No.690:AFC U20女子アジアカップ(グループ戦<第2節>)

第11回目となる「AFC U20女子アジアカップ2024(旧名称:AFC U-19女子選手権)」がウズベキスタンにおいて3月3日から16日までの日程で始まった。
出場国(8チーム)が2つのグループに分かれ、上位2チームが決勝トーナメントに進出する。決勝トーナメントに進出できた4チームには、今年の8月31日から9月22日にかけて、南米コロンビアで開催される予定の第11回目のFIFA U-20女子ワールドカップ2024への出場権が与えられる。


グループA<第2節>の試合結果

対戦カード:台湾U20女子代表vs韓国U20女子代表
日時:2024年3月6日 13:00KO(現地時間)
会場:Do’Stilk Stadium
試合結果はゼロ対6で韓国U20女子代表の勝利

対戦カード:オーストラリアU20女子代表vsウズベキスタンU20女子代表
日時:2024年3月6日 16:00KO(現地時間)
会場:Jar Stadium
試合結果はゼロ対2でオーストラリアU20女子代表の勝利

Group A                                    
Rank Team Pts    MP    W    D    L    GF    GA    GD
1    AUS        6    2    2    0    0    4    1    3
2    KOR    3    2    1    0    1    7    2    5
3    TWN    3    2    1    0    1    2    6    -4
4    UZB        0    2    0    0    2    0    4    -4


グループB<第2節>の試合結果

対戦カード:ベトナムU20女子代表vs北朝鮮U20女子代表
日時:2024年3月7日 13:00KO(現地時間)
会場:Do’Stilk Stadium
試合結果はゼロ対6で北朝鮮U20女子代表の勝利

上記の試合の結果、Group Bの暫定順位は下記となり、
Rank Team Pts    MP    W    D    L    GF    GA    GD
1    PRK        4    2    1    1    0    7    1    6
2    JPN        3    1    1    0    0    10    0    10
3    CHN    1    1    0    1    0    1    1    0
4    VNM    0    2    0    0    2    0    16    -16
ベトナムU20女子代表は、残念ながら決勝トーナメントへの進出は叶わなくなった。
さらには、この結果から、もし、日本U20女子代表が中国U20女子代表に勝利すると、その時点で、日本U20女子代表の決勝トーナメントへの進出が確定し、かつ、FIFA U-20女子ワールドカップ2024への出場権を手にすることになる。


対戦カード:日本U20女子代表vs中国U20女子代表
日時:2024年3月7日 16:00KO(現地時間)
会場:Jar Stadium

日本U20女子代表のスタメンは以下。
GK    01    大熊 茜
DF    03    米田 博美
DF    07    小山 史乃観
DF    17    白垣 うの
MF    05    大山 愛笑
MF    15    林 愛花 (Cap.)
MF    16    天野 紗
MF    19    松永 未夢
FW    10    松窪 真心
FW    14    土方 麻椰
FW    23    久保田 真生

日本U20女子代表のシステムは4-2-3-1。
FW:#14
MF:#19、#10、#23
MF:#05、#16
DF:#07、#03、#17、#15
GK:#01


中国U20女子代表のスタメンは以下。
GK    01    Liu Chen    
DF    03    Xia Lejiao    
DF    04    Wang Siqian (Cap.)    
DF    07    Li Tingyingge    
DF    14    Guo Nan
DF    21    Chen Jiayu
MF    08    Jiang Chenjing
MF    11    Ouyang Yuhuan
MF    16    Wang Aifang
MF    17    Huo Yuexin
FW    09    Lu Jiayu

中国U20女子代表のシステムは3-4-3なのだろうか。
FW:#17、#09、#11
MF:#03、#08、#16、#07
DF:#04、#14、#21
GK:#01


日本U20女子代表の選手交代
HT:OUT #15    林 愛花→IN #09笹井一愛
HT:OUT #23久保田真生→IN #06佐々木里緒
後半17分:OUT #05大山愛笑→IN #08角田楓佳
後半29分:OUT #19松永未夢→IN #13辻澤亜唯
後半45分:OUT #10松窪真心→IN #04白沢百合恵

中国U20女子代表の選手交代
HT:OUT #08Jiang Chenjing→IN #10Yu Jiaqi
後半25分:OUT #11Ouyang Yuhuan→IN #13Wu Yejia
後半25分:OUT #16Wang Aifang→IN #18Zhang Chenxi
後半33分:OUT #09Lu Jiayu→IN #06Zhang Yiqian
後半44分:OUT #07Li Tingyingge→IN #23Huang Xueyang


試合経過:
前半4分、日本:左サイドのセンターライン上、#07小山さん縦に―>M1左サイド、#19松永さん高速ドリブルで縦に運んで~>A1左サイド、#19松永さんクロス⌒>PA左、中国選手に当たって跳ね返ったボールに―>PA左、#14土方さん右足ワンタッチ左足S―>ニアサイドを狙ったシュートを中国GKが右足でブロックー>ボールはゴールライン手前で中国FPが左サイドラインの外へクリア。
※ニアサイドを狙ったシュートは枠内を捉えていたように見えた。ナイスシュートだったが、中国のGKの反応が良く、ブロックされてしまった。惜しい!
前半16分、日本:右CK、#16天野さんショートコーナーー>PA右ゴールライン手前、#19松永さん落として―>A1右サイド、#16天野さんクロス⌒>ゴール前中央、中国FPの頭に当たってボールは左サイドへ⌒>GA左角、#10松窪さん左足S⌒>ボールはゴール手前GA上空を通過して右サイドへ⌒>A1右サイド、#19松永さんボールを残し、マイナスのパスー>A1右サイド、#16天野さんクロス⌒>PA右、#14土方さんが中国FPを倒してしまいファール。
※日本の波状攻撃。中国ゴールを脅かすが、人数を掛けて守られてしまい、ゴールを奪うことはできなかった。
前半18分、日本:M2左サイド、#07小山さん縦に浮き球パス⌒>M1左ハーフ、#10松窪さん右足ワントラップ縦にスルーパス―>A2左サイド、#14土方さん縦に運んで~>A1左サイド、#14土方さんゴールに向かう浮き球クロス⌒>左サイドから#23久保田さんが走り込んでいたが⌒>GA中央やや左寄り、中国の長身GKがキャッチ。
※#14土方さんの浮き球クロスがGKの上を越えて右サイドまでいってたら面白い結果になったかも...。
前半27分、日本:A2左ハーフ、#10松窪さんヒールパス―>A2左ハーフ、#05大山さん右前に⌒>ペナルティアーク右、#23久保田さんワンタッチ⌒>PA右、#23久保田さんノールックでマイナス気味にクロス―>PA中央、#14土方さん冷静に右足S―>中国GKが横っ飛びセーブを試みるが、ボールはその手の先をすり抜けてゴール左隅に決まる。1対ゼロ。日本が先制!
※松窪→大山→久保田→土方のこの4人のナイスプレーの連続が生み出したゴール。中国の熱いディフェンスラインを見事に崩し奪いきった鮮やかなゴールであった。
前半35分、日本:M2右サイド、#14土方さん縦に運んで~>M1右ハーフ、#14土方さん左へ―>A2左ハーフ、#07小山さんツータッチ以上縦に運んで右足ミドルS⌒>ボールはゴール左クロスバー直下に向かったが中国の長身GKが両手を頭上に突き出しジャンプしてブロック⌒>ボールはゴール上を通過して後ろへ。
※#07小山さんの長距離砲がさく裂したが、長身GKのビックセーブで防がれてしまった。
前半を終えて1対ゼロとU20日本女子代表がリードして折り返す。
後半6分、中国:A2中央、#10Yu Jiaqi右へ―>PA右角、#07Li Tingyinggeワンタッチクロス⌒>PA中央、#17Huo Yuexinダイレクトで右足S⌒>ゴール中央クロスバー直下に飛んだシュートを日本GK#01大熊さんがジャンプして右手でパンチングセーブ⌒>ボールはゴールの上を通過して後ろへ。
※ダイレクトパスでつながれ、寄せることもできずに、シュートまで持っていかれてしまった。U20日本女子代表の守備面での課題が見えた場面。それにしても、第1節のベトナム戦より、U20日本女子代表のパフォーマンスが落ちているように見受けられるのだが...。やはり、中2日での第2節では、疲れが抜き切れていないのであろうか?
後半9分、日本:センターサークル左、#10松窪さん胸トラップからツータッチ縦に運んで~>M1中央、#10松窪さん右前に―>A2右ハーフ、#14土方さん右足トラップ―>ペナルティアーク右、#14土方さん右足S⌒>ゴール上を通過して後ろへ。
※まやぁ~!フリーなんだから、せめて枠内に放とうよ...。もうちょっと力を抜いてね。
後半10分、日本:A2右サイド、中国ボールに強くプレッシャーをかけて、こぼれたボールに―>A2左ハーフ、#10松窪さん切り返して中国DFをかわして縦に運び~>PA左、#10松窪さん左足S⌒>ニアサイドを狙ったシュートであったが、ゴール左のネットに当たる。
※#10松窪さんのキレのある切り返しが見事に決まるが、シュートは枠内に飛ばず。
後半28分、日本:D1左サイド、#06佐々木さん超ロング・サイドチェンジ⌒>M1右ハーフ、#14土方さんワントラップ―>A2右ハーフ、#14土方さん縦に運んで~>
ペナルティアーク右、#14土方さん切り返して中国DF2人を置き去りにして―>PA中央やや右寄り、#14土方さん左足S⌒>ボールはゴール左上隅の上を越えて後ろへ。
※まやぁ~!フリーなんだから、せめて枠内に放とうよ...。もうちょっと力を抜いてね。
後半43分、日本:PA左角FK、#16天野さん右足S⌒>ボールは中国の長身選手4枚の壁の上を越えて⌒>中国長身GKのジャンピングセーブの両手を越えて⌒>ゴール右上隅に吸い込まれた。2対ゼロ。
※かの「宮間あや」さんを彷彿とさせてくれる#16天野さんの美しい技ありシュート。
U20日本女子代表は、後半のAT5分もしっかりと守り切り、クリーンシートでこの第2節も試合を終えた。
試合結果は2対ゼロでU20日本女子代表の勝利。

U20中国女子代表とU20日本女子代表の「力量」は、それほどの「差」はないと感じた。それを可能としているのは、U20中国女子代表の身長の高さなのであろう。平均身長の差がどのくらいなのか不明だが、守備面、攻撃面で空中戦となると、間違いなくU20日本女子代表にとってはつらいものとなってしまう。足技の個人技、スピードのある走力ではU20日本女子代表が勝るのであろうが、足の長さなどの体格差を生かされて、その連動制を断ち切られてしまい、攻撃面で厳しいものがある。数少ないチャンスにおいて、フィニッシュで決め切る力量をさらに向上させないと、「世界一」の頂上に立つのは難しいように思える。
この第2節で個人的に印象に残った選手は、#14土方麻椰さんで、第1節で2ゴールに対し、この第2節は1ゴールにとどまったが、第1節よりもはるかに第2節の方がオフザボールの立ち位置が良く、チームのチャンス、ピンチに対し貢献できていたように感じた。
ただ、この第2節、U20日本女子代表は、全体的に動きにキレがなく、中2日の日程で、前節の疲れが完全に抜けていないように思えた。第3節に向けしっかりと体のメンテをしてほしいと願う。

この第2節でピッチに送り出されることがなかった選手は、以下の7名。第3節の北朝鮮戦での活躍に期待したい。
GK 
18 鹿島 彩莉(ちふれASエルフェン埼玉)
21 岩崎 有波(ノジマステラ神奈川相模原)
FP
11 大島 暖菜(大宮アルディージャVENTUS)
12 中谷 莉奈(セレッソ大阪ヤンマーレディース)
02 吉岡 心(マイナビ仙台レディース)
22 岡村 來佳(三菱重工浦和レッズレディース)
20 樋渡 百花(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)


日本U20女子代表の次の試合は、
グループB<第3節>
対戦カード:日本U20女子代表vs北朝鮮U20女子代表
日時:2024年3月10日 13:00KO(現地時間)
会場:Jar Stadium