11月2日(土)、国立新美術館で開催中の第11回日展に行ってきました。(会期11月1日~11月24日)

 

日展は、日本画、洋画、彫刻、工芸美術、書の5部門で開催されています。

購入した目録によると、陳列点数は、日本画292、洋画659、彫刻198、工芸美術576、書1,257、計2,982とのことです。

私は、その中で、日本画、洋画、彫刻の3部門を、じっくり拝見してきました。

 

私が日展に通い始めたのは、2016年1月にブログを始め、そこで知り合った日本画の石井清子さんの入選作を拝見するために行った同年10月の改組 第3回 日展からで、その後、毎年通い、今回で9回目になります。

その中で、多くの素晴らしい作品、作家に出会い、お目当ての作家も数多くできるとともに、新たな作品・作家との出会いも楽しみにしています。

 

今回は、拝見した作品の中で、私の印象に残った作品をできるだけ多く、洋画、彫刻、日本画の順に一気に紹介していきたいと思います。

まず、会場2階の展示の洋画です。

受賞者一覧です。

 

「羽毛を纏う」中山忠彦 千葉・顧問・遺作

日展洋画の顔、現在の日本における洋画の顔と言うべき、中山忠彦先生が先日お亡くなりになりました。

9年前、初めて日展で行き、中山先生の作品を拝見し、それ以降、先生の作品を拝見するのを楽しみにしていましたが、今後、日展で作品を拝見できなくなることが残念でなりません。

心より、ご冥福をお祈り申し上げます。

 

「そして花になる」福井欧夏 東京・会員

森や湖など神秘的な背景に、美しいドレスに包まれた気品高い女性の作品が印象的な福井欧夏氏ですが、今回は、新たな挑戦でしょうか、水中に浮遊する女性を描がかれています。

水面の下の深い青の世界に、浮遊する白いドレス、女性の髪、優しい手が美しく、水中での危うさがありながら、優雅で秀逸の作品ではないでしょうか。

 

「My favorite blue」木原和敏 広島・会員

美しい風景を背景に、可憐で美しい女性を描く木原和敏氏の世界。

女性だけではなく、さりげない背景も、木原氏の手にかかるとこれほど魅力的に輝きを増すことに驚きを覚えます。

 

池田清明氏、大友義博氏、そして、小野月世さんの作品は、それぞれに、明るく、爽やかで、上品な世界に魅了されます。

「手紙」池田清明 神奈川・会員

 

「夏、遥か」大友義博 東京・会員

 

「秋を纏う」小野月世 東京都・入選

 

私が、自分のブログ等で度々紹介させていただいている徳田明子さんの作品です。

「月のない夜」徳田明子 東京都・入選

暗闇にひかるランプに照らし出された女性の姿。

女性の情念や不安など、女性の心まで描こうとするのが徳田明子さんの作品です。

 

「惑い」中島あけみ 東京都・入選

日展にいつも出展されている中島あけみさんの作品です。女性のヌードを、このように魅力的で美しく描く作家は、意外と少ないのではないかと思います。

いつも展示場所に恵まれているとはいえませんが、ご覧の通り、この15室において、存在感がある作品と思いました。

 

「THE HIGH PRIESTESS」松本貴子 奈良・会員

第7室の片隅に、この作品が凛と展示されていました。

気品に溢れる女性の聖職者(PRIESTESS)らしく、でしゃばらず、けなげさを感じる松本貴子さんらしい作品です。

 

「秋のささやき」緒方かな子 広島県・新入選

白日会展においては、よく見かける緒方かな子さんの作品です。

新入選とあるので、日展での展示は初めてになるのでしょう。

有名人であるにかかわらず、しっかりした表現力は、日展においても十分、魅力を発揮していると感じました。

 

「鵜匠の恋」ナカジマカツ 千葉・準会員

 

「星に願いを~蝶の様に舞いたい~」渡邊裕公 愛媛・会員・審査員

 

「再生・光の中に」中土居正記 広島・準会員・審査員

 

「白蓮」小島新太郎 石川・会員


 

「感謝祭の朝」高畠二三人 東京都・入選

 

「ピュア」中島健太 神奈川・会員

 

以上、人物を中心に魅力的な作品を紹介させていただきました。

このほか、人物以外で魅力的に感じた作品は、以下のとおりです。

 

「人生設計」田中里奈 神奈川・会員・審査員 東京都知事賞

 

「ECHO―裸婦と猫―」寺久保文宣 埼玉・会員・審査員 文部科学大臣賞

 

「アムステルダムの朝」熊谷有展 熊本・会員・審査員

 

「古城の村」佐藤祐治 神奈川・会員

 

「ばら園」和田貢 広島・会員

 

「入江の朝」長谷川仂 愛知・会員

 

「街角(ブルージュ)」冨田福子 東京都・入選

 

「陰と影」鈴木喜博 静岡県・入選

 

「命脈」永谷光隆 静岡県・入選

 

2階の展示室では、洋画に続いて、「彫刻」が展示されています。

彫刻は、私は、日ごろから見る機会がほとんどなく、経験値が浅いので、どのように鑑賞してよいか、よく分からないのが正直なところです。

その中で、特に、印象に残った次の4点を紹介します。

 

「風に聴く」寒河江淳二 東京・会員

寒河江淳二氏の作品は、女性らしい華奢で、しなやかな曲線に魅力を感じています。

 

「彼岸花」田原迫 華 愛知・無鑑査・特選

こちらの田原迫華さんの「彼岸花」という作品は、会場の中央に、凛とまっすぐに立ち、その存在感に魅了されました。

 

「Peace」山田朝彦 東京・理事・審査員

女性が子供あやす作品に、母の優しさ、温かさが感じられ、心を奪われる作品です。

 

「日本武尊 弟橘媛 愛うるわし」中村晋也 鹿児島・顧問

日本武尊と、その妃の弟橘媛(おとたちばなひめ)を題材にした作品。

下から見上げると、迫力のある力強い迫力のある作品です。

 

最後は、1階の日本画です。

 

人物画に興味がある私は、まずは、日展日本画においては、ベテランの山下保子さん、西田幸一郎さん、藤島大千さんの作品を探します。今回も、次の作品を楽しませていただきました。

 

「慈雨<優しい雨>」山下保子 神奈川・会員・審査員

 

「てのひら」西田幸一郎 京都・会員

 

「War」藤島大千 茨城・会員

藤島大千氏は、いつもは人物一人が登場する作品と思いますが、今回は、複数の人物を描いた作品です。

その中の一人の人物がこちらを見つめる、この作品には、この「War」というテーマに強い思いを感じます。

 

人物以外の作品では、植物、動物など、透明で緊張感がある作品が目を引きます。

「柳桜図」渡辺信喜 京都・理事・審査員

 

「望」村居正之 大阪・理事

 

「静穏」池内璋美 京都・会員

 

「唐詩選より 黄鶴春舞」藤島博文 茨城・会員

 

「炎環」中村賢次 熊本・会員

 

「童子変容―森との合一に向かって-」間瀬静江 神奈川・会員

 

独特な画風の田島奈須美さんの作品です。

「別れ」田島奈須美 神奈川・会員

画面中央に横たわる猫。

その猫に透明のベールがかけられ、3匹の猫がのぞき込んでいます。

その周りに、美しい数々の花が散りばめられています。

「別れ」という題をみて、この作品の意味に確信を持ちます。

そのうえで、額に下部に書かれた横たわる猫の姿を見て、作者の思いを強く感じました。

 

「花の唄」鍵谷節子 大阪・会員

いつもインコたちや花をテーマとしている鍵谷節子さんの作品です。

今回は、ヨウムとオカメインコが登場し、花々も華々しく、インコ好き・花好きの私にとって、とても素晴らしい作品です。

 

受賞作2点です。

「樹の一本は一つの木」能島浜江 神奈川・会員 文部科学大臣賞

 

「ソロモンの指輪」佐藤和歌子 熊本・会員 日展会員賞

 

さて、私のブログに度々登場いただいている、福田季生さんと石井清子さんの作品です。

「故郷に眠る」福田季生 京都・無鑑査

前回の第10回日展において、特選を受賞され、今回は無鑑査として出品されたの福田季生さんの作品です。

艶やかな着物姿の女性が、華やかな柄の布で覆った台の上で仰向けに横たわっています。

 

「故郷に眠る」と題したこの作品の制作意図は、ご本人にお話を伺わないと分からない部分が多いとは思いますが、故郷の風景を背景に華やかに着飾った女性が眠る姿に、美しさと懐かしくやや悲し気な風景との対比に、深い哀愁を感じます。

 

「together」石井清子 福岡県・入選

愛くるしい猫たちが甘える姿と美しい熱帯魚のベタを、あたかも万華鏡を覗いたかのごとく、ぐるぐるとした愛らしさと美しさの溢れた世界に昇華した作品です。

命ある猫の姿が、こうして作品の中で普遍的な生命を得ることにより、愛猫への思いがより深化していくことを感じる作品に思います。また、尾びれ・背びれが長く、柔軟な動きをするベタの様々な姿を描くことにより、空間の浮遊感がより出て面白いと思いました。

 

「ワカナツ」福本百恵 岐阜県・入選

前々回の第9回日展において、色とりどりの鳥を描いて特選を受賞した福本百恵さんの作品です。

今回は、一転、小さな雀の姿を描いた落ち着いた色合いの作品です。でも、鳥への愛情を強く感じる作品です。

 

「済家」中村妃菜 熊本県・入選

廃墟に拘りを見せる中村妃菜さんの作品です。

卓越した描写力を十分示しており、今後の方向性が楽しみな若手作家です。

 

「ひまわり」慶野智子 茨城県・入選

 

「だいどこ日記」小熊香奈子 和歌山県・入選

 

以上、欲張りに多くの作品を掲載しようとしてしまい、雑駁になったことを否めないブログになってしまいました。

ただ、こうして記録しておくと、今後の私の鑑賞の足掛かりにもなりますので、御勘弁いただければと思います。

いずれにしても、日展では様々な作品に出会え、わくわくさせていただいています。