先週木曜日、10月8日(木)に公開した記事の続きです。今回はなかなかニュースになることのない北海道の野球中継の視聴率についてかなり詳しく書いています。(すっかり更新が遅くなってしまった…)
観客動員数は良くないものの、世帯視聴率は北海道トップ20に入ることも多く、常に2ケタの世帯視聴率を出すファイターズ戦。しかし、道内放送局関係者はこの20%近くの視聴率が欲しいらしい。。。
これは「財界さっぽろ」という雑誌で2019年シーズンの野球中継の視聴率が全て出ていた。
財界誌なので内容は堅い。。
社長の年始挨拶や鈴木知事がIR誘致を見送ったことが書かれている。
ここで北海道にある放送局について詳しく説明する。紫太字は北海道新聞社の放送局。
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ラテ兼営局。TBSテレビ系列が自由に差し替えができる水曜ナイター・日曜日のデーゲームの中継が多い。テレビ・ラジオ共にファイターズの北海道移転当初から熱心に中継。
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NHK。特に説明する必要はないと思う。
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ラテ兼営局。巨人戦の差し替えという形で中継することが多い。ファイターズ中継はテレビ・ラジオ共に人気が出た頃からやるようになったので評判が悪い(それまでは巨人戦を多く中継)。
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ナイター中継は少なく、デーゲームの中継が多い。ファイターズの北海道移転当初から熱心に中継。
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かつては道内で一番テレビ中継をしていたが今は少ない。自由に差し替えできる火曜ナイター・土曜日ナイター・日曜デーゲームを中継。
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フジテレビ系列が自由に差し替えできる火曜ナイター・金曜ナイター・土曜デーゲームの中継が多い。
ここで北海道内の中継数を見る。
これだけ中継している。この中継でどれだけ世帯視聴率(以下視聴率)を取れているのだろうか。
ナイトゲーム…13.5%
デーゲーム…13.6%
(ビデオリサーチ調べ・札幌地区の視聴率)
視聴率は全ての中継の視聴率を平均で算出したもの。中継の視聴率が複数出ている場合、加重平均で計算。
この数字が高いか低いか。それは何とも言えない。
財界さっぽろでは、以前は1試合の平均視聴率が20%を超えることが多かったことを触れたうえで道内放送局関係者はこのようにコメントしている。
「19年シーズンはテレビ中継が始まった時点で、ファイターズが大敗しているケースが少なくなかった。それも全体的な数字が伸びなかった一因と分析しています。」
確かに、地元のチームが負けているから視聴率が悪い。。というのは納得できる。他の地方でもそのような傾向はあるからだ。
ただ、テレビの視聴率も低下している。価値観の多様化やCS放送、DAZNの登場などと視聴率だけでは評価できない部分もある。ただ、20%近くの視聴率がないといけない理由があるのだ。
「それでも、まだまだ視聴率は高い。一方で、ファイターズ中継は製作費がかかるので、どんなに数字が良くても赤字。負け試合は数字が取れない傾向になってきたので、やっぱりファイターズが強くないと、中継数は減っていく可能性もなくはないだろう。」by道内放送局関係者
野球中継は赤字らしい。。これが全部の放送局のことなのかは分からないけど、野球中継をするということがとても大変ということなのだろう。
でも、テレビ神奈川のベイスターズ中継やチバテレビのマリーンズ中継のように中継車やカメラなどを放送局で出さずに球団の公式映像(CS放送やネット中継で使用)をそのまま使って、実況解説のみを差し替えて中継している局もあるので、製作費がかかるなら、球団の公式映像を使って中継するなど、うまくやってもらいたいな。。と思う。
ただ、困っているのは製作費だけならまだ良い。問題はキー局の番組を自由に差し替えできなくなってきてることだ。
ナイター中継は基本的に系列局が自由に差し替えて良い枠で中継しているが、これは特に問題ない。ただ、ナイター中継はキー局の本来流すべき番組を無理に差し替えて中継することもある。キー局や差し替えられた番組のスポンサーはどう思うだろうか。
キー局の本来流すべき番組を無理に差し替えて中継するというのは相当マズイ。圧倒的ない高視聴率なら良いんだけど、あまり良い視聴率でなければキー局の番組を差し替えてやるということが困難になる。
最近は系列局が自由に差し替えできないようにしているんじゃないか?と思えるようなことがある。特にテレビ朝日系列は特にその傾向にある。
視聴率が20%や30%なら無理に差し替えて野球中継しようと思うし、キー局もしょうがないと思う。ただ、圧倒的な視聴率じゃないとキー局も黙ってない。
製作費もそうなんだけど、キー局との関係や番組編成の面を含めて、20%近くの視聴率が必要になるんだろうと思う。。。
今後、地方の野球中継も関東と同じようになくなっていくのだろうか。。そんなことを考えた。
■引用元
「財界さっぽろ」2020年1月新春特大号