キーワード「テレピン油、松、片脳油、クスノキ、樟脳、カンファー、白紅、ミント」
硬化した漆の塗膜を溶かす化学薬品類は、現代においてもまだ発見されておらず、実験結果ではガソリンに1週間、硫酸に24時間漬けてもなんら変化劣化はおきない。
「血の一滴」と変名される「漆」は約10年育ったウルシの木から、たった4ヶ月間に約200ml(牛乳瓶ほど)だけ採取され、その後は二度と樹液が出なくなるため、殺木といって刈り取ってしまう。10年で200mlしか採取できない。
この漆を様々な手法で先代は研究を重ね、様々な技法があるが、この中で「ゆっくり乾かす」という作業をするため片脳油(へんのうゆ)を溶剤として使用する。この油はクスノキから精製される「樟脳」(しょうのう)が成分だが、紀元前後の古代人が貿易で使用してきた。使用目的は、医療、食料、飲料等に使用される。
この樟脳の効果を100年に渡って売り続けている薬品会社が鹿児島に存在する。80%以上の成分が樟脳である「常盤白紅」(第一製薬)が現代も売られている。
私MIDは、漆を薄く塗るために、テレピン油を使用していたが、これは松の木から精製される油で、仕上がりに光沢があり、その表面は漆のモース硬度「4」(鉄の表面と同一)を維持するのに役にたっていた。松の木も強固で、古代から「永寿」を約束するものとして日本でも縁起が良い言葉や絵柄として現代でも残っている。アメリカで現存する最古の生き物もこの松の木の種類で樹齢約4000年である。漆もまた長期保存状態で4000年前の漆が変わらない姿で発見されている。
(カリフォルニア州サンフランシスコから車で約5時間のヨセミテナショナルパークで撮影)
※樹齢約9900年のスゥエーデンの木はクローン性コロニー群によるもので、現存するクローン以外の生物はアマリカのカリフォルニア州のブリストルコーンパイン(樹齢約4600年)である。4844歳のコーンパインも存在したが1964年に刈り取られてしまった。日本では千葉市の「大賀ハス」は約2000年前の種子から発芽したと伝えられている。
私MIDは現在、右足を負傷し、竹で杖(ステッキ)を製作中だが、竹の根を固めてハンドグリップを作成中で、この箇所に、このカンファー(樟脳やミントがこの部類)を溶剤に使用した漆を使用し、さらにタピオカ(でんぷん糊)と、上質小麦粉で攪拌し、微粒子の綿わたと松のおが屑に混ぜ合わせ製作中である。
つまり物理的に歩行を助けるだけでなく、漆から徐々に発せられる成分も血行を良くし、除菌効果も絶大であることに、、、
そしてこれらを製作する時間が、治療を要する時間と匹敵するくらい時間がかかること。
そのギャップをどう後世に伝えるか難しい問題にぶつかっている。
ご一読ありがとうございました。
2015,4/17
MID
