今日は、現在、銀座のギャルリ・シェーヌGalerie Chêne Tokyoで開会中の、安齊まりな個展「渾天の視点」(会期9月16日(月)~21日(土))に行ってきました。

 

安齊まりなさんは、羊毛を厚い布片状に固め、そこに文様や絵を描き、その断片を組み合わせて様々な立体的な作品を創り上げるという独自の手法で、制作活動をされています。

そして、その手法に加え、自然や生命などの根源から感じとれるイメージを独自に深め、作品を生み出しているところにも大きな特徴があります。

 

まずは、作品を紹介していきます。

「渾天の視点」H190㎝×W175㎝×D90㎝ 羊毛・絹糸・石紛粘土・真珠など

「渾天」とは、古代中国の宇宙観の一つであり、天は球形な構造を持っていると考えられていた。

安齊さんの話を私なりの言葉で説明すると、古代の宇宙観を背景に、生命の根源を支配するもの、それは神なのかもしれないが、高い位置から宇宙、そして生命を俯瞰している者をイメージし、この作品が制作されたといったところでしょうか。

 

この写真からだけではわかりにくいかもしれませんが、この作品は高さが190㎝あり、会場の真ん中で周りを見渡している姿は圧巻です。

 

安齊まりなさんは、2021年に武蔵野美術大学造形学部絵画学科油絵専攻を卒業され、制作活動を続けていますが、今回は2回目の個展になります。

初個展は2022年であり、その時の様子も私のブログで紹介させていただきました。

 

 

 

「源流」 H170㎝×W160㎝ 羊毛・絹糸・刺繍糸など

ギリシャ哲学では、万物の根源は、火・風(空気)・水・土の4つの元素から構成されているという考え方を題材にした作品であり、中心の4つの渦を源流として、世界が出来上がっているイメージの作品です。

抽象的なテーマから創り出された作品ですが、4つの渦の一つ一つの表情、無数の穴や傷、火山の噴火口を感じさせる周りの山の連なりなど、見ごたえがある作品に仕上がっています。

 

「忘れられた地」H115㎝×W135㎝ 羊毛・糸・顔料

原始の土地を描いた古地図を感じさせる作品です。

加えて、鋭い爪をもった動物の姿も併せてを感じることができます。

 

こうした大作に加え、今回は小さな作品も展示されています。

左「山相 表」H18㎝×W28㎝ 羊毛・糸、右「山相 裏」H18.5㎝×W26.5㎝ 羊毛・糸

 

左「山相 表」H18㎝×W28㎝ 羊毛・糸

 

「山相 裏」H18.5㎝×W26.5㎝ 羊毛・糸

この作品を見ながら、安齊さんは山岳信仰に大変興味があるとのお話をされていました。

小さな作品ですが、この作品には山の自然の姿、その姿から人類の深い信仰が生み出されてきた、それを表現しようとした作品です。

 

小さな作品には、こんな作品も展示されています。

右から2番目の作品は「破片 歓喜」と名付けられており、それぞれ「破片 〇〇」と人にまつわる題が付けられています。

 

こうした羊毛の作品が中心でしたが、色鉛筆の作品と油絵の作品が各1点ずつ展示されています。

色鉛筆の作品を紹介します。

「根源」20F(60.6㎝×72.7㎝) キャンパス・白亜地・色鉛筆

 

以上、雑駁な紹介でしたが、安齊まりなさんの独自の世界観が垣間見ることができる作品展でした。

最後に、最初に紹介した「渾天の視点」と、安齊まりなさんの写真を撮らせていただきましたので、掲載させていただきます。