扁桃腺の摘出手術をしたその夜。
PM14:00に手術が終わり、PM10:00ごろに吐き出す唾液に血もあまり混じらなくなってきました。出血が落ち着いたようです。
手術からずっと仰向けだったので、腰が痛い。
全身麻酔での手術あるあるなのかもしれません。
身体は疲れ切っているはずなのに、興奮状態が続いているのか、なかなか眠れません。
子どもの頃からの習慣なので、本を読みながら、眠気を待ちます。
AM1:30
やっとうとうとしてきたので、本を閉じ、ライトを消し、目を閉じました。
眠りかけていたときに「こほ」っと小さな咳がでました。かすかに喉に痛みが響いた気がします。
口の中に唾液が出てきます。
こくと飲み込みます。
唾液すら飲み込むことが痛いので、そのたびに眠気が覚めます。
また唾液がとくとくと出てきます。
こくこくと飲み込みます。
とくとく、こくこく。とくとく、こくこく。とくとく、こくこく。
…ん? 唾液、量多くない?
消したばかりのライトを付け、ティッシュに吐き出してみました。
さらさらとした鮮血!!!
手術後に吐き出してきた血は、唾液に混じる血でしたが、全く違います。
さっきのあんな小さな咳で、出血したの?!
慌ててナースコールを押すと、看護師さんが来ました。
「どうしました?」
「たぶん出血してます」
「大丈夫ですよー。唾液に混ざっているだけなので、吐き出してくださいね」
「いや、出血だと…おも…」
喉から血がどくどく出て、口から溢れ出ました。
その鮮血を見て、看護師さんもやっと出血だと気づいたようで、先輩の看護師さんたちを呼びに行きました。
こんなに口から血が出たのは生まれて初めてです。映画で観た『人間失格』の太宰治が脳裏に浮かびました。
看護師さんたちが血圧を計ったり、慌ただしく動いています。
氷枕を顎あたりにあててくれました。
「血は消化できないから、吐き出してね。気持ち悪くなるから、全部吐き出してね」
「大丈夫大丈夫」と背中をさすってくれます。
吐いても吐いても血が溢れてきます。吐き続けました。
どのくらいその時間が続いたでしょうか…
喉も痛いけれど、こめかみがガンガン痛みます。
血が止まってきたようです。
血をかなり飲んでしまったせいで、吐き気もします。
もう眠りたい…でも、咳やくしゃみをするとまた出血するかも知れない。
止血剤と吐き気止めの点滴が追加され、ぼんやりと血だらけのティッシュの山を眺めます。
朝日が上り、明るくなってきました。
AM5:30
出血。
今回は何のきっかけも無く出血。
迷うことなくナースコールを押します。
血でゴボゴボ言っている状態の私。
駆けつけた看護師さんが、私の口の中をライトで照らし、出血を確認しようと覗き込こみした。その間も溢れ続ける血。
「見えねーよ!ちくちょーーー」
走り去って行きました。
えーーー、どうしたその態度。
( ゚д゚)
聞こえてるよ。意識あるよ。
私、やばいの?死ぬの?
先輩の看護師さんを連れ戻ってきて、先ほどと同じように処置をします。
30分ほど経ったでしょうか。出血が落ち着いてきました。
「先生が来たら、すぐ診察してもらいますね。」
結局、一晩でティッシュ3箱使いました。
喉の痛み、頭痛と吐き気で、ふらふら。
車椅子に乗せられ、外来の診察室へ。
先生が手術の跡を診察します。
「手術跡はきれいですよー。大丈夫!お昼から食事とりましょうね」
とても朗らかな太陽みたいな女性の先生。
声が思うように出ないのですが、絞り出すように聞きます。
「一晩に2回も出血したのに、食べて大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよー」
「???」
本当ですか?
もう話す気力もないので、車椅子に乗せられ、病室に戻りました。
手術翌日からは1日4、5回はうがいをするように言われていたので、恐る恐るうがいをします。
気持ち悪さが少しさっぱりします。
本当に大丈夫なんだろうか…
ベッドに横になり、不安いっぱいのまま、ゆっくりと眠りにつきました。
