竜一が勝った。あたしは無意識なうちに、

「おめでとう」

と言っていた。でもきっと声は他の女の子達の声で聞こえないだろう。

そう思うとまたため息が出た。

しかし・・・。

「サンキュ!」

竜一がそう言ったようにあたしに向かって口を動かしているのが見えた。

気づいてくれたんだ・・・。

ありがとう・・・。

心の中で呟く。気づいてくれて嬉しいよ。ただこれだけの事だけど、すごく嬉しいよ。

そして、いつの間にか半分以上の女の子は帰っていた。

美香もいなくなっていた。きっと先に帰ったのだろう。

そしてあたしが帰ろうとした時

「愛美」

久々に聞く声-・・・

振り返ると、なんと竜一だった。

「あ・・・竜一・・・何?」

少しドキっとした。

「明日さ・・・校舎の裏きてくれない?」

「え・・・?うん・・・いいよ」

何だかよく分からない。だけど竜一と一緒に居られるなら行く。

-翌日の放課後-

あたしは校舎の裏に行く前に、髪をとかし、メイクもバッチリして香水もつけた。

甘く・・・やわらかい香りの香水。

準備が完璧にできると、あたしはすぐ校舎の裏へ行った。

「竜一~」

竜一が待っていた。

「ごめんね。少し遅くなっちゃった。」

「いいよ。」

最初は普通の会話。

「で・・・なんでわざわざ校舎の裏に呼び出したの?」

「え・・・・っ」

「??」

「・・・・・・・・」

竜一は何か言ってるけど聞こえない。

「え?聞こえないよ~」

「だからっ!・・・お前のことが前からスキだったんだよ!」

「!!!!?」

あまりに以外な発言にあたしはすごく驚いた。

でも・・・すっごく嬉しい気持ちも込み上げてくる。竜一があたしの事を好きでいてくれた・・・。

うれしい・・・。

「・・で、付き合ってもらえないかな?」

竜一が恥かしげに言う。もちろん答えは「はい」と言いたいところだが、緊張で言葉が出ない。

あたしは小さく深呼吸をして気持ちを落ち着かせると・・・

「いいよ!」

ハッキリ答えられた。フゥ・・・よかった・・・。

「え?!よかったぁ・・・俺フラれるかと思った。」

「アハハ」

幸せ。竜一と過ごす時間が幸せ。まさか両思いだなんて思ってなかったから。

「じゃ・・・じゃぁさ、今度喫茶店とか行かない?」

「いいよ!!」

明日、喫茶店に行くことになった。嬉しい。ずっと片思いだと思っていたのに・・・

両思いだったなんてすごく幸せだった。これから恋人として竜一と一緒に居られる。

これからKISSとかするのかな・・・。考えただけでワクワクドキドキする。


-喫茶店-

竜一と一緒に喫茶店に来た。

あたしは竜一にまさか告白されるなんて夢にまで見たようなことだったから今でも「嘘でしょ」って思う。

でも、本当なんだ。

言葉じゃ表現できないくらい嬉しいよ・・・。嬉しいよ・・・。

「あ、愛美。ちょっとトイレ行ってくる」

「うん!」

そういって竜一がトイレに行った時だった。

「キミかわいいねー」

イキナリ見ず知らずの男達が話しかけてきた。

「やめてください。」

と言うと

「今からさぁ~~遊ぶの付き合ってよぉ~~」

「こーゆーの迷惑です。」

私は明らかに不機嫌な態度をとった

すると・・・。

「え~~っいいじゃん」

といってあたしの腕をつかんできた。

「やめてください!」

その時

「やめろよ」

と竜一が言ってくれたその時男達は

「やべっっ」

と言って逃げ去った。

「竜一・・・ありがとう」

「何言ってんだよ~。愛美は俺の女だから俺が守るのが普通だぞ」

こんな事を言われると・・・。

「竜一・・・大好き」

この言葉が出る。素直な気持ちでこう思った。本当に・・・竜一好き・・・。

幸せすぎるよ・・・幸せすぎて涙が出そう・・・。

そして・・・。今日はもう家に帰った。

-翌日-

「おはよう!」

「おっす」

これから竜一と毎朝登校することになった。

楽しみ~~っ!

あたしは竜一と付き合ったお陰で何もかもヤル気が出た。

そしてテストの点も前より良くなった。

親にもホメられた。

全部・・・全部竜一のお陰だよ。

竜一、本当にありがとう。

そして帰りはまだ一緒に行くとか決めて無かった。

一緒に帰ろうと誘おうと竜一の所へ行った。

「竜一っ」

っと小さく呼んだとき・・・。

「竜一ぃ~」

と、女が一人でてきて竜一と腕を組んだ。

女が・・・。

「竜一にはヒトミだけだよねぇ??」

どうゆう事・・・?

「竜一!」

あたしは叫んだ。

「愛美・・・・。」


・・・竜一が他の女のコと・・・腕を組んで楽しそうに・・・。

「竜一・・・もういいよっ!!」

「っ・・・愛美!」

あたしは竜一を無視してその場を去った。

竜一・・・なんで浮気なんかしたの?・・・。

ずっとそう思いながら一人で家まで帰った。・・・いつもなら、竜一が家まで送ってくれるのに。

家に帰って自分の部屋に入ると・・・。切なくて・・・苦しくて・・・

泣き出してしまった。

「うあ~~ん!」

近所迷惑なのもお構いなしに、子供みたいに泣いた。

そして、1時間ぐらいすると・・・泣き疲れてベットでボーっとしていた。

その時、ケ-タイが鳴った・・・。

『竜一』

竜一・・・。あたしは名前を見ただけで動揺してしまった。でも、電話には出たくない。

でもずっと鳴ってる・・・。

ここはもう決心して電話に出ることにした。

「・・・もしもし」

「愛美?・・・今日の事なんだけど・・・。」

「・・・。」

もう、別れようなんて言われても仕方ない気がしてきた。

「実はさ・・・俺、あの女にカネ借りてたんだ・・・。」

「っ・・・なんで・・・。」

あたしは思わず口に出しそうになった。「なんであたしを頼ってくれないの?」と・・・。

「え・・・?」

「なんであたしを頼ってくれないの!?」

思い切って言ってしまった。

「俺は・・・・愛美に迷惑をかけたくなかったんだ・・・。」

「・・・でも何であの人と一緒に腕組んで歩いてたの?」

「カネ返せなくてさ・・・1日付き合ったら借金チャラにしてくれるっつーから・・・。」

・・・正直、許せない。でも・・・竜一が借金をしていた事を知って・・・理由も探らず竜一を疑った自分が悪かったと思って許した。

-翌日-

「愛美~~!」

「竜一・・・」

「昨日はごめんな・・・。」

「ううん!いいよ。」

「愛美・・・」

竜一はあたしをギュっと抱きしめてくれた。

シアワセだよ・・・。竜一・・・。

もう昨日の事は忘れる・・・。そう決めた。

だから、竜一も昨日のことは忘れて-・・・。