【あらすじ】
活動屋が華やいでいた時代。薄汚いアパートの一室で、「ヤス、小夏をもらってくれ。」銀幕のスター・銀ちゃんが、大部屋役者・ヤスに放った一言。
銀ちゃんの恋人であり、その子を身ごもった女優・小夏、小夏の腹の中にいる子が自らの子でないと知りながら、夫となったヤスは大好きな銀ちゃんの為、大好きな小夏と赤ん坊の為、大部屋として危険な役をこなす生活が始まる。

【配役(敬称略)】
倉岡銀四郎:佐々木誠
村岡安治:長橋遼也
水田小夏:森下りお
橘:萬谷真之
監督:泥谷将
カメラマン:桂弥太郎
鈴カステラ:森田真央
加藤カルネ:北本拓実
桃忍者A:花野紗南
桃忍者B/めぐみ:藤井愛希子
桃忍者C/めぐみ:鍋谷真菜香
音声:内藤章

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12/19(木)回を観劇。

蒲田行進曲、有名な作品だけどもどんな媒体のやつでも触れることがなかった。


見たことないから結構新鮮な気持ちで観れたと思う。


なんで誰がどう見てもクズやと思う銀ちゃんにあれだけの憧れを持てるのか。

銀ちゃんの為なら火の中水の中。
死ねと言われれば簡単に命を投げ出せる勢いだ。

ヤスにとっての銀ちゃんはそんな存在なんだ。


突如人の家に上がり込んで、妊娠させた女と結婚し、お腹の子の父親になってくれと頼み込む銀ちゃん。その理由だってクソだ。ヘドが出る。自分の為に、自分のこれからの華やいだ未来ある人生の裏側に決してあってはならない汚点だからだ。

何なんだコイツは。

挙句の果てには小夏を捨てて、付き合った女と破局。役者人生にも行き詰まりを感じたら小夏と寄りを戻そうとする。

何なんだコイツは!!⬅



その点ヤスは違う。押し付けられたなんて思わずに小夏に愛情を注ぐ。

だけど途中DVっぽいことしてたのは何故なんやろうか。

小夏の親との顔合わせ時にイヤなことされたからか?
田舎に住む親が小夏の親に送った品を、小夏の両親が返してきたからか?


どれだけぞんざいな扱いを銀ちゃんにされようとも、最後まで銀ちゃんに華を持たせようとするヤスのひたむきな想いに涙が出そうになった。


「そのどこに出しても恥ずかしくないガキは、俺の子供だからなぁ!!」

これから産まれてくる自分の遺伝子を持たぬ子を、一生愛情かけて育てようと決意するヤスの気持ちも最高だった。


ヤス・・・最高だったな。
壁からひょっこりはんしてくる所も大好きだったな(笑)


監督の階段落ちの危険さを大きく体全体で表現させるシーンも好きだった。

銀ちゃんは本当にクズなんだけど、そのクズさが堪らないほどだった。良きだった。


小説が読みたくなった。

映画を見たいと思った。

そして出来るならもう一度改めて舞台を観たいと思った。


なんだよ、つか作品っていいじゃないか。