○高等教育の国際化6

・国際ランキングと地球規模の競争

・講師:  Ludovic Highman

・事前購読文献:Enders, J. (2014). The Academic Arms Race: International Rankings and Global Competition for World-Class Universities. In Pettigrew, A.M., Cornuel, E. & Hommel, U. (eds.) The Institutional Development of Business Schools. Oxford: Oxford University Press, 155-175. 

・概要と議論:

(1)大学ランキングに関する経験:職員・親・学生等として

・営利の手段としてのランキング

・ビジネススクールの目的:高収入企業への就職→ランキングの指標とは相容れない

・新しい大学にとってランキングはパートナーシップ締結のためのツール足りうる

・大学全体のランキングよりも分野ごとのランキングが学生にとっては重要

・研究が教育に優先する傾向がある

・ビジネススクールにとって適切なランキングを活用(Financial Timesのランキング等)

 

・ランキングは果たして本当に大学の質を反映しているのか

 (チリでは過去に平均的大学がトップになったというケースがあった)

・世界的に著名な研究型大学を推進する政策の根拠になる

 

(2)ランキングの方法論

1)指標と重み

・研究と教育

・評価の計測方法

①AWRU

②THE

③QS

 

2)議論:

・何かしらの利害関係者がこのような指標の意思決定に影響を及ぼしているのではないか。

・大学が国際会議のスポンサーとなることによる評価向上ということについてランキング関係者から助言があった

 

3)新たなランキング:Sustainability の評価方法

・大学が持続的なものであることを測定するための指標の設定(環境と社会への影響)

 

4)議論:オリジナルランキングと指標

・地域社会への影響

・起業(家)への影響:研究よりビジネスに価値を置く

・創立年度:大学の歴史はあらゆる指標に影響を及ぼす

・企業との連携

・多様性

・財政的な継続性

・論文を指標には含めないランキング

・ビジネススクールにおける卒業生の収入

・卒業生の立ち上げたプロジェクトの成功度合い

・学生の中退率

・人口や経済規模別

 

(3)ランキングの影響

1)ランキングのもたらすもの

・ランキングの評価要素に大学の政策が影響を受ける

・ランキングによる大学の均一化

・特定分野(人文社会科学)の大学等の統廃合

・大学ランキングに対する高等教育機関の考え方の変化は何によってもたらされたのか

→減少する公的予算と透明性への要求への一つの答え

 

2)ランキングに対する賛否

・大学の目的とランキングが計測するものは必ずしも一致しない

・「評判」への組織的な働きかけ(メールにより構成員に同業者への評価依頼等)

・実質の改革ではなく「評判」の向上への注力

・様々な大学ランキングの恣意的活用

・大学ランキングのもたらす均一化への対抗としての大学の多様性の確保

 

○高等教育の国際化7

・高等教育の地域主義化

・講師:  Ludovic Highman

・事前購読文献:

(1)Chou MH., Ravinet P. (2015). The Rise of ‘Higher Education Regionalism’: An Agenda for Higher Education Research. In Huisman J., de Boer H., Dill D.D., Souto-Otero M. (eds), The Palgrave International Handbook of Higher Education Policy and Governance. Palgrave Macmillan: London.  

(2)Ravinet, P. (2008). From Voluntary Participation to Monitored Coordination: why European countries feel increasingly bound by their commitment to the Bologna Process. European Journal of Education, 43:3, 353-367. 

(3)Vukasovic, M. (2013). Change of higher education in response to European pressures: conceptualization and operationalization of Europeanization of higher education. Higher Education, 66:3, 311-324. 

・概要と議論:

(1)地域主義とは

1)物理的空間としての地域と共通概念により括られるものとしての地域

2)地域の考え方:国連による区分、貿易ブロックによる区分

3)地球化・国際化・地域化という三つの概念の定義

・地球化:経済・政治・文化などが地球規模で拡大→国家は見過ごされる

・国際化:地球化する様々な活動に対して国家が中心となって対応→国家に焦点が当たる

・地域化:地球規模の活動に対する国家の活動が特定の地域で協働

・意見:

 フランスでは国際化がカリキュラムで必修

 UAEで評価の指標に国際化が含まれておりその成果により予算の配分が決定

 アメリカにおける「地域化」をどう考えるか:例えば地域ごとの認証評価団体など

4)議論:あなたの地域の特徴は何か。他の地域との区別は何か。

・どの国が主導するかによって地域の定義は変わってくる:例えば政治形態:王制・民主制等)

 →中東でもイラクは異質という観点もある

・地域化されていても内部に衝突を含むケースもある(例:北アフリカにおけるアルジェリア)

・言語による区分(例:アラビア語圏)

・北アフリカはアフリカにも含まれるしアラブ圏にも含まれる

・地域主義の実現には知識や経験が必要

・ダブル・ディグリー、ジョイント・ディグリー等の連携に基づく地域化

・例えばナミビアの白人は南アフリカでの高等教育を前提に初等中等教育を受けるといった形での地域化

・大学間連携の地域への影響:地域化は地球化の競争に対抗するための方法の一つ

・研究力や財政力による地域化はそれがなくなった時に解消されるという脆弱性を孕む

 

(2)高等教育における地域主義

1)高等教育の地域化の段階:Knight Jane

・協力(2大学間協力)→協調(ネットワーキング・協働プログラム)→融合(例:地域共通認証評価)→統合(共通の高等教育の場の確立)

2)地域化へのアプローチ

・機能的アプローチ(共通の質保証の仕組構築)

・組織的アプローチ(地域化を促進するための共同事務局の設置)

・政策的アプローチ

3)高等教育の地域主義・地域化・地域統合

・地域主義:政策的な協力を促進するための仕組みが導入されている政治的プロジェクト→トップダウン

・地域化:ボトムアップによる地域化の動きそのもの

・地域統合:経済的・社会的・政治的活動の複雑なプロセス

4)地域化の3つの次元

・地域化の実行者

・組織的調整

・地域化における共通の理念・原理

 →ECTS(ヨーロッパ単位互換評価制度)等

5)地域化の比較の必要性

・欧州以外の地域化にはそれぞれ違った側面がある

5)意見交換

・UAEdeha評価の指標等に政策的な理由から特定国(イラン・エジプト等)との連携が含まれているケースがあった

・あまりにも多くの層の地域化は大学等を疲弊させることもある

・ネットワーク参加による補助金の獲得機会(例:EU Horizons)

 →イギリスのEU離脱後も参加

・南米の地域化のかなりの要素は政治的なものである

・欧州の多国間の共同学位プログラムが多数開設されているが、各国においては個別大学独自の学位の方が評価されるという事情もある。

 

○高等教育の国際化8

・地球規模の圧力に対抗するための戦略的対応のデザイン

・講師:  Ludovic Highman

・概要と議論:

(1)仮想の大学の条件を踏まえてプレゼンテーションを作成

1)条件

• 英国政府が資金提供する大学。 独自の非常に大きな財源は、卒業生とその就職先企業

 授業料は基本的には全学生が全額負担、ただし恵まれない家庭の学生に少数の奨学金を提供

• 入学基準は非常に高い。 学生は高ランクの高校を優秀な成績で卒業する必要がある。

• 世界中から学生を受け入れているが、大部分の学生はイギリス。 授業の言語は英語。

• 大学は、医学と歯学を除いて、あらゆる分野の研究において高いじ実績。 教員は、研究に積極的かつその分野のトップであることが期待されている。

• 大学は基礎分野を専門。 応用的な分野の授業はない。

• 約 6,000 人のフルタイムの学生。

• 教員/学生比率は高く、大学はその質と量に自信を持っている。

• 居住型のキャンパス ベースの大学であり、 イングランド以外に拠点はない。

• 学生をその分野の最先端導くことを目標とし、 就職実績も高い。

• 注目を集める性差別や民族差別の裁判で取り上げられ、メディアで大きく報道されている。

2)プレゼンテーションの内容と議論

①このモデルの方向性を押し進めている社会的、政治的、経済的、文化的な力は何か

・経済的:政府・企業・同窓会による財政支援

・社会的:優秀な学生にとって魅力的であること、教員・学生比率が高いこと、就職実績が高いこと

・文化的:使用言語が英語、学生の主な出身地がイングランドであること

・政治的:政府による財政支援

②このモデルに反対する社会的、政治的、経済的、文化的力は何か 

・経済的:学生位数の維持、研究活動維持のためのコストの確保

・社会的:差別による裁判、同じ階級の学生受け入れ、基礎科学のみで応用科学がない

・文化的:イングランドの人口動態、民族差別

・政治的:Equalities Act

③戦略計画グループのメンバーだったとしたら、どのような適応をするか。継続的な持続可能性を確保するために、このモデルを推奨するか。

 

○短期的推奨事項

・包括性と多様性のある教育プログラム実施 

・多様なバックグラウンドを持つ、成功した卒業生の紹介 

・マイノリティグループを含むさまざまな利害関係者との関与

○中期的推奨事項 

・奨学金アクセスを広げ、全体的なサポートを提供

・地域大学へのアウトリーチ プログラム (共同教育イニシアチブ)

・大学の課題に対する一定の目標を達成するための経営におけるKPI設定

・研究成果のための学部内異分野協働(例・神経科学と工学) 

・応用科学を持つ大学とのパートナーシップにより、医学/歯学の研究成果を向上 

○長期的推奨事項
・地域との交流事業・ボランティア事業
・教員の多様性(性別・民族)の向上(客員教員含む)
・企業との統合パートナーシップ

あまりの英語のスピードの速さと東アジア的シャイボーイ炸裂して軽く鬱&ボッチ感じてたけど、授業時間の合間の散歩でクラスメイトに声かけてもらって写真撮ったりして徐々に馴染んできているような感覚。

 

やっぱ地球は愛で溢れているなあと実感。(人の優しさに触れて涙が出そうに)