プロモーションビデオのよう 「マリー・アントワネット」 | 翠日記

翠日記

イラストレーションを描いてます。本を読んだり映画を見たり走ったり食べたりするのが好きです。
http://midori-s.hopto.org/


ソフィア・コッポラ監督作品。マリー・アントワネットの前半の生涯の伝記モノですが、ひたすら豪華絢爛なシーンが連続し、めくるめくよう。


正統派の伝記映画ではなく、少女のマリー・アントワネットにスポットを当てた乙女チックな映画になっています。一方ストーリーはあってないようなもの、最後になんとなーく(後のフランス革命につながる)民衆の暴動があった程度。 プロモーションビデオのような映画でした。


ストーリー的に落ちのない構成というか、これを物語といっていいのだろうか・・・と不安を抱きながらみましたが、そもそも私がこの映画をみた理由は、「きれいなお菓子ときれいな衣装ときれいなベルサイユ宮殿を見たかったから」なので問題ありません。そういう意味で、絵的には本当に問題なく美しかったです。青系の画面とまばゆいベルサイユ宮殿のシーンが対比的で両方を引き立ててました。色の勉強にはなる映画です。


むかし「ロミオ+ジュリエット」をバズ・ラーマン監督が現代風にリメイクしましたが、きっとそのノリを狙って作られた作品でしょう。しかし、ガーリーにしたいならもっと徹底してほしかったし、あと致命的なのはリズムが悪いこと。物語の展開のしかたがドンくさかった。現代風にするなら、つっこみどこ万歳でもそれを吹き飛ばすくらいの勢いがほしい。


キルティンダンストの演技は、(私は演技とかに詳しくないのでよくわかりませんが)よかったと思います。