ずっと昔、30数年前
営業の報奨金で買ったSEIKOのMAJESTA腕時計。
一年で何秒も狂わないと云うふれこみだった。3万か四万円したと思う。
その純正ステンレスシルバーの時計バンドのサイズ調整をする金具のピン
が折れて外れてしまった。新しい金具に取り替えればいいのだろうが、
こんな金具だけ売っているのか、いくらするのか、当然時計屋にあると思うが。
太平堂時計屋さんは休業中のときに困ったものだと思いながら四・五日が経つ。
いっそ新しいバンドに変えたらとも思ったが安くは無いだろう 何千円か。
そんなことを考えていたら今は止まって仕舞ってある腕時計があったことを思い出した。
確かあれもバンドだけを替えた記憶がある。
其れを探し出してきたが、ベルトの部分の厚みが違うので合わなかった。
万事休す。
やはり新しい時計バンドに変えるしかないのかと思ったが
純正の、時計の枠に合わせたバンドが良いのはわかるが高くつくし、
どうせ新しいのに買い換えるのなら今取り出してきたバンドにすればいいのではないか。
SEIKOの時計バンドをはずしに係ったが、片方が上手く外れない。
止めておくピンが汗と雨のおかげで固まってしまっている。
ステンレス製だから錆付いている訳が無いと思うが取れないので力ずくで外した。
そして新しいバンドのピンを使って片方、もう片方と付け替え完了。
金色の新しい金属時計バンドも捨てたものではないなあと思いながら腕にはめたら、
ピンが跳んで外れてしまった。大変 細いピンを探して見つけて再度取り付け。
腕にはめたら、又ピンが跳んで外れてしまった。上手くピンが入っていないのか。
虫眼鏡を出してきて、付根の部分の清掃をしたら あら大変。
片方は黒い点が見えるが もう片方は見えない、白く光っているだけ。
何故だろう 黒い点と言うかピン先が止まる穴が空いていない。
そう 先程力ずくで外したピンの先が折れて残ってしまった故止まらないのが解った。
如何すれば良いのか。
折れて残ったピンの先を取り除く為には
先ずは551で洗浄。錆びてはいないはずだが念のため。
次にピンセットはどうか、ガーゼを挟むピンセットはあるが先が尖がっていない。
虫眼鏡を眼鏡に乗せて、蛍光灯で角度を調整しながらするが掴めない。
時計屋さんが目にはめている黒い円錐形の拡大鏡、専門用具が無いと難しい。
視力の個人差もある故ピントも合わし難い。
先の尖ったピンセットも専門用具か。
裁縫に使ってる針箱を持ち出してきて細い針先で引っ掛かりを作るべく突いた。
同じ箇所を何度か針も替えて突いていたら黒い点のような塵が取れた。
コレでなんとかピン先の穴が確認できた。
改めてピンをセットしてもう片方のバンドが完了。
新しい金色の時計バンドも似合うもんだと自画自賛して喜んで今もはめている。
ひょっとしたら時計屋さんが出来るかも。しかしコレじゃあ儲からないね。
サッサと諦めて新しい時計に買い換えないと金が回らない。
勿体ない精神では世の中回らないような気がする。
腕時計・携帯時計が流行らない、
携帯電話・スマホが主流の時代にこんなことを書いていて良いのか疑問。