人々の 夢たくされし 「はやぶさ」は 奇跡のごとく 地球に戻る  


「はやぶさ」は 六十億キロを 帰還して 吾らの頭上 流星となる  


大切に 抱き戻りし カプセルを 大地に放ち 煌めき散りぬ  


切なくも 燃え果てにけり 「はやぶさ」は 六十億キロ 旅の終りに  


不屈といふ プログラムなり 「はやぶさ」に 作りし人の 組み込みたるは




サックスの 音色に心 漂はせ 恋のゆくたて ひととき忘る



バッグには ルビーレッドの ミニパソコン これでどこでも 私の書斎



パソコンの 一キログラムを 軽くせん 手帳一冊 口紅一本



気がつけば 日付のかはる 日々過ごし 美しきもの こぼれ落ちゆく



遷都祭の 人込み避くる 京の春 俊成の書の 艶めきを観る




キラキラした陽の光

高い青空

輝く白い雲

深みどりの六甲の山

向日葵の花

ピンクのコスモス

透明な空気

群れ飛ぶアキアカネ



夏が去ろうとしている

切なさに胸が絞られる