みなさん、こんにちは!みえ出逢いサポートセンターです
今月のコラムは
流通科学大学 人間社会学部観光学科ホテル・ブライダルコース准教授の道前美佐緒先生が書いてくださいました
道前先生はブライダル業界のプロ。1,500組以上の結婚式を担当するほか、
ブライダルに関する専門家としてNHK『チコちゃんに叱られる』などさまざまなメディアで結婚式や婚礼について解説なども行っています。
さっそく読んでみましょう!
「昭和・平成・令和」
最近、テレビドラマやクイズ番組で、「昭和・平成・令和」のジェネレーションギャップをネタにしたものが増えましたね。
今日も、昭和生まれでアメリカに住んでいる友人が、日本のドラマを見て、
「日本って、令和って、こんなに変わったの??このドラマの生活ってホント?リアル?」って電話がありました(笑)
「ほんとよ~」って、確かに、変わりましたね~。
流行語で追う結婚観
「家付き・カー付き・ババ抜き」
これは、1960年に流行したフレーズです。何を言っているのか、わかりますか?
「理想の夫」を指す言葉なんです。
家付き = 家を持っている。
カー付き = 車を持っている。
ババ抜き = しゅうとめがいない。
つまり、親と別居して、夫婦で暮らす。
この時代の「家付き」は、一戸建ての家でもないし、もちろん、タワーマンションでもない。
憧れの家=団地
今、80代くらいのおじい様、おばあ様世代の結婚観ですね。
憧れの「団地生活」
敗戦後、都市は焼け野原となり、住宅問題は深刻でした。
1955年 日本住宅公団が設立され、「寝食分離」つまり、台所と居間と寝室が分かれて、お風呂まで付いた快適な住まいが、比較的安価に提供されたのです。
これが、「お洒落なライフスタイル」となりました。
高度経済成長期 (1950年代半ば~1970年代はじめ)に入り、
所得額も大幅に向上しました。
初任給をみても
昭和43年(1968年) 大卒初任給 30,600円
昭和48年(1973年)大卒初任給 62,300円
約5年の間に2倍以上の上昇が見られます
団地に加えて、「三種の神器」 テレビ、冷蔵庫、洗濯機
洗濯機は、「白い魔法のマシン」と言われ、主婦の暮らしが劇的に楽になりました
団地は、都市とその周辺にできたので、三重県ですと、四日市、桑名あたりですね。
むしろ、それ以外の地域では、若者が都市に出て行ってしまったかもしれません。
「標準世帯」の誕生
1969年 旧総理府は、夫婦と子ども2人の家族を「標準世帯」と定めました。
「夫は外で働き、妻は内を守る」
サラリーマンと専業主婦という、性別役割分業型家族が推奨された時代です。
当時の平均初婚年齢は、男性 27歳、 女性 24歳。
女性は「クリスマスケーキ」と言われて、25歳を過ぎると、「売れ残り」と言われました。今思うと、酷いですね?!
「とらばる」女性
「とらばる」これも、1983年の流行語です。何の意味かわかりますか?
女性専門の転職雑誌「とらばーゆ」にひっかけて、「やりがい」を求めて、転職をする女性の増加を指す言葉でした。
「三高」
時代は、バブル(1980年代後半~1990年代はじめ)!
「三高」という言葉はご存知でしょうか?
こちらも流行した言葉になります。
これは
高学歴・高収入・高身長
と言って、多くの女性が男性に求めた結婚に対する条件と言われていました。
聖子か?百恵か?
松田聖子さんと山口百恵さんです。
つまり、
松田聖子さんのように、結婚後も(神田正輝さんとの最初の結婚)、
仕事を続けるか?
山口百恵さんのように、どんなに仕事が成功していても、結婚を機に、専業主婦になるか?
ここで、結婚適齢期の女性と親世代のバトルもありました。
そう、この時代の親世代は、「家付き・カー付き・ババ抜き」を実現させ、「標準世帯」を築くことが、理想の人生と思っていたのです。
ジェネレーションギャップの狭間にあるのが結婚。
そこが、悩みの種
そして!今、ご結婚しようと思われる方々の親御さんが、まさに「三高世代」!
でも、現代社会でそれを求めるのは、不可能ではありませんか?
と、いうより、実際に、それが幸せとは限らないということも、もう、わかっているはずなのですが、、、
ジェネレーションギャップの連鎖は、断ち切りたいものです。
「三平」
バブル崩壊。
ゆとり世代は、「三高」なんて、追いかけません。
平均的な収入・平穏な性格・平凡な外見(三平)
なんて、言ったともいわれていますが、
実際には、これ以降、「理想の夫」を表現する流行語は生まれていません。
それは、どうしてでしょうか。
そう、一人一人が自分のライフスタイル、
自分の理想を描くことができるようになったのです。
多様な生き方が認められ、
また、誰もが、人に左右されないようになったんでしょうね
みなさんは、いかがですか
お母様、お父様は、今も、学歴や収入を気にして、子どもの将来を案じてしまう人もいるかもしれません。
「結婚」の二文字を脇において、昔の暮らしと現代の暮らしをちょっと、比較してもらうのもいいかもしれません。
そして、今の時代で、自分は、こんな風に暮らしたいんだということを、伝えられるよう、皆さんの未来の家族をイメージしてみてください
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