この話は、きょう現在「途中」で、これからまだまだ続くその過程の一部。
生活の中にあなたがたまに居て
いつもすてきな時間があって
いつも思い出す。
まだ忘れられない。
会わないと決めた心が、気持ちはよけいにふくらむ。
おそらく、そうとう好きだったかもしれない。
作ったものは、かならずあなたの目を通り写してきた
「一眼レフ」
悪いけど、やっぱり買わないよ。
ふつうの携帯カメラじゃ、やっぱりダメだけどね。
世の中「何が無いからだめ」というのはただの理由にすぎない
「そこに、あるものでやってゆく」
徹底的に。
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9 strings bumboo guitar
モノを作る時は、なにか動機がある。
動機はたったひとつであることもあるし、無数にさまざまな条件が重なりあうこともある。
歴史、人物、欲望、存在、モノ作りについては無限に語りあえるだろう。
「9弦のギターを作る」
そうは、思ってなかった。
最初は1号機(過去ログに掲載)のバンGスライダー6弦を作った。
細かく記述すると一冊の本が出来るくらい時間がかかった。
その後、「そこにあるものだけで作る」ということを念頭においてモノ作りを続け、
その条件中に「拾ったもので作る」をあてはめている。
太平洋に流木を拾いに行ったのは3回
山奥に朽木(くちき)や伐採竹を拾いにも行った。
ぼくのアトリエに来た人は、いつも片隅にボロボロの木片や、拾ってきた竹が置いてあるのは見たことがあるだろう、そしてそれらは、たまに場所を変えて置かれている。置き場所が変わるということは、拾ってきたものをいつもあらゆる角度から眺めているからだ。
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だめだ。
こう、書き出すと、その一本一本、1個1個の拾ってきたゴミのエピソードから始まってしまう。
朝食をとるのに5時間くらいかかる。
拾ってきたものをいつまでも眺めて、何日もたってしまう。
あたまの中で設計図が出来始めるが、何週間もそのことであたまがいっぱいになる。
始めて製作する新しいものは実際に作ってみないとわからない。
複雑な組み合わせが予想されると、それらの順番、時間を考え始めると同時に
別種のインスパイアを要求しに、美術館、街、映画、音楽、などを見に行く。
最近は、あたまの中が、石器時代からの思想を組み上げ始めてる。
夜中の2時に銀座で仕事が終わり、2時間半いつも歩く。
思想以外に、体力や筋力もモノ作りに関係してくる。
「こいつのことを一冊の本にするべきかどうするか」

素材の説明だけでも100ページくらい欲しい。
樹齢4000年にもなるパイン種もあるが、パインツリーの流木はその枯れた表面とは裏腹にカットしてみると樹液がたっぷりしみこんでいる。そうとう長い間幾年も海を流されてきたにもかかわらず息をしている。研削するだけで感動してしまう。歯車は現代的だが、歯車としての機能は無視している。後方に伸びる6本のブラススティックはカリンバのように弾くこともできるが9本の弦のテンションが仕事として与えられている。楽器とは演奏される固体では無くそれをヒットする固体の影響も受ける。保持や所持する状況の影響も受けるのはテルミン博士が実証している。

ココナッツの実がそうとう硬いというのはご存知だろうか?
映画「キャスト・アウェイ」を見てみるとわかる。
そのココナッツの実は機械でも削るのに時間がかかるが、竹のアールに合わせてシングルコイルピックアップを支持している。シングルコイルとワイヤーもベビーパイソンで保護してある。第一出力ジャックと第二出力ジャックの2方向式ジャックのうち手前のジャックが見える。二方向式ジャックという発想もギター界には皆無だ。
何層もの漆でフィニッシュされた孟宗竹にパインツリーの流木は、自身の削り出されたパインオガクズを混ぜた「金継流木糞」(かなつぎりゅうこくそ=MID考案)だけで接着されている。
現代の接着剤は使用してない。樹木が出す樹液だけで強靭に接着することで弦の振動が細部までゆきわたる。

漆の表面硬度は「鉄」と同一で、ガソリンに1週間浸してもなんら劣化はしない。
漆は、4000年以上劣化しない履歴が日本に残っている。
竹のふしは、同じ並びは二度と無い。それは自然に原生している条件で、たとえば斜面に生えているもの、目の前に違う植物があるもの、途中で太陽が当たらなくなる箇所、その年の気候などさまざまな条件が竹の節を曲げる。この孟宗竹は縦に亀裂が入っており、とても工芸品に使用できる状態で無いところから拾ってきている。カットは何もしてない。しない。落ちていた時のカタチを出来るだけそのまま活かす。
ギターチューニングペグは6個しか見えないが、上部に3個追加してある。おそらくギターの世界には皆無だ。チューニングペグが刺さっている板は、これもひろってきたパーチ材でおそらくオーク材のフローリングだと思う。上部にはアフリカンローズウッドもパーツとしてるが、これらは廃材処分前の変形カット状態で70円だけ出してゆずってもらったものだ。ナット側の9弦を支えるカマボコ板もこのアフリカンローズウッドだ。

ヘッド側からエレクトリックギター用弦を挿入するが、9弦もあるので、そうとうなテンションに耐えなくてはいけない。ただのアルミプレートだけだとぶっとんでしまうので、アルミプレートに入り角度約45度くらいにM8のボルト用ネジがタッピングしてある。ボルトの入り角度は90度と決まっているがそれに反しているおそらくこの世で皆無だ。このアルミのおかげでハンドアースもどの弦も共通に電通するようになっている。
挿入弦も順当に並んで貫通したのではテンションも異なる。
この配列に決定するのにも相当時間がかかった。1,2,3弦の復弦はユニゾンにもかかわらずテンションを変更している。つまり.012ゲージには.0135のゲージを組み合わせるといった具合だ。
その全景、そして、こいつをどうやって収納し持ち運び、さらにどういう機能があって、どういう音がするのか、どうやって弾くのか?
不思議に思ってくれたら、それだけでぼくはうれしいです。
ご一読ありがとうございました。
2014,6/4
MID