全国を襲った大雨
九州は週末から月曜日にかけて大雨が降ったが当方の休みの火曜日以降は晴れるようす

今週はどこに採集に行こうか考えてGoogleマップを見ていたら天草やその離島に目がいった
天草のみにいるオサムシはいないが近くの御所浦島には亜種がいる
オオオサムシ御所浦島亜種だ
御所浦島は他に目立った昆虫もおらず離島なので船に乗らないといけないためかあまり出回らない亜種
見たこともない亜種なので是が非でも採集してみたい
調べてみると御所浦島は船に車も持ち込めるようなので車のまま行き夜通しで採集してみようではないか

高速道路代をケチり全て下道で行くので自宅を深夜2時半に出発

着いたのは7時前
既に日は昇り青空が見えていた

先ずは船のチケットを買おうとチケット売場に行くと衝撃的事実が判明


なんとカーフェリーは運休
島内は歩くしかない

乗船券購入
日付が違うのは翌日に撮影したから笑
さぁオオオサムシ御所浦亜種に出会えるだろうか

期待と不安を胸に乗船
撮影禁止とは書かれてなかったので思い出にパシャリ

大きく予定がズレてしまったがとりあえず御所浦島に上陸

化石で有名な島(らしい)ので港にドーンと恐竜が
ここはジュラシック・パークかよ

新しそうな博物館もフェリー乗り場の真ん前にガオー

山へ向かって歩いていくと細い道路地へ
これは車で来なくて正解だったかも
道が狭い

歩いていたらおじいさんに山に行くならイノシシやヘビに気をつけてと言われた
イノシシいるのか、、、トラップ半分は荒らさせる覚悟で行かなくては

ビワが美味しそう
イノシシさんよトラップ荒らさないでこちらを食べてくれ

栗の木があったので開花状況を確認
花はこれからといった感じ
こんなわずかな開花でも漂うあの臭い
いつも言うが栗の花は本当に精◯臭

おじいさんの言う通りイノシシがいるようだ
イノシシってどこにでもいるのね

さてそうなると少しでも獣害を減らさなくはならないのでお酢を使いますか
お酢だとオサムシが死ぬ時もあるしサナギ粉よりも集虫力も落ちるが仕方ない
集中といえば鬼滅の刃
TVで放送したね
本当の推しは禰󠄀豆子ですがそこは蟲の呼吸の使い手胡蝶様を推しておきますか

トラップをどんどん仕掛けていこう
場所を忘れて回収し忘れがないようにテーピングも忘れずに

トラップを仕掛けるだけでなく付近もちゃんと捜索
ガードレールにはナナフシの幼虫がいた
こんな所で擬態ポーズしてても仕方ないだろうに、、、

そして側溝もチェック
ここのオサムシも昼間活動するかもしれない
期待に反していたのはシーボルトミミズ
これは本当にデカくて気持ち悪い
放送コードはもちろんアウトなので撮影不可です笑
でもコイツがいるからオサムシは大型化するんだよね

樹液が出ているクヌギも発見
ただ時期が早いのか場所が悪いのか何もおらず

意外と滝が多い
付近は涼しく爽快

これはキツツキ類のしわざ?
除いてみたがわからず

マムシも本当にいたよ
マムシはクサリヘビ科がクサリヘビってなんかいかにもな名前だなっていつも思う
足で突付いたら迷惑そうに枯れ葉の中に消えていった

誰もいない道路を歩いていく
アゲハチョウが飛んでいたがパトロール中の個体なのでスルー
パトロールしているアゲハは早くて面倒
そしてハルゼミが鳴いているのには驚いた

これは巨大な岩の上に木が生えてその木が岩を割ったのかな
植物の強さを実感
そしてマメヅタの勢いも凄い

ところどころにある小学生が作成した看板
樹種の再認識になって勉強になった
これを書いた子はもう立派な大人、30代になっていることでしょう

地面と草むら、空をキョロキョロしながら歩いていると衝撃的なものが落ちていた

なんとオオオサムシの残骸
これぞ今回のターゲットであるオオオサムシ御所浦島亜種
生きた個体を見てみたい

花もチェックするが日蔭なためか何もいない

ヒカゲノカズラ
今遺伝子解析で注目を浴びている植物

粗朶場もそこそこあるな
これは午後チェックしなくては
そう思いながら歩き出した矢先地面から何かが飛び立った

正体はナミハンミョウ(Sophiodela japonica)
久々に見た気がする
このあと数頭採集出来て満足

いやいや満足してはいけない
目的はオオオサムシよ
トラップを仕掛けつつ山頂まで来てしまった

山頂に到着
こうして見てみると天草は離島が多いな
そしてオオオサムシは天草やその付近の離島では御所浦島と獅子島にしか生息していない不思議
もしかしたらまだ調査が進んでいないだけかもしれない

山頂にも化石
本当に有名なんだなぁ
景色を楽しみ少し休憩した所で下山
あまりのんびりしていると船が無くなってしまう

ツマグロハナカミキリ(Leptura mimica modicenotata)

ヒトオビアラゲカミキリ(Rhopaloscelis unifasciatus)
ガードレールで2種のカミキリを発見
ガードレールや欄干は意外と昆虫が集まるので要注意ポイント

一応トラップを確認しながら下山していくがオサムシの姿はなし
センチコガネ(Phelotrupes laevistriatus)が複数匹落ちていた
ここのはつや消しブラックが多かった

コクラン?
ここで唯一見かけたラン

先ほど見つけた粗朶場に陽があたっていたので近づくと小さな昆虫が飛んでいた

その正体はナガタマムシの仲間
同定は後日

とりあえず御所浦島の初日は終了
あとはトラップに落ちていてくれる事を願うばかり

明日になるまで暇なので近くの山へ
棚田の廃田に哀愁が漂う
昔はここも賑わっていたのだろうか

とりあえず山頂まで行こうと車を走らせていると気になる注意看板を発見

文字の配置、字体、言い方
あの世界的大流行した某アニメを思わせるのは気のせい?

その後も出てくる疑惑の看板
うーん、あれにしか見えない

はいもう確定笑
個人的にはマリ推しですがレイもアスカも可愛いよね

注意看板を見てほしいという想いは伝わりました
というわけで安全運転

山頂に到着
これは絶景
関東では絶対に見られない風景に感動

その後はちょっと散策
スイカズラが満開になっているのを発見
スイカズラといえばあのカミキリ
開花と同じ時期くらいに発生するのでタイミングもバッチリ
それでも食痕も姿もないということはここにはいない可能性が高い

カンアオイ
だいぶ様相が異なる
もしかしたらサイシン?
不勉強なものでわからない

ギンリョウソウ
別名ユウレイソウ
これがキクやツツジと同じ仲間なのがなんか納得いかない

さて今夜の灯火ポイントを探そう


今回見つけたのはこんな感じの所
特に目的の昆虫はいないので開けた所を優先


暗くなり今峰HIDライト全開!


直ぐにATフィールドを破ってきたのはクリイロコガネ(Miridiba castanea)
そういえばよくネットでクリイロコガネが誤同定されているのをよくみかける
そういう自分もそうだった

クリイロコガネが絶対不可侵領域を破ってからたくさんの蛾が飛来

蛾の飛来はあるものの甲虫はあのクリイロコガネのみ
だった

林道に遺されたぬいぐるみ
チェーンはサビサビの汚れているのでけっこう前からあるのかも

とりあえず明日に備えて早めに就寝



朝目覚めたがまだフェリーは運行していない時間帯だったので近くの水田を見てみた
ハイイロゲンゴロウやオタマジャクシに混じりアカハライモリの姿も
手前にいる個体を採集

採集後撮影
ここの個体群は背中に黒い斑点が入る個体が多かった


腹面は模様があまり無し
九州って水が綺麗なんだねぇ

フェリーの運行時間が迫ってきたのでフェリー乗り場へ

また御所浦島に上陸
果たしてオオオサムシは入っているのか

最初に見つけた昆虫はラミーカミキリ(Paraglenea fortunei)

モモブトカミキリモドキかな近似種のフタイロカミキリモドキにも見えなくはないが恐らくモモブト

オサムシトラップは殆どが空席
だがあるトラップの中に大型の昆虫がいた

いた!
オオオサムシ御所浦島亜種(Carabus.dehaanii ishidai)
他の亜種とは違い黒みが強い
ボウズは避けられた

トラップはこのように破壊されているのが多かった
おかげで回収が大変大変

ヒメオサムシ基亜種(Carabus japonicus japonicus)
ここのは基亜種だが大型個体が多い印象

どの個体も福岡県産とは違う


殆どが獣害に遭ってしまったが当たりトラップだとこんな感じの宝箱

無事にトラップを全回収しオオオサムシもヒメオサムシも採集出来て満足
ただマイマイカブリには出会えなかったので次の課題かな

帰りに粗朶場へ寄り道

クビアカトラカミキリ(Xylotrechus rufilius rufilius)やキイロトラカミキリなどを採集して船に乗り込んだ

フェリー乗り場のトイレに嫌味ともとれるポスター
よほど困っているのだろう、、、

トラブルもあったが非常に楽しかった御所浦島採集だった


ヒメオサムシ基亜種
左側は御所浦島産で右側は福岡県さんの当方が持ってる最大個体
一回りほども大きさが異なる

オオオサムシ御所浦島亜種
最大個体は35mmとそこそこ

オオオサムシは残りあと1亜種のみとなった
今年中にオオオサムシを全亜種集めたい

採集結果
オオオサムシ御所浦島亜種
ヒメオサムシ基亜種
ルイスゴミムシ
ゴミムシ不明種
ナミハンミョウ
センチコガネ
クリイロコガネ
キイロトラカミキリ
クビアカトラカミキリ
ヒトオビアラゲカミキリ
ツマグロハナカミキリ
ナガタマムシ不明種2種
クズノチビタマムシ

アカハライモリ