“買いたい。売りたい。”これは商売の世界のハナシです。
 
20世紀初め、アメリカにあるスーパーの経営者が、画期的な発明を生み出しました。

「同じ商圏内にあるスーパーXや、Yに通うお客様に、

なんとかしてウチのスーパーに来てもらいたい。

そのための広告戦略を提案してほしいんだ。頼んだよ」

ほとんどのスーパー経営者が、広告代理店とこうした打ち合わせを繰り返しているころ、
彼は自らの店を訪れる顧客の購買活動を、つぶさに観察しつづけていました。

とうぜん彼も最初は、より多くのお客様に来ていただくための戦略を模索していたのでしょう。
競合店より1人でも多くのお客様を獲得するためにどうするべきか。

そんなことを考えながら店内をウォッチしているときに、
彼はあることに気がつきます。

「ウチの店には、もう十分のお客様が来てくれている。
足りないのは、もっと快適に買い物をしてもらうための努力だったんだ。

いま、お客様が買い物を終えているのは、
欲しい物をすべてカゴに入れた後ではない。

カゴが重くて持ちきれなくなったときに、足をレジに向けている。
これを解消すれば、みんなもっと多くの商品を買ってくれるはずだ!」

この発見のあと、いろいろな試行錯誤を経て考案されたのが、
小さなタイヤがついていて、上段と下段に2つカゴを設置できる
『ショッピングカート』です(彼は1938年にこの技術で特許を取得しています)。

もっと買いたい。もっと売りたい。
お互いのニーズが一致していても、“買いにくい”という事実だけで、
出会いを喪失する可能性があるという逸話です。

もちろんこれは、現代でも通用する大切な考え方。
店構え、ホームページ、商談の仕方、契約書の書式・・・。

すべての購買フローから、“買いにくい”要素を徹底的に排除することができれば、
売り手も買い手もストレスなく商売が成立します。

そして、たったそれだけのことで、売り上げがアップするかもしれないのです。

上述したスーパーは、お客様一人当たりの客単価が上がるだけでなく、
『ユーザーへの気配りが行き届いている店』として評判になり、
結果的に競合店からの流入客も増えたと言われています。

顧客満足度アップこそ「最大の差別化戦略」だという、お手本のような事例ですね。


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