言うと
えっ!
(はぁ(ーдー)?ぐらいのテンションで)
指でお願いします
と当たり前のように
言い放った
ゆび……?
指で書くんですか?
爪長いのに書けるかな…
と言うと
めちゃくちゃ
めんどくさそうに
はい
と言われ
チャレンジしてみた私。
が、しかし!
何回やっても
ツルツル滑るだけ
あれ?
何でかな…
全然書けません…ね…
無言で見続ける
配達員さん。
忙しい中
来てくれてはると思うと
妙に焦る
ごめんなさい
あれ…?
あっ!
私、爪長いから…
ですかね?
はい
爪には反応しません
ん?
んん?
始めに
爪長いのに書けるかな…
って私言ったよね?
ずーっと見てたよね?
私が何回もやってんの
あなた
ずーっと見てたよね?
何で教えてくれへんのぉ?
すごい当たり前みたいに
言うから
私がおかしいんかな?って
思ったやん
キョトンとしてる私に
なぁーーんにも言わず
なぁーーんにもしない配達員さん。
えっ…とぉ…
どうすれば……いいですかね?
と聞くと
めちゃくちゃ
めんどくさそうに
ウエストポーチを漁りだした。
これで書いてください
と
ようやく
ここでペンが出てきた
あんのかぁーい!!
ペン持ってたんかぁーい!!
はよ出せよ
何のために
ずーっと見てたん?
意味分からん
と思いながら
あっ!
ペンあったんですね
と言って
いざ書いても
なぁーーんの反応もせえへん
何度かチャレンジして
わたし
配達員さんの顔見たよね。
一体どうなってんの?
これ専用のペンですよね?
ってゆう顔して
見てみたよね。
そしたら
これ
先が折れてて
書けないんです
って真顔で返ってきたよね。
………
予想外の返答に
5秒ぐらい思考停止したよね。
よく見たら
ペン先が
ぺっちゃんこに凹んでて
それ見たら
今までのやり取り思い出して
何か笑けて笑けて
しゃーないから
笑いを堪えながら
もう次の所では
完全に壊れても知らん!!
くらいの勢いで
思いっきり
画面に擦り付けて
名前書いたら
キリトリ線ばりに
途切れ途切れの名前で
もはや
読めへんのちゃう?
ってくらい
点・点になったけど
お兄さん
ありがとうございましたぁー
って
満面の笑みで帰って行ったわ
あれで行けるんやったら
次から
サインでも行けるやろな