かねてから、日本にも保守系の高級紙ができてほしいと思っていた。
また、格差社会になりつつある今の日本では、近いうちに現実のものになるだろうなとも、思っていた。
ついに、日本にも、東京都・京都府限定、配達限定、タブロイド版の産経Expressが誕生した。
産経新聞クラスの会社がキムタクをCMに起用するほどであるから、社運を賭けているものと思われる。
今回の戦略、この高級紙を、産経が出したというところに意味があると思うのである。
この新聞が成功すれば、朝日や毎日も追随するのだろうが、あくまで産経であるというところがポイントなのである。
格差社会の広がる日本で、緩やかな階級が形成されるにしたがって中流以上の社会はやはり保守系に傾きつつある。だとすると、階級ごとの民意を反映したマスメディアというのは、どうしても必須になってくるわけで、エグゼクティブの読む新聞というのが求められるのである。
階級ごとに政府・社会に求めるものが変質してくる以上、民意が多様化し、その多様な民意を集約するマス・メディアの存在が不可欠になってくるのは、必然である。
今までのマスメディアのあり方からすると、おかしな現象のように思えるが、むしろ今までが異常だったのであって、これから正常化に向かうのだと言えないか。
従来、一億総中流と言われるだけあって国民の民意はほぼ画一化されていた。それを反映するかのように、大手新聞も、論調が画一化されていた。
いや、むしろ逆である。
画一化したマスコミが、画一化された民意を生んでいるのである。
読売が右派で朝日が左派だなどと言っても、それも微々たる差にすぎない。 時事やロイターなどの通信社の配信にすこーしだけ色をつけた程度のものである。記事だけを読んで、「この論調からすると、毎日新聞だな」などと当てることは不可能だった。
マスコミが画一化することは、ろくなことを産まない。それは歴史が証明している。
政府の誤った政策、政府の独善に対するチェック機能が働かなくなるからである。
産経の今回の戦略には、ポピュリズムに向かいつつある日本の報道システムに風穴を開けることを期待している。
格差社会・階級社会に向かうことは、何も悪いことばかりではない。
むしろ、健全な社会とは、「昇降可能な緩やかな階級社会」であると、思う。
固定化されたカースト制度・士農工商のような階級社会が悪であることは言うまでもないが、すべての国民が中流に固定化された社会もまた、不健全である。
そして、総中流化・国民のポピュリズムは、マスメディアの沈黙・馴れ合いから生まれる。
一億総中流化・ポピュリズムを脱却するためには、まず、マスメディアが変わらなければならない。(ある程度国が豊かになり、多少の満足が得られるようになってしまった今日では、国民レベルからの変化を求めることは不可能であるかと思われる)
つまり、マスコミが階層化すると、国民レベルでの階級間の闘争・議論が生まれる。自己の階級層が他の階級層に駆逐されるのではないかという危惧感から、国民は、無関心でいられなくなる。結果、レベルの高い民意が形成されるのではないかと思うのである。
産経の社運を賭けた戦い、素直に応援したい。
ただひとつだけ産経Expressに問題点があるとすれば、俺の住所が、配達区域外だということである。