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「悪い夢みてたの?」

  優しい声と共に、誰かが髪にふれる。俺はふと目を開ける。

  でも、そこに美月の顔はなく、俺は一瞬凝視してしまう。

(あ…、夢か……)

  「何でもない」そう言って、心配そうに覗き込む今の彼女を、強く抱き寄せた。素直に俺に抱きつき、嬉しそうに微笑む可愛い女。でも、俺の唇には美月の唇の感触が残っていて……思わず、彼女の柔らかい髪に口づける。

  何年も前の恋なのに……。
いや、恋とも言えない、ただお互いの欲望をぶっつけあっただけの関係だったのかも……。

  すっかり忘れたころ夢に現れ、俺の心をかき乱す美月……