母の日の早朝
ああ、きっとひーちゃんからの電話だ。第六感にピクンと感じる。
「もしもし?」
「みいちん、明日位に雨が降りそうなけん、今日でもお墓の上に樹や花を植えたらええんじゃがなあ・・・」
やっぱり予想的中
よりにもよって母の日。肋骨折れとるんじゃけん大人しくしとったらええのに、人を使ってでも自分の思いどおりに事を成し遂げる、執念ある母なので
「わかった、旦那と一緒に行くけん」
前に堆肥を撒いてから、事あるごとに言われていたのでプレゼント承諾
毎年母の日には、ひーちゃんのお気に入りの酢(白梅の酢)を3升持っていく。
今年は+αのおまけだ。
ひーちゃん宅に着くと、待ち構えたように
「K君(旦那様)は軽トラで、水とあそこに植えとるのをおがしてやみいちんは、いわちゃんの車にあれとあれと、あの鉢植えも積んで・・・」
いわれるがままにやっていると、オーナーがおやつとジュースを車の片隅に入れてくれた。
お墓に着いて、持ってきた植木をひーちゃんの指図通りに植えて汗だく
私 「もうまあ休もや」
ひーちゃん 「飲むもんもなーにもないぜ」
私 「姉ちゃんが入れてくれた」
ひーちゃん 「そんな事考えもせんかった。ふたりが来たら、あれさせてこれさして
ぎり思いよって、飲むもんが要るじゃんて頭になかったわい」
ほうじゃろなあ・・わたしら夫婦を使う段取りだけで、頭いっぱいみたいじゃった。
しかし、蒸し暑い。
バテバテになりながら、運んできた樹を全て植え、水をやり草をけずって終了
「みいちん、昼からもしてくれるんけ」
旦那様とふたり顔を見合わせ、お互いにアイコンタクトをして旦那様が答えた
「今日は蒸し暑いけん、また今度休みの時にしたらどうぞな」
「ほうけ・・・あそこの石を座る椅子にしたらええけん、所々に置いたらええと思たんじゃけど・・・」
人間の力では持ち上げられない石を指差してぶつぶつ呟くが、旦那が断ったものだから仕方なさそうに帰った。
旦那様の母は何も言わないが、私は手縫いのエプロン。旦那様はペンキ塗りをして、お互いの母の日孝行終わり
良いことして喜んでもらえて今日も幸せザンス