写真詩:煙の咲く夜にもう一度逢おうか。-霧




思い切って変えてみた世界は案外変わらなくて 少し安心した。

あの日々も、この日々も、本当は大して変わらないのかもしれない、なんて

そんなことを思いながら

やっぱり胸は痛むし

涙は出る。

でももう取り戻せないし あなたはどんどん知らない世界に進んでしまうのだから

わたしはこれ以上あなたを見つめ続けることはできないんだよ。

ああ 過去のあなたに会えたなら もっと早く もっと早く ちゃんと言葉に出せるのに。

一緒に寄り添えた日々を大切にできたのに。

だけどあなたは鈍いから いつだって気付かなくて 笑って他の人の話をするのね。

それならずっと苦しいままだから 触れないままでいいから

もう一度あなたを好きになりたいなあ。

失う代わりに手に入れたものが 今 わたしを変えようとしているよ

それでいいのかい?

もう少し歩いてみるよ。思い出にならない思い出が引き止めても 泣いても どうなっても

振り切って 身を任せてみるよ。



好きなんだよ。