Watership Down by Richard Adams (Penguin)


やれやれ、どうにか読み終わりました。 (^^ゞ


ウォーターシップダウンのウサギたちと、圧倒的支配力を持つリーダーの組織との戦いの話が、なぜ挿入されているのか。前回の疑問でした。


最後まで読んでみると、ウォーターシップダウンの主役クラスのウサギが人間の少女と直接の関わりを持つ場面が出てきます。

そして「野生のウサギは飼うことが出来ない」と少女の父親は説得し、少女の母親の主治医のアダムスと共にそのウサギをウォーターシップダウン付近に放しに行きます。


つまり、そういうこと。組織を作って仲間のウサギを抑圧してもウサギはウサギらしく生きられない。やはり野に置け野性のウサギということで、平和を勝ち取ったウォーターシップダウンは子どもが生まれたり、皆で厳しい冬を越えたりして、ウサギはウサギの生き方をしながら幸せに暮らしましたとさと締めくくられています。


ところで、この本の著者は「アダムス」。先の少女の母親の主治医と同じ苗字です。作者プロフィールによると、リチャード・アダムスの父親は医師だったようです。また、リチャードには二人の娘がいるそうです。

ストーリーの最後に出てくる人間が、作者の身内を思わせることから、このお話は父から娘への枕元での語り聞かせというようにも感じられました。