BS12で映画『西部戦線異状なし』を見ました。

戦争映画(特に最近の作品)は予告編を見るだけで怖しいので避けてきましたが、やっぱりこの映画だけは見なければ!と思って見ました。

レマルクの原作は読んだことがありますが、流石に映画だけあって、戦闘を含め戦場の場面が非常にリアルです。

アメリカ映画ですが、原作通り、連合国にとって敵側だったドイツの若者ポールが主人公です。第一次世界大戦からわずか10数年後のアメリカで、このような複眼思考で戦争映画を作ることができ、アカデミー賞最優秀作品賞を獲得したのは驚きです。第一次大戦と第二次大戦の狭間の時代、束の間の自由を感じます。

教師に煽られ、志願して戦場に行き、悲惨過ぎる現実を体験して、何処にも居場所が無くなった主人公ポールの知性と瑞々しい感情が哀しい。

見て良かったと思いました。







追記1:Wikipediaによれば、主人公ポールを演じたリュー・エアーズは、第二次世界大戦では良心的懲役拒否をしたのですが、当時のアメリカは彼の行為を許さず、人気が落ちたそうです。

追記2:レマルクの最後の妻がポーレット・ゴダード。主演のリュー・エアーズの元妻がジンジャー・ロジャースというのもびっくりでした。