No.693:AFC U20女子アジアカップ(準決勝)

第11回目となる「AFC U20女子アジアカップ2024(旧名称:AFC U-19女子選手権)」がウズベキスタンにおいて3月3日から16日までの日程で行われている。
出場国(8チーム)が2つのグループに分かれ、上位2チームが決勝トーナメントに進出する。決勝トーナメントに進出できた4チームには、今年の8月31日から9月22日にかけて、南米コロンビアで開催される予定の第11回目のFIFA U-20女子ワールドカップ2024への出場権が与えられる。

グループAの最終結果
Rank Team Pts    MP    W    D    L    GF    GA    GD
1    AUS        9    3    3    0    0    7    1    6
2    KOR    6    3    2    0    1    20    2    18
3    TWN    3    3    1    0    2    2    9    -7
4    UZB        0    3    0    0    3    0    17    -17

グループBの最終結果
Rank Team Pts    MP    W    D    L    GF    GA    GD
1    PRK        7    3    2    1    0    8    1    7
2    JPN        6    3    2    0    1    12    1    11
3    CHN    4    3    1    1    1    7    4    3
4    VNM    0    3    0    0    3    1    22    -21

上記の結果、決勝トーナメント(準決勝)の対戦カードは以下となった。
準決勝第1試合:韓国U20女子代表vs北朝鮮U20女子代表
準決勝第2試合:オーストラリアU20女子代表vs日本U20女子代表


準決勝第1試合:韓国U20女子代表vs北朝鮮U20女子代表
日時:2024年3月13日 13:00KO(現地時間)
会場:Do’Stilk Stadium
試合結果はゼロ対3で北朝鮮U20女子代表の勝利


2024年03月11日、日本サッカー協会はHP上で、AFC U20女子アジアカップ ウズベキスタン 2024に参加しているメンバーに関するお知らせとして「U-20日本女子代表選手の途中離脱」を発表した。
以下、発表内容。
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AFC U20女子アジアカップ ウズベキスタン 2024を戦うU-20日本女子代表において、松窪真心選手(ノースカロライナ・カレッジ)が所属クラブ事情のためチームを途中離脱することとなりました。なお、松窪選手に代わる選手の追加招集はありません。
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マジか!このタイミングで途中離脱って...。
「連覇」が叶わなかったときの言い訳にしようというのか?
ポジティブな考えに及ばない。どうしてもネガティブに考えてしまう。
だが、残されたメンバーで連覇を成し遂げられないとは思えない。
それだけのポテンシャルを持つ選手は十分に揃っていると見ている。
問題は、そのポテンシャルをピッチ上で発揮できる選手を見極め、適材適所に配置し、やるべきことを明確に指示できるベンチワークにあると感じている。


準決勝第2試合:オーストラリアU20女子代表vs日本U20女子代表
日時:2024年3月13日 16:00KO(現地時間)
会場:Jar Stadium

日本U20女子代表のスタメンは以下。
GK    18    鹿島 彩莉
DF    03    米田 博美
DF    06    佐々木 里緒
DF    07    小山 史乃観
DF    17    白垣 うの
MF    08    角田 楓佳
MF    15    林 愛花 (Cap.)
MF    16    天野 紗
FW    13    辻澤 亜唯
FW    14    土方 麻椰
FW    23    久保田 真生

日本U20女子代表のシステムは4-2-3-1。
FW:#14
MF:#16、#13、#23
MF:#08、#15
DF:#06、#03、#17、#07
GK:#01


オーストラリアU20女子代表のスタメンは以下。
GK    01    CHLOE LINCOLN
DF    15    ALEXIA APOSTOLAKIS
DF    21    NAOMI CHINNAMA
DF    23    SASHA
MF    10    DAMIELA GALIC
MF    14    ZARA KRUGER
MF    17    MADELEINE CASPERS
MF    20    INDIANA DOS SANTOS
FW    05    JESSIKA NASH (Cap.)
FW    07    MILLY BOUGHTON
FW    13    PETA

オーストラリアU20女子代表のシステムは4-4-2なのだろうか。
FW:#07、#13
MF:#20、#10、#14、#17
DF:#23、#21、#15、#05
GK:#01


日本U20女子代表の選手交代
HT: OUT #15林 愛花→IN #05大山愛笑
HT: OUT #23久保田真生→IN #19松永未夢
後半28分:OUT #16天野 紗→IN #09笹井一愛
後半44分:OUT #13辻澤亜唯→IN #12中谷莉奈
後半47分:OUT #14土方麻椰→IN #20樋渡百花

オーストラリアU20女子代表の選手交代
HT: OUT #7MILLY BOUGHTON→IN #19LARA GOOCH
後半19分:OUT #17MADELEINE CASPERS→IN #16CLAUDIA CICCO
後半32分:OUT #20INDIANA DOS SANTOS→IN #11KAHLI JOHNSON
後半32分:OUT #13PETA→IN #08ALANA MURPHY
後半39分:OUT #14ZARA KRUGER→IN #06SHAY HOLLMAN
    

試合経過:
前半3分、日本:右CK、#16天野さん⌒>GA右、GKパンチングクリアを試みるも不十分なクリアとなり⌒>GA中央やや左寄り、#03米田さんHS⌒>ボールは、ゴール左に吸い込まれた。1対ゼロ。
※日本が先制。平均身長で日本よりはるかに勝るオーストラリアは、浮き球ならば跳ね返せるだろうと考えていたのだろう。だが、オーストラリアGKは、ニアサイドの味方の壁が邪魔となってパンチングクリアがしっかりとできなかった。ファーサイドで全体を見ながら飛び込んだ#03米田さんの状況判断が生んだゴールと言えよう。ただ、日本としてはさらにひとりファーサイドに選手を配置しておいてもよさそうであった。
前半12分、日本:M1右サイドFK、#16天野さん⌒>PA中央、#13辻澤さんワンタッチ⌒>GA中央やや左寄り、#13辻澤さんHSを試みるも、GKがキャッチ。
前半13分、オーストラリア:GKからボールを縦パスでつないで~>M1左ハーフ、#07MILLY縦にスルーパス―>A2左ハーフ、日本のディフェンスラインの裏に抜け出した#13PETA縦に運んで~>PA左、#13PETA右足S―>ボールはGK鹿島さんの横を抜けてゴール右に決まる。1対1。
※GKから4人に縦パスでボールをつながれ、最後の5人目にきれいに決められてしまった。北朝鮮であったら、これだけ縦パスをつながれることなく、途中で体をぶつけるなりして阻止をはかるのではと思われた。日本と北朝鮮の守備の意識の違いが見えたように思えた。オフサイドのようにも思えたが、日本の#06佐々木さんの体が残っていたようである。
前半21分、日本:A2中央やや右寄り、#15林さん縦に―>A2中央やや右寄り、#14土方さん下げて―>A2右ハーフ、#07小山さん縦に戻して―>A2右ハーフ、#14土方さん縦に―>PA右、#23久保田さん右足S⌒>GA右、GKパンチングクリア⌒>ボールはゴール右外へ。
前半29分、日本:A2左ハーフ、#16天野さんボールを奪って―>A2左ハーフ、#15林さん縦に運んで~>A2左ハーフ#15林さん左足S⌒>ボールはゴール右隅に飛んだが、GKが横っ飛びしてキャッチ。
※日本は、ボールを失っても、オーストラリア陣内でボールを奪い返せている状況がチャンスを生んでいる。
前半33分、日本:センターサークル内、#06佐々木さん右前に―>A2右ハーフ、#07小山さん縦に―>A1右サイド、#23久保田さんクロス⌒>GA右、#14土方さん頭で擦らせてS⌒>ボールはゴール前を通過してゴール左へ。
※麻椰?シュートだったの?角度的に難しかったかな?
前半のATは2分。

前半を終えて1対1と同点で折り返す。
前半の日本のシュート数:合計16本(枠内9本、枠外7本)
前半のオーストラリアのシュート数:合計1本(枠内1本、枠外ゼロ本)

後半18分、日本:左CK、#16天野さん⌒>PA左ゴールライン手前、#17白垣さん頭に当ててフリックS⌒>ボールは、オーストラリア#21NAOMI右手上腕に当たってGKの両手の間をすり抜けゴール内へ。2対1。
※OWNゴールにならなかっただけ良いかな。もしGKがキャッチしていたら、PKになっていたのだろうか?
後半38分、日本:M1左ハーフ、#03米田さん左前に―>A2左サイド、#19松永さん縦に運んで~>A1左サイド、#19松永さん中央へ―>PA左、#14土方さんマイナスのパスを中央へ―>A2中央やや左寄り、#05大山さん縦に―>PA中央、#09笹井さんポストプレーで左へ横パス―>PA中央やや左寄り、#05大山さんスルーして―>PA左、#14土方さん右足S⌒>ゴール右に決まる。3対1。
※これぞ「Beautiful Goal!」と言える日本U20 女子代表のゴールであった。オーストラリアの守備の人数が足りていなかったわけではない。狭い局面でありながらワンタッチでのパスをつないだゴールであった。この時間帯の追加点は、オーストラリアの戦意をそぐものとなったのは間違いないであろう。
後半43分、日本:A2左サイド、#19松永さん縦に―>A1左サイド、#14土方さん縦に運んで、左サイドをエグッて~>PA左ゴールライン手前、#14土方さんマイナスのクロスー>ボールは、オーストラリア#05JESSIKAの足に当たってゴール方向へ―>GA中央やや左寄り、#09笹井さん右足S―>ボールはゴールネットに突き刺さった。4対1。
※サッカーは何が起きるか、何が良い選択なのか、分からないラッキーなゴールもある。とにかくゴール前にボールを運び、クロス、シュートを打ってみることが必要だと思う。そして、ゴール前に詰めること。何かが起こる可能性を高めることが重要といえるだろう。
後半44分、日本:M1中央やや左寄り、#17白垣さん縦に―>A2中央、#05大山さん左に運んで左へ―>PA左、#19松永さん縦に運んで~>PA左、#19松永さん左足S⌒>ゴール前中央、オーストラリア#21NAOMIに当たってボールはゴール内へ。5対1。
※このゴールはオウンゴールと判定されてしまったが、オーストラリア#21NAOMIの後ろには、#09笹井さんと#05大山さんが詰めていただけに、ゴールは確実なものとなっていただろう。

試合結果は5対1で日本U20女子代表の勝利。
後半の日本のシュート数:合計14本(枠内9本、枠外5本)
後半のオーストラリアのシュート数:合計ゼロ本(枠内ゼロ本、枠外ゼロ本)

松窪さんの離脱で、心配したが、5ゴールを奪う快勝で、日本U20女子代表は、決勝戦に駒を進めることができた。松窪さんの離脱で彼女を頼るのではなく、自分達がやるべきをやるという「踏ん切りがついた」のではないだろうか?
ただ、オーストラリアの寄せは北朝鮮に比べると弱かったのは間違いない。さらに、ボールを奪えるシーンを何度も作れたことが、この大勝につながったと言えよう。ただ、この大勝に喜んではいけない。北朝鮮は、全く違う。フィジカル面での「インテンシティ」は、桁外れなものを持っている。日本は、頭脳的な「インテンシティ」を最大限に発揮して、その北朝鮮に挑んで欲しい。


この準決勝でピッチに送り出されることがなかった選手は、以下の6名。
GK 
01 大熊 茜(ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)
21 岩崎 有波(ノジマステラ神奈川相模原)
FP
04 白沢 百合恵(アルビレックス新潟レディース)
11 大島 暖菜(大宮アルディージャVENTUS)
02 吉岡 心(マイナビ仙台レディース)
22 岡村 來佳(三菱重工浦和レッズレディース)


日本U20女子代表の次の試合は、
決勝トーナメント<決勝>
対戦カード:日本U20女子代表vs北朝鮮U20女子代表
日時:2024年3月16日 18:00KO(現地時間)
会場:Jar Stadium


雑感:
それにしても「日本国家」の演奏だが「前奏はいらない」と思うのは私だけだろうか?