異常 日米合同委員会と日本の検察 | 気になるニュースチェックします。

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 ★★★異常 日米合同委員会と日本の検察

 

 今日は米軍が犯した事件を見ていきます。

 在日米軍が日本で殺人事件を起こしても、密約によってほとんど軽い判決のみ

 日米合同委員会の異常性と、日本の裁判所の異常性を見てみます。

 

◎ジラード事件 1957年1月30日

 

 群馬県相馬が原の米軍演習場に立ち入り禁止の場所があります。

 そこに生活の足しにしようと、鉄くずの薬きょうを拾いにきた農婦の

 坂井なかさん46歳が、銃撃されて死亡。

 

 一緒にいた日本人の農夫は、ある米兵が空の薬きょうをばらまいて

 「ママさん大丈夫、ブラス(薬きょう)たくさん」と手招きして

 近づくと突然、あっちへ行け、、、、と叫んで発砲したという(上毛新聞)

 

その米兵が、ウィリアム ジラード三等兵21歳

米側は、公務中に起きたものと主張したが、日本側は

遊び半分で殺人を犯しておきながら、何が公務中だ、、、、、と

世論が沸騰したのです。

 

そして反米感情の高まりを懸念したアメリカ側は、裁判権を行使しないと折れた。

日本側が裁判を行うこととなった。

検察はジラードを障害致死罪で起訴する。

 

そのうらで あの日米合同委員会が開かれました。

そしてジラードは

〇殺人罪でなく、傷害致死罪で起訴すること

〇日本側は、日本の訴訟代理人を通じて、日本の裁判所が判決を

  可能な限り軽くするように勧告すること

 

が合意されたのです。

 

11月19日、ジラードに対し懲役3年、執行猶予4年の判決が下りた。

この異常に軽い判決に対して、検察は控訴せず刑が確定した。

 

★日米合同委員会の異常性

 

 それではここに出てきた日米合同委員会とはなんでしょうか。

 米軍基地の提供や返還、地位協定の運用に関するすべてのことを

 協議する場を日米合同委員会といいます。

 以前、密約製造マシーンといいましたね。

 

場所も毎回、日米で持ち回りになっていて外務省内や南麻布の米軍施設や

ニューサンノーホテルなどが使われています。

議長も毎回日米が交互に務めています。

 

こうしてみると、本当に日米が合同で協議する場、、、、というイメージですね。

ここで話し合われることは、米軍基地の提供や返還に関する事項

地位協定の運用に関する合意などです。

 

そして会議後、発表されるのは米軍基地の土地の返還や新たな施設の提供などで

秘密性とは無縁の合意です。

公に発表するわけだから、それはあたりまえでしょう。

発表されない内容もあります。

 

日本国内で結ばれた条約は、日本の国内法よりも上位です。

米軍の法的地位は、日本政府よりも高いのです。

事実上、行政権も司法権ももっています。

何もかもほとんど米軍の方が上位です。

ここはアメリカではなく、日本なのに変ですよね。

 

それがあからさまになって、日本国民に知られたら困るので

日米合同委員会というブラックボックスを置いて、そこで対等に

協議しているようなフリをしているというわけです。

 

アメリカと日本の官僚が一人ずつ選ばれて、代表を務め

対等に協議しているようなふりをしながら、実際は密室でアメリカ側が

すべて自分たちの都合のいいように決めてしまう、、、、

それが日米合同委員会の正体です。

 

だから本来、こんなものはなくてもいいが、日本国民にすべてアメリカ上位を

隠すために設置されたものです。

日米合同委員会とは、国民の目に触れさせられない問題を

密室の中で決めるための場です。

だから簡単に密約製造マシーンという異常な機関だと覚えておきましょう。

 

◎ロングブリー事件 1958年9月7日

 

 午後2時、米軍ジョンソン基地を横切る線路上を西武池袋線下り電車が

 走行中、埼玉県入間市の稲荷山公園付近でピーターEロングブリー

 三等航空兵19歳が、電車に向けてカービン銃を発砲した。

 

 これで武蔵野音大生、宮村祥之さん21歳が死亡。

 宮村さんは基地へバンド演奏のアルバイトに行く途中でした。

 埼玉県警と狭山署は、ロングブリーを重過失致死罪で浦和地検に書類送検。

 

 ロングブリーは、空撃ちの練習をしていたが、実弾が入っているのを忘れたという。

 警備中の米兵は、実弾を装填しないのが規則です。

 だから空撃ちの練習をしたというのは、おかしい。

 走行中の列車に向けて、遊び半分で実弾の射撃練習をしていたのでしょう。

 

 そしてこの事件も日本の世論が沸騰し、形だけの裁判が行われることに。

 そして下りた判決は禁固10か月、という信じられない軽いものでした。

 これも米軍関係者については、基本的に裁判権を放棄するという密約のためです。

 

 ◎首と胴体が真っ二つにされた主婦  1957年8月3日

 

  茨城県にあったアメリカ軍の飛行場から、離陸した米軍機が超低空飛行を行い

  滑走路から500m離れた道路を、自転車で走っていた親子に後方の車輪が

  接触し母親の北条はるさん63歳が、首と胴体を真っ二つに切断されて即死

  息子の清さん24歳も重傷を負いました。

 

 その後、操縦者のジョンLゴードン27歳のいたずらによるものと判明しました。

 ところがその後、この事件は公務中によるものとされ、日米地位協定により

 日本側の裁判権が放棄され、捜査は終了しました。

 

 ★日本の裁判所の異常性 

 

 日本の政府が、日米合同委員会で非公開の協議を行い、そこで決められた

 方針を法務省経由で検察庁に伝える。

 すると検察庁は、軽めの求刑をし、最高裁に対しても軽めの判決をするよう働きかける。

 これは米軍基地をめぐって生まれた違法な権力チャンネルです。

 

 1952年9月最高裁事務総局は、日米合同委員会で合意した密約を

 裁判に反映するための資料を作成して編集、刊行しています。

 【日米行政協定に伴う民事および刑事特別法関係資料】というものです。

 

 このような裏マニュアルは、外務省でも法務省でも作られています。

 このような裏マニュアルは、占領が終わっても外国軍基地を置いたため

 国内法の運用上の矛盾をごまかすためにつくられたものです。

 これは今でもあの頃と同じようにずっと継続しています。

 本当に何から何まで異常です。

 

 裁判所は、今でも裁判官会同と裁判官協議会という名の会議を開いて

 裁判官たちを集めて、自分たちが出したい判決の方向へ

 裁判官たちを誘導しています。

   (新藤宗幸 司法官僚 岩波新書) (海渡雄一 原発訴訟 岩波新書)

 

  

 日米地位協定入門著前泊博盛