鍵をあけて、部屋に入ると、あなたはソファでひとり泣いていた。
日付はとっくに変わっていた頃。
俺はびっくりして、あなたに近寄って、声をかけたけど、あなたは、なんでもないの、としか言ってくれない。
しばらくして、ようやくあなたは話してくれた。
「こわい、夢をみたの。」
「カズくんの帰り、待ってたんだけど。寝ちゃった、みたいで。」
「どんな夢?」
そうたずねると、あなたは、忘れちゃったって、ひとことつぶやいて、涙をこぼしはじめた。
俺があまりにしつこく聞くから、あなたはなんだか申し訳なさそうに、口を開いた。
「カズくんが、いなくなっちゃって。」
「ばれちゃったの。みんなに。」
「そしたら、カズくんが、バイバイって、いなくなっちゃった。」
「もう、会えなくなっちゃって。」
「、、、あなた、バカだね。」
こんな可愛い子、俺が、手ばなすわけないじゃない。
心の中でだけ、そう、続けた。
きっと、
これからも、こんなふうにあなたの事、泣かせちゃうこと、あるかもしんないけどさ。
俺だけだと、思うよ。
あなたの事、また、笑顔にできんの。
「ねえ、お風呂、はいろっか。」
「えっ。」
「一緒に。」
「さっき、はいったもん。」
「いいじゃない。気持ちいいこと、してあげる。」
「もお。」
ほら。ね。
だからさ、ずっと、俺のそばにいてよ。
だって、あなただけだもん。
俺のこと、こんな気持ちにさせられんの。
