決断力とマネジメント | Midnight Express

決断力とマネジメント

最近マスコミでは騒がれなくなったが、相も変わらず高いパフォーマンスを出し続ける羽生善治の著書。


羽生 善治
決断力

ビジネスの世界と将棋の世界とでは全然違う部分も多い(たとえば、ビジネスの世界では他者(第三者)をどう動かしていくかという要素があるが、将棋の世界では自分と相手の一対一)が、なかなか含蓄のある名著だと思った。

興味のある人は、目次だけでも読んでみると良いのではないだろうか。良いことを述べている。俺自身、結局は自分で考えることが一番大事、ということを再確認。


感心したのは、内容もさることながら、わかりやすく説明しようという意図が随所に感じられること。難しいことを難しく、簡単なことを難しく説明するのは簡単だが、難しいこと・言葉にしづらいことををわかりやすく説明するのは至難の業。彼は作家ではないからそれが完全に達成されたかはやや疑問ではあるが、真正面から取り組んで自分の体験を交えつつわかりやすく説明しようという姿勢は、かなり好感が持てる。



さて、前回紹介した「MBAが会社を滅ぼす」だが、ようやく半分ほど読み終えた・・・(遅い)。自分が何となく思っていながら、うまく言葉にできなかったこと、言葉にはできたが自信が持てなかったことに対して、それなりの回答を出してくれた本ではある。マネジメントたるものは何か、という点に興味のある方は、是非読んでみることをオススメしたい。個人的には、MBAの悪い点はこれまで読んだ章で分かったので、筆者の考えるマネージャーの育て方は何なのか、興味がある。


ヘンリー・ミンツバーグ, 池村 千秋
MBAが会社を滅ぼす マネジャーの正しい育て方

これまで読んだところのエッセンスは・・・

・マネジメントの成功とは、マネージャー個人が成功することではなく、他者を成功させることを意味する。

・リーダーシップとは、組織の構成員に活力を与え、優れた決定をさせて業績を高めること(言い換えれば、人々が元々持っているポジティブなエネルギーを引き出すこと)であり、リーダーが賢明な決定を下し大きな取引を纏めることでは断じてない。

・リーダーシップ無きなマネジメントも、マネジメント無きリーダーシップもあり得ない。

・MBAに多いのは、あまりにせっかちで、分析を偏重し、コントロールすることの好きな人。要するにハードデータで物事をコントロールしようとするコンサルタントタイプが非常に多い。

・そういう人たちが好むのは、変化が激しくハードデータへの依存の大きい(テクノロジーの発展の余地の少ない)食品・日用消費財業界、他者への移籍障壁の低い(どこでやろうが一緒)投資銀行、自分で開業するのが容易なコンサルタントである。

・MBA卒業者は、「ヒーロー型」のマネジメントを行おうとして失敗するタイプが多い。

・本来あるべきは、部下を鼓舞して一緒に働く「関与型」マネージャーであり、机の前に座りながら人の上に立って戦略を立案・実行するコンサルタントではない。


個人的にはMBAは使いようだと思っているが、この筆者(著名な経営学者である)の指摘、耳に痛い部分も大いにあるのではないか。もちろん皆が皆、そうではないことは言うまでもないが。