教訓
尖●問題そのものについての話は色々と呟いてみたりしたので、そちらをご参照。
今回は、ビジネスの話。
よく考えれば、ことビジネスという面から見ると、今の状況と2005年の反日デモの時とは、だいぶ違うが少し似ている。2005年は、1980年代後半の低賃金を求めての進出(軽工業)、1990年代前半のメーカーによる生産拠点移管の進展を経て、ITバブル崩壊を乗り越え、2000年代前半の第三次ブームがまさに絶頂を迎えていた頃である。
第二次ブームの頃は大企業に限られていた生産移管が、中国のWTO加盟などを機として中小企業にも浸透し、猫も杓子も中国、という状況になりつつあった。
これが、反日デモを機に、一旦萎んだという事実がある。
当時はアメリカが好景気に湧いていた点が今とは大きく異なるが、中国投資ブームという点では似たようなもの。リーマンショックを比較的低ショックで切り抜け、こちらに居る感覚からすると、現在の中国に対する注目はこれまでにないほど高い。
加えて、当時とは違って、中国を大きな市場と見るのが既に当たり前のこととなっている。アメリカ・ヨーロッパ、そしてアジア。アジアの中でも中国がダントツで、次にインドネシアかタイ、そしてインド。マーケットについてこういう感覚を持っている日系企業は少なくない。
そこへ来て今回のこの事件。
実は、前回よりも影響は大きいのではないかと考えている。
2005年前後に騒がれたのは、生産拠点の過度の中国集中を避けよう!ということである。一工場でストライキが起きれば波及するということで、こぞってベトナムやタイにサテライト工場を建設したメーカーは多い。実際のところ、サプライチェーンもあってデジカメや携帯、プリンタはまだ全世界のほとんどが中国生産ではあるが、一定程度の生産移管は進んだ。
今回は、市場としての中国一極集中も大きなリスクとなることが改めて日系企業にインプットされたと言えるだろう。中国に代わる大きな市場はなかなか見つからないとしても、メーカー各社はより一層、中国を除いた新興国の市場拡大に力を入れていくことになる。
加えて、最近香港でも相談の多い、「統括」という議論にもこれは大きく影響する。最近、さすがに傘型(USD30Mのニューマネーが必要)や管理性公司を簡単に立ち上げて資金を突っ込もうという無謀な動きは減ってきたものの、中国内の統括という際に無条件に北京や上海が出てくることが多かった。実際、中での資金の融通等は中でやったほうが楽、という点は確かにそのとおりなのだが、そのリスクも再認識されたのではないだろうか。
大切な本社の資金をどこに置くのか、経営方針を立てる上でどこにヘッドがあるのが最適なのか、そういった冷静な議論が再度行われる方向となるのではないか。
4年弱しか中国周りの仕事はしていないが、様々なことから感じるのは、この国は「管理したい国」であるということだ。為替相場も、外貨管理規制も、税制も、全てがお上による「管理(行政指導)」を前提とした構成になっている。
そのことが何を意味するかは明白。国家に取って都合が悪くなれば、いつでも方針はコロっと変わるということであり、小さなレベルでは外貨規制を見ると日常茶飯事である。そういう場所に資金を置くことの意味、というのは今回の事件を教訓に、少し冷静に考えたほうがよさそうだ。
もちろん、過度に臆病になる必要もない。もともと利には敏い人たちである。本当に双方に経済的なマイナスが出るようなことはあまりやりたがらない。但し、政治体制が絡むと話は全く変わってくる、ということは改めて理解しておく必要がある。
その意味で呟きと同じことの繰り返しになるが、今回中国が自ら負ったダメージは果てしなく大きい、と個人的に思う。
今回は、ビジネスの話。
よく考えれば、ことビジネスという面から見ると、今の状況と2005年の反日デモの時とは、だいぶ違うが少し似ている。2005年は、1980年代後半の低賃金を求めての進出(軽工業)、1990年代前半のメーカーによる生産拠点移管の進展を経て、ITバブル崩壊を乗り越え、2000年代前半の第三次ブームがまさに絶頂を迎えていた頃である。
第二次ブームの頃は大企業に限られていた生産移管が、中国のWTO加盟などを機として中小企業にも浸透し、猫も杓子も中国、という状況になりつつあった。
これが、反日デモを機に、一旦萎んだという事実がある。
当時はアメリカが好景気に湧いていた点が今とは大きく異なるが、中国投資ブームという点では似たようなもの。リーマンショックを比較的低ショックで切り抜け、こちらに居る感覚からすると、現在の中国に対する注目はこれまでにないほど高い。
加えて、当時とは違って、中国を大きな市場と見るのが既に当たり前のこととなっている。アメリカ・ヨーロッパ、そしてアジア。アジアの中でも中国がダントツで、次にインドネシアかタイ、そしてインド。マーケットについてこういう感覚を持っている日系企業は少なくない。
そこへ来て今回のこの事件。
実は、前回よりも影響は大きいのではないかと考えている。
2005年前後に騒がれたのは、生産拠点の過度の中国集中を避けよう!ということである。一工場でストライキが起きれば波及するということで、こぞってベトナムやタイにサテライト工場を建設したメーカーは多い。実際のところ、サプライチェーンもあってデジカメや携帯、プリンタはまだ全世界のほとんどが中国生産ではあるが、一定程度の生産移管は進んだ。
今回は、市場としての中国一極集中も大きなリスクとなることが改めて日系企業にインプットされたと言えるだろう。中国に代わる大きな市場はなかなか見つからないとしても、メーカー各社はより一層、中国を除いた新興国の市場拡大に力を入れていくことになる。
加えて、最近香港でも相談の多い、「統括」という議論にもこれは大きく影響する。最近、さすがに傘型(USD30Mのニューマネーが必要)や管理性公司を簡単に立ち上げて資金を突っ込もうという無謀な動きは減ってきたものの、中国内の統括という際に無条件に北京や上海が出てくることが多かった。実際、中での資金の融通等は中でやったほうが楽、という点は確かにそのとおりなのだが、そのリスクも再認識されたのではないだろうか。
大切な本社の資金をどこに置くのか、経営方針を立てる上でどこにヘッドがあるのが最適なのか、そういった冷静な議論が再度行われる方向となるのではないか。
4年弱しか中国周りの仕事はしていないが、様々なことから感じるのは、この国は「管理したい国」であるということだ。為替相場も、外貨管理規制も、税制も、全てがお上による「管理(行政指導)」を前提とした構成になっている。
そのことが何を意味するかは明白。国家に取って都合が悪くなれば、いつでも方針はコロっと変わるということであり、小さなレベルでは外貨規制を見ると日常茶飯事である。そういう場所に資金を置くことの意味、というのは今回の事件を教訓に、少し冷静に考えたほうがよさそうだ。
もちろん、過度に臆病になる必要もない。もともと利には敏い人たちである。本当に双方に経済的なマイナスが出るようなことはあまりやりたがらない。但し、政治体制が絡むと話は全く変わってくる、ということは改めて理解しておく必要がある。
その意味で呟きと同じことの繰り返しになるが、今回中国が自ら負ったダメージは果てしなく大きい、と個人的に思う。