捜索願や無銭飲食を経て、

無事に上司と会えました。

せっかく会えましたが、

自分からは何も話さず

ただただ聞きながら

涙を流す時間になりましたが。

それでも脳に刺激は与えられた

と思うので良かったです。

 

その後しばらくは

突発的に出て行くことは

ありませんでした。

毎日ビクビク見張っていましたが、

やっぱりスイッチは

上司との約束だったみたいです。

 


それから数日後のこと

 

夫が洗面所で扉を開けたり

ガサゴソ音がしました。

いつもの常同行動ではなさそうで、

見に行きました。

 

どうしたの?と聞くと

「ないふ」と言います。

髭剃りのこと?と聞くと

「いや、はさみ。はな」

 

どうやら鼻毛を切りたいらしい!

脳が壊れてるのに

鼻毛は気にするのかと思いました。

 

夫が退院してからは、

ハサミ、カッターなど

刃物の類は全て隠しています。

 

私は鼻毛用のハサミを渡して、

様子をみました。

チョキチョキ正しく使えていたので、

一度その場を離れました。

が、しばらく経っても

一向に戻ってきません。

 

洗面所に行くと、

夫は鼻にティッシュを詰め、

鏡をじーっと見ながら座っていました。

そして、

切れちゃったの?!と聞いた瞬間、

何を思ったのか

ティッシュを抜きました。

 

血はけっこうダラーっと

垂れてくるのに、

そこにハサミを入れて(!)

またチョキチョキ始めました。

 

ちょっと!!血だらけだよ!

止まるまで詰めてて!

と言いましたが聞きません。

更に奥に突っ込んで

チョキチョキしてます。

 

私がハサミの手を止めようとするのを

振りほどき、血だらけのハサミで

切り続けます(どこを切ってるんだ~怖)

こりゃだめだ!と思い、

力づくでハサミをひったくりました。

 

その後は、1時間以上、

ずっとタオルを鼻に突っ込んで

過ごしていました。

とっくに出血は止まっている

感じでしたがね。

あれほど切りたがっていたのに、

止血し始めたら今度は

詰めることにこだわるという。

 

もうね、

痛みを感じないの?

血が出ても止めようとは

思わないの?

とか

思うところは色々ありましたが、

呆れるというか、

付き合いきれん

て気持ちになる出来事でした。