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12月12日
日曜日の夜はあまり眠れない。
と思ってしまうとそうなるから、思わないでおこうと思っても、思うことは止められないからすでに思ってる。

9時をまわって息子が電話をかけてきて、雪道の靴を送ってほしいと言う。
すでに雪が積もっているのだろう。
こんな小さな国なのに全然違う気候に驚く。
夫の靴。北海道に行くために買った、たぶんその時だけ履いた靴。それを履くよという。

黒のカーディガンもさ、父、持ってないかな、何かあるんじゃないかと思ってさ、
あるならそれを送ってほしいんだ、って。

試食販売のバイトするんだよーって。
それ、したいって言ってたバイトだよねって笑う。よかったねー。

黒でなくても濃紺でもいいんだよ、と言うけれど、あるのは全部セーターで、と言いながら
シャツやスーツやコートばかりをしまっているクロゼットを見ると、手前に紺のカーディガンがあった。
こんなの着てたっけ?会社で着てたんだっけ?紺のカーディガン。ポケットのついた。

夫の靴と、カーディガンを送る。
それを送ってという息子。
それを履いて、着たいという。


最初、わたしは何もかも捨てなければならないと思っていた。
なぜか。
どうしてかわからないけれど。
本もCDも、服も持ち物も。何もかも。
なぜだろう。
捨てたくなくても捨てなければならないのだと思っていた。

ほんの少し捨てて、力尽きた。

でも捨てなくてよかったんだよね。
ものに、特に物に、こだわるわけではない。
目に見える物に。
と思っていたけれど、たとえ物でさえ、と思う。
今はまだ。いつか違うふうに思う時が来るのかもしれないし、来ないかもしれないし、ただただ面倒になるかもしれないし。
でもまだ、いいのだろう。

夫の使っていたパソコンを立ち上げる音。
夫のパスワードのままでログインする。
ただ自分が使うためだけで、夫の作ったホルダーを開けてみたりはしない。

パソコンなどパソコンでしかない。
それでも。立ち上がる音は、夫が立てていた音だ。


ゆうべのお夕飯。
里芋白みそグラタンと、サラダ。
揚げナスのトマトソースパスタ。

包丁使わなかった、笑。
冷凍していた揚げナスとトマト缶を煮て
チンした里芋をヘラで切って
冷凍しめじをバンバン叩いて砕いて
ホワイトソース作って。
レタスをちぎって。
包丁使わずにこのメニュー。
やるな、わたし、笑