カイトは慌てて飛び出したものの、行き場を失っていた。
「どうしよう。。あやかにもう一度電話をすべきか。。
いや、今の状態じゃ、話しができない。。
一先ず、ナオトのところに!」
ナオトが2歳の時に両親は自宅に入った強盗に殺害された。
未だに犯人は捕まっていない。
幸いにもナオトは庭で遊んでいたため、犯人には気付かれずに済んだ。
その後、ナオトは小学生までの10年間を孤児院で過ごす。
中学生の頃には、お世話になった孤児院で、同じ境遇の子供達の
面倒をみていた。少しでも恩返しをしたいと。
いつだったか、そのお互いの今までの人生について話しをしたことを思い出す。
「なんであいつが……そんなことするわけない!
確かに女好きでどうしようもない所もあるけれど、あいつは根は優しいヤツ、
嫌がっているアヤカさんに…」
警察署の前を通り過ぎる。
「でも、魔が差してお尻でも触ってしまったんだろうか?
もしかしたら、ちょっと触ってしまって、大声を出されて……」
「あれ?警察署どこいった?」
通り過ぎたことにやっと気づく。
「なにやってるんだよ!俺!」
急いで来た道を戻り、警察署へ。
「強姦罪は未遂であっても罰せられる犯罪、ただ被害者のプライバシーが
大きく関わる犯罪のため、親告罪となっています。被害者にお会いできれば
いいのですが…詳しいことは事務所でお話ししましょう」
署内に入ったものの何をどうしたら良いかわからず、ウロウロしていると
弁護士であろう女性とカイトが会ったことがない女性が話しをしながら
署を後にしようとしていた。
「待ってください!神田、神田直斗の弁護士さんですか?
まだ事情聴取を受けているんですか?被害者の訴えを待って時間稼ぎしているんでしょ?警察は!」
「落ちついてください。申し訳ありませんが、私は神田さんという方の弁護人ではありません。
ここは警察署です、警察に対する不満、中傷は避けたほうがいいと思います。
一旦、一緒に署から出ましょう」
カイトの早とちりに磨きがかかっていた。
自分の後頭部に穴が開くのではないかというぐらい、厳しい警察官達の視線を感じたカイトは
その2人の後を追って一緒に署を出る。
カイトはその女性弁護士の事務所に着くと、部屋で待つように指示される。
30分ほど経って、弁護士がカイトが待つ部屋にやってきた。
「すいません。自己紹介が遅れてしまって。弁護士の高木杏奈と申します。
神田さんとおっしゃいましたっけ?ご友人ですか?事件の容疑者として警察に拘留されているんですね。
何かお困りでしたら、ご相談に乗ります。あっ、ご相談だけなら料金はいただきません。ご安心を」
「あっ、私は内村海斗と申します。いや…友人の神田は強姦未遂で逮捕されてしまって。。。
何かの間違いじゃないかって思っているんですが」
「弁護士には守秘義務がありますので詳細はお話しできませんが、うちの事務所に所属している弁護士が神田さんの
事件を担当しています。ご友人が信じていることを神田さんに申し伝えます。今は待つしかありません。拘留中は
弁護人以外の方との面会は難しいです。私達にお任せください」
「はい。宜しくお願いします。。」
事務所を出ると、スマホに1件着信が。アヤカからだ。
カイトもナオトも新入社員の指導に力が入る。指導も1週間目を迎えた。
カイトはケンシンに熱く語りかける。
「マニュアルはあくまでも参考に。だいたい、うちのマニュアルは量が多すぎる。
消化できないし、消化したとしても実際の仕事には、半分も活きてこない。
覚えることに必死になって、接客が疎かに……」
…………ケンシンの反応がない。
寝ている。先輩の熱い語りを無視して、寝ていた。
「あっ、お前寝たふりしてんじゃねーよ」
おどけて言ったその言葉に
『お前、ってやめくれません?』
「これは幻聴だ、そうだ、そうに違いない。先輩にそんな言い方する新人いるわけない」
自分に言い聞かせて、平静を装うのに必死になる。
「先輩、それじゃお客様に喜んでもらえる、そんな接客の姿、お手本にしたいんで、見せてくれませんか?」
その挑戦状、受けて立つ!
カイトは鬼の形相を必死に笑顔に変えて、店内入口近くで商品を見ているお客様にゆっくり、そして、力強く歩み寄る。
「いらっしゃいませ。何かお探しですか?」
「$%!£€*{?|$'€£&@/:-@"€|_」
(っひょ~!!!!!日本人ちゃいますやん!!!!)
ちなみにカイトは関西人ではない。生まれも育ちも上野の下町っ子だ。
(今、一言もわからんかった!こうなったら身振り手振りで。。。)
そう思って手を上げた瞬間、横からケンシンが割って入り、何語かわからない言葉を流暢に操りながらお客様の応対をしている。
(あら?あら?これは罠だ。私を辱めにあわせようとしているに違いない)
見事なまでにテンパるカイトを横目に、ケンシンはスムーズにお客様にご案内、そして、商品を持ってレジまで。
「カイト先輩、どうしたんですか?これからきちんと教えて頂けるんですよね?」
うんともすんとも言えず、立ち尽くすカイト。
気づくとスタッフの控え室にポツンと一人で座っているカイトがいた。
ケンシン、野々村憲伸は、日本だけでなく海外にまで進出しているスポーツ用品メーカー
「MajidesX(マジデスエックス)」のCEO野々村真(ノノムラシン)の息子。
幼い頃から帝王学を学び、大学生時代に起業をして年商10億ドルを荒稼ぎしてきた、逸材だった。
正気に戻ったカイトは、Web上でケンシンの経歴を履歴書などの人事部からのデータを見て確認。
「野々村って、あのマジデスの社長。。。。なんであんな大手のメーカーの息子がこんなところに。。。」
「おい、いつまでそんな所でボーッとしている!早く戻れ!」
店長 赤紫が怒鳴りつける。
「あ、はい!わかりました!」
おぼつかない足でお店に出ると、
「神田さん、ここはこうやって持つといいよ」
(お前、どこ触っている。。。)
ナオトがアヤカの腰に触れながら、店内の商品の持ち方を教えている。
そう、必要もないのに。
カイトは、その日、いつ仕事を終えたのか自分でも覚えていない。
いつの間にか家に帰って来ていた。
ブー、ブー、ブー!
スマホのバイブが机の上で激しく音を立てる。
「た、助けてください!!!」
その声は、新入社員のアヤカだった。
「どうしたの?何があったの?」
「ナオト先輩が!…」
プツッ、ツー、ツー、ツー
「!!!!!!!!」
カイトは慌ててアヤカに電話をかけ直すが、出ない。
そこで、ナオトに電話をしてみた。
「お前もか?そうなんだろう?俺をはめたんだろう?」
ナオトはカイトに怒鳴りつける。
その一言を最後に電話は切れ、何度掛け直してもナオトは電話にでなかった。
翌朝、カイトは眠れずにそのまま会社へ。
ナオト、アヤカは出社していなかった。
「おはよう、開店前に大事な話がある。
神田直斗だが、昨晩警察に逮捕されてしまった。強姦の現行犯で。未遂だったらしいが。。」
店長赤紫が淡々とスタッフに伝える。
「詳細は分かり次第、また連絡する。もし、お客様や報道関係者からの問い合わせや取材があった場合は、詳細は調査中のため何も回答ができない、と回答するように。絶対に余計なことは言わないでほしい。以上。
あっ、神田彩香さんは体調不良でお休みだ。今日は販促ウィークの初日だ、気合い入れて店頭に立ってくれ。」
そこにいたスタッフ全員が鳩が豆鉄砲を食ったようだったが、カイトは違った。
昨夜の電話を聞いていたからだ。ショックを受けて身動きがとれないでいた。
「店長!すいません!今日、午前休します!午後また出社します!」
そう言いながら、全速力で店外へ出る。ポケットからスマホを取り出し、ナオトに電話をかけてみる。
もちろん、電源は入っていない。そして、アヤカに電話をしてみる。
「あっ、、はい。すいません。急に休んじゃって。。」
「そうじゃないだろう?だ、大丈夫か?」
「……………また、連絡します」
そう言って電話は切れた。
「金町警察署の神崎です。ちょっと、御社の社員、神田直斗さんの件でお話を聞きたいのですが」
アカムラサキスポーツ人事部の一室で、部長堂上が刑事と話しをしている。
「神田は以前から女性に対してセクハラまがいのことをしていましたから、今回の件は故意でやった可能性は高いと思います。お騒がせして申し訳ありません」
「ほー、自分の会社の社員を擁護しないんですか?珍しいですね、まぁ、潔いというのか」
「擁護する必要はありません。事件を起こした当時はうちの社員ですが、本日付で神田を解雇しました。弊社の内規違反ですから。
本日以降については一個人としての問題ですので、どうか弊社への捜査はお控えください」
「随分と都合がいい………。今回の被害者は会社の同僚ですよね?いったいどんな関係だったんでしょう?」
「プライベートなことはわかりません。話しでは先輩後輩のいい間柄で、食事などには一緒に行くこともあったということですが」
「先輩後輩でどうしてこんなことに。。何か思い当たる節はありませんか?」
「特にありません。そろそろお約束の30分です。申し訳ありませんが、お引き取り願いますでしょうか」
神崎は本社の外に置いていた車に戻り、つぶやいた。
「恋人同士の別れ話から、今回の事件に発展した。この仮説はどうも正しくなさそうだな。。」
カイトはケンシンに熱く語りかける。
「マニュアルはあくまでも参考に。だいたい、うちのマニュアルは量が多すぎる。
消化できないし、消化したとしても実際の仕事には、半分も活きてこない。
覚えることに必死になって、接客が疎かに……」
…………ケンシンの反応がない。
寝ている。先輩の熱い語りを無視して、寝ていた。
「あっ、お前寝たふりしてんじゃねーよ」
おどけて言ったその言葉に
『お前、ってやめくれません?』
「これは幻聴だ、そうだ、そうに違いない。先輩にそんな言い方する新人いるわけない」
自分に言い聞かせて、平静を装うのに必死になる。
「先輩、それじゃお客様に喜んでもらえる、そんな接客の姿、お手本にしたいんで、見せてくれませんか?」
その挑戦状、受けて立つ!
カイトは鬼の形相を必死に笑顔に変えて、店内入口近くで商品を見ているお客様にゆっくり、そして、力強く歩み寄る。
「いらっしゃいませ。何かお探しですか?」
「$%!£€*{?|$'€£&@/:-@"€|_」
(っひょ~!!!!!日本人ちゃいますやん!!!!)
ちなみにカイトは関西人ではない。生まれも育ちも上野の下町っ子だ。
(今、一言もわからんかった!こうなったら身振り手振りで。。。)
そう思って手を上げた瞬間、横からケンシンが割って入り、何語かわからない言葉を流暢に操りながらお客様の応対をしている。
(あら?あら?これは罠だ。私を辱めにあわせようとしているに違いない)
見事なまでにテンパるカイトを横目に、ケンシンはスムーズにお客様にご案内、そして、商品を持ってレジまで。
「カイト先輩、どうしたんですか?これからきちんと教えて頂けるんですよね?」
うんともすんとも言えず、立ち尽くすカイト。
気づくとスタッフの控え室にポツンと一人で座っているカイトがいた。
ケンシン、野々村憲伸は、日本だけでなく海外にまで進出しているスポーツ用品メーカー
「MajidesX(マジデスエックス)」のCEO野々村真(ノノムラシン)の息子。
幼い頃から帝王学を学び、大学生時代に起業をして年商10億ドルを荒稼ぎしてきた、逸材だった。
正気に戻ったカイトは、Web上でケンシンの経歴を履歴書などの人事部からのデータを見て確認。
「野々村って、あのマジデスの社長。。。。なんであんな大手のメーカーの息子がこんなところに。。。」
「おい、いつまでそんな所でボーッとしている!早く戻れ!」
店長 赤紫が怒鳴りつける。
「あ、はい!わかりました!」
おぼつかない足でお店に出ると、
「神田さん、ここはこうやって持つといいよ」
(お前、どこ触っている。。。)
ナオトがアヤカの腰に触れながら、店内の商品の持ち方を教えている。
そう、必要もないのに。
カイトは、その日、いつ仕事を終えたのか自分でも覚えていない。
いつの間にか家に帰って来ていた。
ブー、ブー、ブー!
スマホのバイブが机の上で激しく音を立てる。
「た、助けてください!!!」
その声は、新入社員のアヤカだった。
「どうしたの?何があったの?」
「ナオト先輩が!…」
プツッ、ツー、ツー、ツー
「!!!!!!!!」
カイトは慌ててアヤカに電話をかけ直すが、出ない。
そこで、ナオトに電話をしてみた。
「お前もか?そうなんだろう?俺をはめたんだろう?」
ナオトはカイトに怒鳴りつける。
その一言を最後に電話は切れ、何度掛け直してもナオトは電話にでなかった。
翌朝、カイトは眠れずにそのまま会社へ。
ナオト、アヤカは出社していなかった。
「おはよう、開店前に大事な話がある。
神田直斗だが、昨晩警察に逮捕されてしまった。強姦の現行犯で。未遂だったらしいが。。」
店長赤紫が淡々とスタッフに伝える。
「詳細は分かり次第、また連絡する。もし、お客様や報道関係者からの問い合わせや取材があった場合は、詳細は調査中のため何も回答ができない、と回答するように。絶対に余計なことは言わないでほしい。以上。
あっ、神田彩香さんは体調不良でお休みだ。今日は販促ウィークの初日だ、気合い入れて店頭に立ってくれ。」
そこにいたスタッフ全員が鳩が豆鉄砲を食ったようだったが、カイトは違った。
昨夜の電話を聞いていたからだ。ショックを受けて身動きがとれないでいた。
「店長!すいません!今日、午前休します!午後また出社します!」
そう言いながら、全速力で店外へ出る。ポケットからスマホを取り出し、ナオトに電話をかけてみる。
もちろん、電源は入っていない。そして、アヤカに電話をしてみる。
「あっ、、はい。すいません。急に休んじゃって。。」
「そうじゃないだろう?だ、大丈夫か?」
「……………また、連絡します」
そう言って電話は切れた。
「金町警察署の神崎です。ちょっと、御社の社員、神田直斗さんの件でお話を聞きたいのですが」
アカムラサキスポーツ人事部の一室で、部長堂上が刑事と話しをしている。
「神田は以前から女性に対してセクハラまがいのことをしていましたから、今回の件は故意でやった可能性は高いと思います。お騒がせして申し訳ありません」
「ほー、自分の会社の社員を擁護しないんですか?珍しいですね、まぁ、潔いというのか」
「擁護する必要はありません。事件を起こした当時はうちの社員ですが、本日付で神田を解雇しました。弊社の内規違反ですから。
本日以降については一個人としての問題ですので、どうか弊社への捜査はお控えください」
「随分と都合がいい………。今回の被害者は会社の同僚ですよね?いったいどんな関係だったんでしょう?」
「プライベートなことはわかりません。話しでは先輩後輩のいい間柄で、食事などには一緒に行くこともあったということですが」
「先輩後輩でどうしてこんなことに。。何か思い当たる節はありませんか?」
「特にありません。そろそろお約束の30分です。申し訳ありませんが、お引き取り願いますでしょうか」
神崎は本社の外に置いていた車に戻り、つぶやいた。
「恋人同士の別れ話から、今回の事件に発展した。この仮説はどうも正しくなさそうだな。。」
趣味が無く平凡な毎日をおくる海斗(カイト)。
学生時代に特に夢も無く、就職もなんとなく決めた。
スポーツが好きを理由に、大手スポーツ用品店「アカムラサキスポーツ」に入社した。
入社して2年目で、新卒新入社員のOJTトレーナーを務めることに。
その新卒の新入社員は、今年の新入社員30名中NO.1の可愛さを誇る、男性社員 野々村憲伸(ノノムラケンシン)だ。
「カイト、やったな。一番のかわいこちゃんじゃんか!」
カイトの同期、直斗(ナオト)がカイトの肩をバンバン叩きながら、半笑いで話しをかけてくる。
「お前………神田さんのOJTだろ?いいな。。。」
カイトはナオトに小さな声でささやく。
神田絢香(カンダアヤカ)、今年の新入社員30名中NO.1の美貌を誇る、女性社員だ。
「おはようございます!」
大きな声で南銀座店に入ってきた、新入社員のケンシンだ。
「おはよう、今日からよろしく。私が内村海斗、ヨロピク」
「はい、宜しくお願いします!」
スルーされた。
「あ…こちらこそ宜しくお願いします」
「おはようございます。」
店内に爽やかな風とともに鈴が鳴るような綺麗な声が響き渡る。
「南銀座店に配属されました神田絢香と申します。初めての店舗勤務で緊張していますが、
がんばって参りますので、どうぞ、宜しくお願いいたします。色々教えてください。」
素晴らしすぎてカイトは身震いしていた。
「初めまして、神田直斗です。同じ神田ですね、一緒にがんばりましょう!」
カイトは自分が1ミクロンぐらいに小さくなっている感覚でいた。
「それじゃ、開店準備に入る、朝礼するぞ!」
店長の赤紫権左衛門(アカムラサキゴンザエモン)、35歳が力を入れる。
カイト、ケンシンペアは、ポーっと店長の話しに耳を傾ける。
ナオト、アヤカペアは、真剣に話しに耳を傾け、アヤカはメモを取っている。
ナオトはスマホをチラチラ見ているが。。
「今回、OJTを決めるのに時間がかかったようだな。
2年目の若い奴に任せたそうじゃないか、お互いに成長させようという考えか。」
アカムラサキスポーツ、専務大田原英彦(オオタワラヒデヒコ)が、人事部長堂上涼子(ドノウエリョウコ)に
語りかける。
「そうです。ただ南銀座店は違います。例の件がありますので。上手くいけば計画通りに進むと思います。」
「上手くいけばじゃないだろう。上手くいかせるのが君の仕事だぞ。」
「はい。」
専務室で行われている密談、物語が動き出す。
学生時代に特に夢も無く、就職もなんとなく決めた。
スポーツが好きを理由に、大手スポーツ用品店「アカムラサキスポーツ」に入社した。
入社して2年目で、新卒新入社員のOJTトレーナーを務めることに。
その新卒の新入社員は、今年の新入社員30名中NO.1の可愛さを誇る、男性社員 野々村憲伸(ノノムラケンシン)だ。
「カイト、やったな。一番のかわいこちゃんじゃんか!」
カイトの同期、直斗(ナオト)がカイトの肩をバンバン叩きながら、半笑いで話しをかけてくる。
「お前………神田さんのOJTだろ?いいな。。。」
カイトはナオトに小さな声でささやく。
神田絢香(カンダアヤカ)、今年の新入社員30名中NO.1の美貌を誇る、女性社員だ。
「おはようございます!」
大きな声で南銀座店に入ってきた、新入社員のケンシンだ。
「おはよう、今日からよろしく。私が内村海斗、ヨロピク」
「はい、宜しくお願いします!」
スルーされた。
「あ…こちらこそ宜しくお願いします」
「おはようございます。」
店内に爽やかな風とともに鈴が鳴るような綺麗な声が響き渡る。
「南銀座店に配属されました神田絢香と申します。初めての店舗勤務で緊張していますが、
がんばって参りますので、どうぞ、宜しくお願いいたします。色々教えてください。」
素晴らしすぎてカイトは身震いしていた。
「初めまして、神田直斗です。同じ神田ですね、一緒にがんばりましょう!」
カイトは自分が1ミクロンぐらいに小さくなっている感覚でいた。
「それじゃ、開店準備に入る、朝礼するぞ!」
店長の赤紫権左衛門(アカムラサキゴンザエモン)、35歳が力を入れる。
カイト、ケンシンペアは、ポーっと店長の話しに耳を傾ける。
ナオト、アヤカペアは、真剣に話しに耳を傾け、アヤカはメモを取っている。
ナオトはスマホをチラチラ見ているが。。
「今回、OJTを決めるのに時間がかかったようだな。
2年目の若い奴に任せたそうじゃないか、お互いに成長させようという考えか。」
アカムラサキスポーツ、専務大田原英彦(オオタワラヒデヒコ)が、人事部長堂上涼子(ドノウエリョウコ)に
語りかける。
「そうです。ただ南銀座店は違います。例の件がありますので。上手くいけば計画通りに進むと思います。」
「上手くいけばじゃないだろう。上手くいかせるのが君の仕事だぞ。」
「はい。」
専務室で行われている密談、物語が動き出す。
